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小田代原のノアザミ [花風景]

今年は奥日光の花の開花時期が、例年との微妙なずれを示しているので、どうなることかと不安の中で待ったが、ほぼ例年通りの時期に、例年通りの開花を見せてくれた。自然に裏切られないのは心地よい。

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1. 紫色の上品な花が、茎1本に1個ずつ咲く。
1日中曇り時々雨だったが、晴れの日よりも明るさが落ち着いていて、花に陰が出来ないのも良かった。

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2. このような広い場所で咲くノアザミを他に知らないが、なぜかここでは縞状に広がっている。遠くから見るから縞状に見えるだけか?それに対する明確なお答えは出来ない。
近景の、ぼやけた白い花は、今の時期ではイブキトラノオしかない。イブキトラノオの花は、細長い穂状の花であるが、ぼやけると球状を呈する。

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3. ノアザミは1m以上にも成長し、湿原の多くの草花よりも少し高いので、観察も撮影も楽である。

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4. 紫色が主であるが時に白花ノアザミを見かける。白花が多い年と、今年のように全く見えない年とがある。これが不思議である。
キク科・アザミ属の花は多年草であり、越冬する根から芽が出る。
通常、白花が咲くのは突然変異であるが、突然変異は花のレベルだけに起こり、根のレベルには変化がない、ということだろうか。
白花ノアザミの根は、次の年も、その次の年も、永久に白花を咲かせるはずである。同じ根から出る花が、白かったりムラサキだったりしていいのだろうか。それとも白花ノアザミの根は、生命力が弱く、とびとびの季節にしか咲かないのだろうか。何とも気がもめる。

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5. ノアザミは慎み深いのか、毎年同じ範囲の中に限定して咲く。疎に咲く場所では毎年疎であり、密に咲く場所では毎年密である。周辺の草花と協約が出来ているかのように、毎年同じ場所に、一歩もはみ出ることなく咲く。野生の花としては異常な慎み深さではないだろうか。

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6. 1本の茎に1個の花。この原則をかたくなに守っている。1本の茎に2個以上の花をつけた個体を見たことが全くない。
クガイソウの場合は、やはり1本の茎に1個の花が原則だが、花が2個付いたり3個付いたりすることもそれほど珍しくない。
ノアザミの生命力の弱さを示す事実であれば、かわいそうな運命にもてあそばれる花である。

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7. 弱そうに見える茎ではあるが、時々野鳥のノビタキが止まっていたりする。重たそうな顔もせず、知らんぷりをして、鳥と一緒に風に揺れている。
ノアザミとノビタキ。名前も似ている。特別な絆があるのだろうか。

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8. 紫色は日本では上品な色として、貴族階級に好まれた色である。
色といい、姿といい、性格といい、何とも魅力的な花である。

今回はチャンスを逸したが、小田代原の日の出の頃、立ちこめる朝霧の中でこの花を観察できると、気持ちが引き締まる。幻想的な光景の中の気高い上品な姿。AKB48かももいろクローバーZか。nikkinは美少女には弱いのだ。

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9. ここには3本の縞状のノアザミ群生を見る。しかし、これが縞状ではなく島状なのかもしれない。
美しさと弱さが同居する花。華やかさと気高さとしとやかさが同居する花。

礼儀正しさと自由奔放さが同居する花。時には、幻想と落胆さえもが

同居する花。毎年撮り続けたい花である。

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10. ここは湿原であり、時には臨時の湖の底になる。
その翌年は花を咲かせないか、あるいは数的に1~2割の花しか咲かない。
それゆえにいとしさが増すのである。

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11. ここ20年ほど、小田代原は厳重な金網で囲われている。野生の動物、特に鹿に、貴重な草花を食い荒らされないための対策である。ここのノアザミの美しさを堪能できるのは、金網封鎖のおかげである。
時には熊が金網を壊して迷い込むことがある。その穴から鹿も入ってくる。
彼らを待つ運命は、厳粛な殺処分である。

シラカンバ越しに臨む平和な楽園。ここに至る道は平担ではなかった。








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