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竜頭の滝のミツバツツジ [花風景]

今年の竜頭の滝のツツジ撮影は、ややタイミングを失して現地入りした。
滝壺周辺の花は終わっていたが、幸い、竜の胴体から尾の辺りは撮りごろであった。

滝と花とを撮るならば、当然スローシャッターによるなだらかな波を考えた。
しかし、午後の陽が燦々と照る時間帯で、花も波の背も日向と日陰の落差が大きく、前途多難を思わせるスタートであった。


29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ1-6b.jpg
1. 滝壺のすぐわきでは、ミツバツツジが終わってヤマツツジが咲き始めていた。
ヤマツツジの葉が明るすぎて、反動で波の背が暗くなっている。
露出補正の値を変えても、明るさ暗さの落差修正はままならなかった。
画像編集機能でも、未熟なnikkinの腕では、どうにもならなかった。

29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ1-7'b.jpg
2. ここでは、花と直下の波の背に陽が当たり、向こう側の波の背は日陰である。

日陰の青色が心を和ませる。
花に当たる陽がそれほど強くなかったので、この画像は容認できるものとなった。

29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ1-9b.jpg
3. ここでは、画面の99%が日陰なので、スローシャッター効果が良く出た。

29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ2-3b.jpg
4. この画像は複雑である。花にはかなり強い陽が差し、波の背は日陰あり、日向あり。さらに風が吹いていたため、一見手ぶれ画像のようになってしまった。しかし三脚を使用していたので手ぶれは無い。
風の中でスローシャッターを選んだのだから、この画像は想定内である。
そして動きのある画像が幻想的印象を与え、思いのほかの収穫を得た感じがした。

29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ2-4b.jpg
5. 風がない時の画像は、花弁を透過する日光が強すぎて、メタリックな印象を与えてしまう。波の背に青色が無いのは単なる瞬間的自然現象と思われるが、画像4と比べると、画像4の判定勝ちか…。

29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ3-2b.jpg
6. 花も波も日陰なのだが、左手前の葉だけの灌木が明るすぎて、画像全体を壊している。

29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ3-8b.jpg
7. ツツジの花はまだ蕾に近い。しかし、日陰の暗さの中で格調高い美しさを醸し出している。ところが、波の背が直射日光で照らされて出るメタリックな光に、画像全体が邪魔されている。この波の背が日陰だったらどんなに良かったことだろうと思うと、無念極まりない。

29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ3-9b.jpg
8. 構図から波の背を外すと、日陰で情熱的に輝く花が立体的に飛び出してくる。
風で揺れる葉のぼやけ具合も立派な助演賞ものである。

29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ4-4b.jpg
9. 灌木越しに見下ろす竜の背中。花だけが陽に照らされ、他は日陰にある。
花の数がすくないので、花の輝きも節度あるものとなっている。いい雰囲気であるが、左上の白い波が玉に傷となっている。

29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ4-8b.jpg
10. 日向の花と日陰の波と。陽のあたり具合が控えめなので、雰囲気を壊していない。


29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ4-9b.jpg
11. 右側に数個の花を撮りこむと、一層雰囲気が良くなる。

29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ5-2b.jpg
12. 花に当たる光が他の木の陰で和らげられて、いい感じである。
手前にある白い波も、それほど邪魔をしていない。

29,6,3 竜頭の滝のミツバツツ5-5b.jpg
13. この花は、これでもか、と言いたげに光を浴びているが、花の数が少ないと気にならないものである。背景の青い波とのコラボが美しい。

日陰と日向の落差が大きい中で、条件によっては容認できる画像が得られたりもする。カメラ道は奥が深く、行く手も遠い。








千手堂の復元 [伝統文化]

日光山開山の祖勝道上人が彫られた千手観音像を祀る”千手堂”が、中禅寺湖西岸に建てられていたことから、この浜辺一帯は”千手ヶ浜”と呼ばれている。

ところがこのお堂は、多年にわたる風雪被害のため朽ち果て、ご本尊は安全な場所に確保されていた。
長年の課題であった"千手堂復元”がこのほど輪王寺の手によってようやく叶った。

29,5,14千手ヶ浜の千手堂1-1b.jpg
1. 新築なって、まだビニールのシートが被されている千手堂。堂々たるたたずまいで、思わず手を合わせたくなる。

29,5,14千手ヶ浜の千手堂1-4b.jpg
2. 堂の後ろには見事なオオヤマザクラが満開だった。

場所はかなり歩くことになる。
バス終点で降りて、浜に向かって歩く。浜では今、大きな観光船が組み立て作業中である。右に向かって歩くと、橋を二つ渡ったところに、ご存じクリンソウの楽園伊藤邸、別名「仙人庵」がある。これを横目に見てさらに奥へ進む。
途中右手に、犬小屋サイズの小さなお堂があるが、これを通り過ぎる。
西岸と南岸の接点に大きな橋がある。これを渡ってすぐに、小高い台地に上ったところがお堂である。これは旧千手堂のあった場所だという。

29,5,14千手ヶ浜の千手堂1-7b.jpg
3. カヤの木と思われる大木が門番のように立っている。
勝道上人の時代は西暦800年ころなので、苗で植えたとしても、樹齢1,200歳以上となる。

29,5,14千手ヶ浜の千手堂1-8b.jpg
4.  カヤの木の根 の向こうにお堂がある。
カヤの木が神聖荘厳な姿で見下ろしているので、すごいパワースポットのように感じられる。

29,5,14千手ヶ浜の千手堂2-1b.jpg
5. 帰り道、お堂を振り返って撮った。お堂はどこだ?
中央、黒い数本の松の向こうに光る屋根が見える。これが千手堂である。

29,5,4 戦場ヶ原の芽ぶき2-3b.jpg
6. クリンソウの庭に立ち寄ってみた。クリンソウの開花には1か月ほど早いが、何やら美しい花が満開だった。

29,5,4 戦場ヶ原の芽ぶき2-4b.jpg
7. 丸い団子のように咲く花だ。サクラソウに似ている。

29,5,4 戦場ヶ原の芽ぶき3-4b.jpg
8. そう、タマザキサクラソウである。クリンソウもこの花も、同じサクラソウ科であるから、いとこ同士みたいなものである。

29,5,4 戦場ヶ原の芽ぶき2-5b.jpg
9. 石庭に咲くサクラソウ。背景は中禅寺湖である。

29,5,4 戦場ヶ原の芽ぶき3-1b.jpg
10.大きな石を配した庭。庭の片隅にはブルドーザーが鎮座していた。胃がん手術後の仙人が、造園に奮闘した結果である。

29,5,4 戦場ヶ原の芽ぶき3-3b.jpg
11. 庭園入口の休憩小屋には、年間を通してセルフサービスのインスタントコーヒーが用意されている。ポットの湯、紙コップ、砂糖、クリームも備わっている。
昼下がりの中禅寺湖畔は、木々に葉も花も出ていないが、気温はすっかり春だった。





カラマツの芽吹きとオバナ、メバナ [花]

芽吹きとともに、美しいカラマツの花が咲いている。
「なに! カラマツの花? そんなの知らないぞ」 とおっしゃる人も多いことだろう。
カラマツの花は知る人ぞ知る。知らない人は、カラマツを毎日見る人でも知らない。
こんな美しい花を知らないのは人生の損失!かもしれない。

29,5,4 カラマツの芽ぶき1-1b.jpg
1. 5月4日 カラマツの芽吹きは生後3日、といったところか。
かわいいかわいい赤子で、オバナもメバナも、ここでは出てはいない。


29,5,4 カラマツの芽ぶき2-2b.jpg
2. 太い幹から直接出る細い小枝が愛らしさを引き立てている。

29,5,4 カラマツの芽ぶき1-4b.jpg
3. ちょっと目にはパイナップル子供のように見えるが、これがカラマツの花である。さて、オバナだろうか、メバナだろうか。これは下向きに出たのでオバナ
だ。

29,5,4 カラマツの芽ぶき1-5b.jpg
4. カラマツの芽吹きには、葉だけの芽、オバナそしてメバナと、3種類の芽が出る。
この3種を見分けるコツがある。葉だけの芽は上向き、横向き、下向きなどいろいろあるが、小さくて一番多い。画像1と2の芽吹きには、葉だけの芽吹きしかない。


29,5,4 カラマツの芽ぶき1-7b.jpg
5. メバナの
芽は一番大きく、必ず上向きに出る。そして赤みがかっているのが一番の特徴である。これも一見パイナップルに似るが、オバナよりも凹凸が激しい。

29,5,4 カラマツの芽ぶき1-8b.jpg
6. 中央の3個が上向きに出たメバナ。下向きのオバナが3個以上はある。
葉だけの芽吹きは、上、下、横などばらばらに向いている。

29,5,13カラマツのメバナ1-2b.jpg
7. 5月13日、小雨降る戦場ヶ原である。9日間のメバナの成長に目を見張るものがある。オバナも焦点が合ってはいないが3個見える。

29,5,13カラマツのメバナ1-3b.jpg
8.  雨滴をまとったメバナ。品格さえも備えている。
賢明なる読者諸氏にはとうにお分かりのことと思われるが、メバナは将来のマツボックリの幼児期の姿である。
カラマツのマツボックリは、成長しても小ぶりで、一見かわいいのだが、幼児姿がこんなにもかわいいとは、nikkinも奥日光に通う前は知らなかった。

余談であるが、パイナップルはpine appleで、pineは松。appleはリンゴという意味のほかに、果物一般をさすことがある。すなわちパイナップルは外観がマツボックリに似ていることから名づけられたのである。
もひとつ余談を許してもらえるならば、エデンの園でアダムがイブから頂いたものは、リンゴと説明されているが、なぜリンゴなのか理解に苦しむ。この場合のappleは、単なる果物の意味で、どの果物かはあえて、も・も、申し上げにくい。



















千手ヶ浜の芽吹きとヤマザクラ [風景]

奥日光にも遅い芽吹きが訪れている。
メインの木々はまだ枯れ枝のままだが、遠慮がちに新芽が顔を出し、薄い緑色を広めようとしている木々もある。どこかで春が生まれてる。
かと思うと、芽吹きどころかピンクの花を満開させているヤマザクラが、遠慮がちならぬ誇らしげな顔で、そこここで目立っている。
空は快晴、少々雲が多かったが、男体山も湖の向こう岸から嬉しそうに眺めていた。

29,5,14千手ヶ浜が浜の芽ぶき1-1b.jpg
1. サクラの花は目立つが、芽吹きの色はほんのお印だけ。
中禅寺湖に流れ込む川は、この程度の川が4本だけ。湖底からの湧水が多いようである。

29,5,14千手ヶ浜が浜の芽ぶき1-5b.jpg
2. 芽吹いた木と枯れた木との対比が面白い。
たちまち緑が圧倒することになるのだが…。

29,5,14千手ヶ浜が浜の芽ぶき1-7b.jpg
3. 枯れ木ばかりの中のヤマザクラは、まるで細腕奮闘記のようだ。
がんばれ姉ちゃん!

29,5,14千手ヶ浜が浜の芽ぶき1-8b.jpg
4. 背景に小さなサクラが2~3本見えるが、ここでは烏帽子岩に注目。
鳥の糞で頂上が白くなり、まるでミニチュア富士山のようだ。

29,5,14千手ヶ浜が浜の芽ぶき2-1b.jpg
5. 手前のカラマツの芽吹きと、雑木林の中のヤマザクラ。
先陣を争う戦友たちである。

29,5,14千手ヶ浜が浜の芽ぶき2-3b.jpg
6. 雨上がりの水滴が輝くカラマツの芽吹きは、本当に美しい。

29,5,14千手ヶ浜が浜の芽ぶき2-4b.jpg
7. 一見ネコヤナギ風の花たちは、多分ヤナギの仲間だ。

29,5,14千手ヶ浜が浜の芽ぶき2-8b.jpg
8. 枯れ木たちを逆光で撮るときは、華がマイナス気味になるが、ヤマザクラが必死でカバーしている。

29,5,14千手ヶ浜が浜の芽ぶき2-9b.jpg
9. 流木が腐って土に帰る寸前であるが、わが世の春を謳歌するサクラとの対比が面白い。

29,5,14千手ヶ浜が浜の芽ぶき3-4b.jpg
10. この大木はヤナギだろうか。印象に残る1本だ。

29,5,14千手ヶ浜が浜の芽ぶき4-1b.jpg
11. 左側の緑の大木は、山桜を意識しているのだろうか。
負けるものか、と聞こえてくる…。

29,5,14千手ヶ浜が浜の芽ぶき4-8b.jpg
12. 形の良い大木とサクラの花のコラボだが、大木はまだ枯れ木状態である。

29,5,14千手ヶ浜の男体山と桜1-4b.jpg
13. 向こう岸の男体山がくっきりと、美しい形態を見せている。ヤマザクラが助演している。

29,5,14千手ヶ浜の男体山と桜1-8b.jpg
14. 置きっぱなしのモーターボートが1艘。
サクラの真下に上陸したところがなぜか俗っぽい。

29,5,14千手ヶ浜の男体山と桜2-1b.jpg
15. サクラの簾を少しだけ持ち上げてみる。
(千手ヶ浜の男体山は、サクラ簾をかかげてみる…枕草子)

今市月山のアカヤシオ [花風景]

5年ほど今市月山のアカヤシオを訪れていなかった。
なぜだろう。自分でもよくわからない。
明智平と花見台のアカヤシオに魅せられて、今市月山を忘れかけていたような気がする。

今年は、曜日と満開時期との関係で、明智平と花見台のアカヤシオを撮ることは不可能に近いと分かったので、急きょ月山へ行ってみたのである。
今年はアカヤシオの開花が遅れており、GW中には間に合わないだろうと、悲観的予想を持って出かけたのだが…。

29,5,5 月山のアカヤシオ1-1b.jpg
1. 今市月山のアカヤシオは見上げる位置の木が多い。20m以上の崖の上の、さらに10mを超える高さのツツジの木が肩で風を切って並んでいる。

29,5,5 月山のアカヤシオ1-5b.jpg
2. 見上げる位置のツツジは、青空を背景にしたピンク色が美しい。
しかし、このツツジの老木は、10年前に比べると、半分くらいに数が減っている。

29,5,5 月山のアカヤシオ1-9b.jpg
3. ヤシオツツジは土にうるさいツツジである。栃木県と群馬県以外ではほとんど花をつけない。デリケートといえば当たっているのだろうか。
福島原発事故の影響で、土の性質が変わってしまったのだろうか。花をつけない木が増えているのかもしれない。

29,5,5 月山のアカヤシオ2-2b.jpg
4. ツツジの老木特有の、枝の変形が面白い。崖からはみ出す方向に伸びたがるのも趣深い。

29,5,5 月山のアカヤシオ2-7b.jpg
5. 昨年のアカヤシオは数十年ぶりの当たり年。
今年はその反動もあって、
体に寂しい。

29,5,5 月山のアカヤシオ3-1b.jpg

6. この近辺はまだなかなかの賑わいを見せていた。


29,5,5 月山のアカヤシオ3-2b.jpg

7. アングルを少し上に向けた。一律にアカヤシオといっても、個々の赤さには沢山の種類がある。


29,5,5 月山のアカヤシオ3-3b.jpg

8. 幹の傾きがまちまちなのは、積雪によると思われる。細い枝が密生する木ほど、雪が重たく積もる。


29,5,5 月山のアカヤシオ3-8b.jpg

9. 画像9と10は、ほぼ同じアングルで、引き寄せたのと、遠ざけたものの差である。


29,5,5 月山のアカヤシオ4-2b.jpg

10. 

29,5,5 月山のアカヤシオ4-6b.jpg

11. 画像2の場所へ戻った。空を少し暗くしてツツジを引き立てようとしたのだが…。


29,5,5 月山のアカヤシオ4-9b.jpg

12. 一部をトリミングし、さらに背景を暗くした。少しは幻想的に見えるだろうか…。


29,5,5 月山のアカヤシオ5-4b.jpg

13. 約1km離れた地点から花木の密集具合を撮った。


29,5,5 月山のアカヤシオ5-5b.jpg

14. 同じ地点からアングルを変えて。
常緑樹を除けば緑がほとんどない地域に、ある朝ピンクのじゅうたんが敷き詰められる。なんともショッキングな景観である。

この時期にはサクラも開花しているが、なぜかアカヤシオの密生地にはサクラが咲かない。たまたま咲いていても色の見劣りが著しい。サクラが、比較されたくなくて逃げたわけでもないだろうが、サクラの開花がやや遅くなるのも、納得!?


ハナノキがんばる [花風景]

10年以上前、長野県上田市上田駅前街路樹の、不思議な花に出会った
かの地はソメイヨシノの開花直後で、人々の関心は100%そちらに偏っていた。
この不思議な花で埋まった駅前広場で、場違いな「桜まつり」が開かれていた。

過分に華やかといってもいいほどに、原色の赤一色の花が、緑色の葉のかけらも見えない枝からこぼれ落ちそうに咲いていた。
誰もこの花に関心を示していなかった。多分見あきてしまったのだろうと思った。
しかし、尋ねる人尋ねる人、誰も花の名前を知らなかった。たまに「ハナミズキ」と答える人が居た。違う! ハナミズキなら良く知っているが、これは違う!!
 
有名な老舗菓子店があったので、意図的にそこで買い物をして店員さんに質問した。誰も答えられず事務室に振られた。事務長からもゼロ解答が繰り返された。
こんなにも珍しく、こんなにも華やかな花を、店の、いや上田駅のまん前にある看板街路樹の名前を、誰も知らないし、関心さえも持っていなかった。

事務長は恐縮して、「必ず調べておきますから、1週間後に電話をください」といって電話番号と自分の名前を教えてくれた。
こうしてやっとたどり着いた珍しい木の名前が「ハナノキ」だった。

そのハナノキが日光大谷川公園にあることを見つけたのは6~7年前だった。雑木林の中にさりげなく生えていた。しかも2本の大樹だった。
ハナノキについては沢山下調べしていたので、長野、岐阜愛知県の一部の湿地のみに自生することも知っていた。大谷川公園に自生はしない。かの地から移植したのだろう。土を選ぶ木だから、土も取り寄せたに違いない。それでも真に根付くか否かは不確実だと思った。

案の定というべきか、悲しいことにというべきか、昨年再会した時は1本しか存在しなかった。どこかへもらわれていったのでなければ枯死したに違いない。
昨年は撮影のタイミングを逸したので、今年こそはと狙っていた。
体に合わない土の上で、必死に戦って生き延びているハナノキをぜひご紹介したい。来年も会えるのかは、神のみぞ知る…。

29,4,13 ハナノキ1-2b.jpg
1. 杉木立の 向こうに見える、満開の赤い花の高木。何の木か、この距離では想像もつかない。

29,4,13 ハナノキ1-5b.jpg
2. オートキャンプ場のはずれに生える、背の高い木である。

29,4,13 ハナノキ1-6b.jpg
3. 杉の木には及ばないまでも、樹高20mほどの高い木だ。樹肌が白いので赤い花との対比が美しい。

29,4,13 ハナノキ1-7b.jpg
4. 花、花、花…。
青空と競っている。さすがに空には勝てず、空に吸い込まれてしまいそうだった。

29,4,13 ハナノキ1-8b.jpg
5. 300mmのレンズを最大に利かしても、これが精いっぱい。高い位置にしか花開いていないのである。

29,4,13 ハナノキ1-9b.jpg
6. まったく同じアングルで、絞りを浅くした。白い枝が美しい。

29,4,13 ハナノキ2-1b.jpg
7. もう一度青空を背景にしてみたが、この構図はやめにした方がよさそうだ。

29,4,13 ハナノキ2-3b.jpg
8. 暗い背景が花を引き立てるようだ。

29,4,13 ハナノキ2-6b.jpg
9. このアングルで空を背景にすると、花と空が競っている感じが消える。
とにかく背の高い木である。樹肌の白さが気持ち良い。

29,4,13 ハナノキ2-9b.jpg
10. 小さな枝の先端に花序をつけているさまが愛らしい。
花茎がほとんどないようだ。遠くにある花なので、詳細がつかめない。
もっと心を許して近づいてきてほしいのだが…。

29,4,13 ハナノキ3-2b.jpg
11. 小枝の先以外には、花序がつかないように見える。
この変わった習性も私は気にいっている。

たった2人で長旅をして日光へ来て、親友に先立たれたハナノキ君。
この世は誰にとっても生きやすい世界ではない。辛さ、苦しさを乗り越えて、一緒にがんばろう。nikkinはいつまでも君の味方だよ。

29,4,13 ハナノキ3-3b.jpg
12. カエデ科というのが意外だった。今度紅葉の頃写真を撮りに来よう。
読者の皆さんにも、紅葉の雄姿をぜひご紹介したいものだ。









雪の連山とサクラ [花風景]

今年の連山の雪はまずまずの量が残っている。
サクラの時期の残雪としては多い方であろう。
花も4月14日、4月20日、そして23日と、ちょうど満開の時を選べた。
天候の条件もよく、4月23日の日曜日が快晴だった。
悠々と、好きなだけ時間をかけて撮影できたし、言うことなしである。

29,,4,14 桜と連山3-2スペーシアb.jpg
1. 4月14日、日光市のサクラとしては1番乗りである。特急電車スペーシアが、ちょうど通りかかったところである。
ここは大谷川の河川敷内。鬼怒川温泉に行く電車の鉄橋である。今年8月からはSLが走る予定である。
サクラよりも新緑が目立ち過ぎるきらいがあり、毎年悩んでいる。

29,4,14 朝日と桜4-6b.jpg
2. 画像1と同じサクラの木である。けっこう立派な木なのだが、右隣の新緑の木がバカでかくて目立ちたがりの点が玉にきずである。

29,4,20 連山サクラ1-4b.jpg
3. 4月20日、縛り地蔵堂の桜と遠景の連山。
10年前には無かったサクラの木なので、7~8歳だろう。

29,4,20 連山サクラ1-8b.jpg
4. 大谷川公園内のサクラと雪を頂く男体山。朝の7時ころである。
朝の太陽の位置が低いので、日陰ができることも多い。

29,4,20 連山サクラ2-8b.jpg
5. 前画像、中央の木と男体山。やや蕾が目立つ。

29,4,20 連山サクラ3-3b.jpg
6. 同じ木であるが、下から見上げるアングルにすると、満開に見える。
小さなあずま屋が良いアクセントになっている。

29,4,20 連山サクラ3-4b.jpg
7. もう一度画像4のアングルに近づける。しだれ桜は、垂れ下がった枝の先に蕾が多くなるようだ。

29,4,20 連山サクラ4-3b.jpg
8. 連山の雪と満開の桜。しかし、何か足りない。
空がさびしい。
一片の雲もない、少しは雲がほしい…。
人間の欲望は身勝手なものだ。

29,4,20 連山サクラ4-5b.jpg
9. 連山を引き寄せると、また味わいが変わってくる。
まだ花の咲かない枝が、空の寂しさをカバーしてくれている。

29,4,20 連山サクラ4-7b.jpg
10. ソメイヨシノではなく赤色の強いしだれ桜。
サクラの赤色が濃くなり、画面中央にちかづいたことにより、
寂しさが大いに緩和されている。

29,4,23 連山と桜2-1スペーシアb.jpg
11. 4月23日、画像1,2より10日ほども経過している。間に寒い日々があったため、まだサクラが続いている。
大谷川公園の西のはずれ、サクラの木々に東武電車のスペーシアが通りかかった。

29,4,23 連山と桜2-4b.jpg
12. この場所では、ソメイヨシノが終わりきらないうちにオオヤマザクラが咲き始め、にぎやかさがいやましている。こんな光景は珍しい。

29,4,23 連山と桜2-9b.jpg
13. 画像11と同じ場所である。今はレールだけが見えている。

29,4,23 連山と桜3-5b.jpg
14. 画像4と同じ場所である。こちらは正午近い。時間帯が変わるだけで趣がこんなに変わる。

29,4,23 連山と桜3-7b.jpg
15. この2本のサクラは八重桜。
通常八重桜はソメイヨシノより遅れて
咲くのだが、ここでも重なっていた。

29,4,23 連山と桜4-3b.jpg
16. 白い桜。「シデザクラ、サイフリボク」などとも呼ばれる。

29,4,23 連山と桜4-5b.jpg
17. 白い桜と男体山の残雪とは、意外につり合いが良い。

29,4,23 連山と桜5-5b.jpg
18. 画像3と同じサクラであるが、田に水を引いて鏡像にすると、楽しさが倍増する。このくらいの量の雲が適度と思われる。

たかが桜、されどサクラ。
日本人ならばサクラの花を見ると心の安らぎと母親の胸のにおいを思い出す。
そこに冠雪の日光連山が加わると、ファインダーをのぞく眼から、景色がこぼれ落ちそうになってしまう。



「花に嵐」を撮る [珍風景]

4月15日は、関東一円に強い嵐が吹き荒れた。

咲きそろったサクラの花に吹く強い風にはいいイメージがない。
かよわい女性に理不尽な暴力を振るう悪役を連想してしまう。
相手はサクラで、誰もがまだ散ってほしくはないサクラで、
嵐には何の正当性もなく、サクラには何の落ち度もない。

nikkinは、その暴力に翻弄されるサクラを撮ってきたのである。
暴力からサクラを守ろうともせず、暴力に抗議するでもなく、
単なる傍観者として、サクラの修羅場を撮影してきたのである。
何という自己保身、なんという冷血動物。

いや、それよりも悪質である。許されざる利己主義者である。
この場面を撮ってブログに載せようという魂胆が見え見えで、
もっと強い嵐を、もっとサクラをいじめて、などと期待しながら、
典型的なサディスト根性で撮っていたのだから…。

29,4,15 花に風1-1b.jpg
1.  花が風に揺れるところを撮るには、動かない物を同時に撮らなければならない。
全部が動いていては、単なる手ぶれと区別がつかない。この画面では太めの枝がその役目を担っている。
この画像では、多くの花がばらばらな方向に動いている。なぜなら、花が動く円孤の中心点は、小さな枝が太めの枝から分岐する点であるから。しかもその分岐点もまた動いているのである。

29,4,15 花に風1-5b.jpg
2.  小さな枝1本だけが激しく動いている。風の暴力は実に気まぐれである。

29,4,15 花に風1-8b.jpg
3. これはかなり大きな枝1本が激しく揺れている。

29,4,15 花に風1-9b.jpg
4. これは何だろう。両側から手をさしのべて握手しようとしている2本の枝が、1個の風に翻弄されているのだろうか。動きやすい枝だったのだろう。

29,4,15 花に風2-2b.jpg
5. 同じ枝を一瞬後に撮った。ある意味ではとても愉快な画像である。動かない花が数個存在するのも、趣深い。

29,4,15 花に風2-3b.jpg
6. 親子の記念撮影を、風が盛りたてている。
ご本人たちが気づいていないのが面白い。

29,4,15 花に風2-5b.jpg
7. 何という複雑怪奇な動き。しかも左上には、動いていない一群の花が居る。

29,4,15 花に風2-9b.jpg
8. 背景が暗いと光を受けた花の動きが鮮やかになる。
前衛的芸術作品のようでもある。

29,4,15 花に風3-3b.jpg
9.  太い幹から直接咲いた1株の花。茎が2本ずつに見えるが、手ぶれのせいではない。手ぶれによる2本ならば、2本は常に平行である。
自然が演出してくれた芸術作品といえよう。

29,4,15 花に風3-6b.jpg
10. これも似たような一瞬であるが、
真正面から風を受けた十数本の花茎が4方8方に散らされたところである。

29,4,15 花に風3-7b.jpg
11. 花のグループたちが、それぞれの場所で小さい動きを繰り返している。風が弱い時と思われる。

29,4,15 花に風3-8b.jpg
12. 横方向に伸びた1本の枝だけが激しく揺れている。右の方に向かって進む白い竜のようにも見える。

29,4,15 花に風3-9b.jpg
13. 2本の枝がそれぞれに横ぶれしていたが…。

29,4,15 花に風4-1b.jpg
14.  次の瞬間、1本の枝だけが風の外に出た。

29,4,15 花に風4-5b.jpg
15.  近くの水路に浮かんだ「花筏(はないかだ)」である。水面が波立ってはいないが、風の強さが感じられる。

29,4,15 花に風4-7b.jpg
16. 引き寄せてみると、大きなツツジの花が1個混ざっている。どこから飛んできたのだろう。

29,4,15 花に風4-8b.jpg
17.  水は澱んでいるように見えるが緩やかに流れている。

29,4,15 花に風5-1b.jpg
18.  この画像と次の画像とは、2~3分の時間差で撮られた。

29,4,15 花に風5-4b.jpg
19.  花筏の形が変わっていることが読み取れる。
筏の表面の木の影に癒しを感じる。

29,4,15 花に風5-6b.jpg
20.  鳩が水を飲もうとしている。
「いつもの俺様の水飲み場を、花弁たちが占拠して…」
まあまあ、明日はもっと少なくなるから…。


「サクラちゃん、助けてあげられなくてごめんね」
「ウウン、私も水遊びを楽しんだの。明日も遊びたいわ」
なんて都合のいい解釈をしても、後ろめたさは隠せない。


 


雪の連山特集 [風景]

ソメイヨシノ開花への期待が膨らんでいる日光ではあるが、少々間があるので、雪山連山の景観を特集してお伝えすることにした。

今年の春先は雪が多かったので、サクラとのコラボが楽しみだと思ったのだが、残念なことにこのところ雨が続いた。通常は「里が雨だったら山は雪」が常識なのだが、春先は「山も雪」のことがあるので、楽観は禁物である。

ということでサクラの助演者としての冠雪連山は例年並みとなりそうである。

癪に障るので、美しい冠雪連山風景をまずご披露し、ソメイヨシノが満開の折には、今回の画像を思い出しつつ、脳内修正を行っていただきたい。

29,1,10 連山雪 今季一番 1-4b.jpg
1. 1月10日、日の出の赤外線がまだ少し残る連山。小さな池の水面がわずかに波立っている。そう、直前に、カモの一団が飛び立って水面を乱したのである。
カモたちは、カメラに撮られることを決して受け入れない。何か前科でもあるのだろうか。

29,1,10 連山雪 今季一番 2-1b.jpg
2. 1月 10日、9:00 5階建ての窓から撮影。
民家を抱きかかえるように、住民たちの守護神であることを主張するように、
雄々しく、頼もしく立ち並んでいる。

29,1,18 連山5階1-1b.jpg
3. 1月18日 雲の多い連山も悪くは無い。冬場は雪雲が大きい顔をしている。

29,3,3連山5階1-1b.jpg
4. 3月3日、もっと雲が多い日。青空はあくまでも青い。 連山の雪はあくまでも白い。

29.2.24 連山5階1-1b.jpg
5. 2月24日 これもまた雲の無い連山。
雲があろうが無かろうが、風が吹こうが吹くまいが、連山の慈しみ深い
まなざしと頬笑みは変わらない。


29,3,12白梅 と連山1-6b.jpg
6. 3月12日 白梅を前景にした連山。手前は大谷川(だいやがわ)。
雪が沢山降った割には大谷川の水量が少ない。


29,3,18 梅と連山2-7b.jpg
7. 3月18日 路傍の白梅とのコラボ。個人所有地の白梅なので、連山との構図がうまくできないのはいたしかたない。

29,3,25 連山と芽ぶきの大谷川1-1b.jpg
8. 3月25日 朝06:30ころ。大谷川河川敷内の大きなヤナギの木とコラボさせた。
朝早い太陽はまだ弱く、緑色の自己主張がイマイチである。


29,3,25 連山と芽ぶきの大谷川1-3b.jpg
9. 同じ日の7:30 緑色がしっかりと役割を果たしている。
山の雪景色はほぼ満点である。

29,4,3 雪の連山芽ぶきの大谷川1-4b.jpg
10. 4月3日 緑が増えている。
連山の雪が、富士山のように白一色でないのは、樹木限界線の位置による。
ここから上では高木が育たないという樹木限界線。関東地区では海抜2400m前後にある。富士山では1000m以上も灌木やブッシュの荒れ地に雪が降るので、遠くから見ても白い掛け布団が良く見える。日光連山では、そんな荒れ地が50mくらいかなく、大部分は高木が支配する地帯である。そんな地帯では、地上に積もった雪が、枯れ枝に遮られて遠くからは掛け布団状には見えないのである。


29,3,25 連山と芽ぶきの大谷川2-4b.jpg
11. 3月25日の連山と大谷川。芽吹きのヤナギの木が、褐色に近い。

29,4,3 雪の連山芽ぶきの大谷川1-6 b.jpg
12.4月3日 たった1週間強のあいだに、向かって左半分に分布するヤナギの木々が、かなり緑色を強めている。
1日1日、眼に見えて緑が増える河川敷は、橋の上で周辺を見回す余裕のある通行人に、癒しと安らぎを与えている。
 
ちなみに、大谷川の河床がこんなに盛り上がって露出しているさまは、めったに見られない。大谷川の水量がいかに減少しているかを示している。









雪の連山と桜 [花風景]

各地からサクラ開花または満開の知らせが届いている。
ここ日光でも遅ればせながらサクラが満開である。

ナ、何っ! 日光でサクラが満開! 俺のところでも開花したばかりなのに!
宇都宮市の兄貴分たちが驚いていることだろう。

3日遅れのエイプリルフールではないが、ここで満開なのは河津桜だ。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-2b.jpg
1. 今年の連山は雪の日が多かったので、春山としては残雪が多い。
空にはタカが1羽悠々と飛んでいる。奥日光はタカが多い。
近景として暗赤色の木々が多数見える。これがサクラだ、といっても「嘘だ」と思う人が多いのかもしれない。河津桜の花は、少し離れるとこんな色に撮れてしまうのがちょっと残念である。


29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-5b.jpg
2. サクラというものは、遠くから見ても近くから見ても、何の疑問もなくサクラだ、といいきれるものがいい。河津ザクラはこの点において、大きなマイナス点を頂いてしまう。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-6b.jpg
3. 左の木のように、近くから見ると何の問題もないサクラなのだが、惜しい花である。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-7b.jpg
4. 連山は「我関せず」とばかり悠々と日光浴を続けている。nikkinのような燕雀カメラマンの嘆きを一顧だにしない。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ2-3b.jpg
5. さらに、この正面に見える白い壁。この壁が構図に入ってきて邪魔をする。
真正面に位置するのだからまさに処置なしである。
今市ロータリークラブが寄進、管理する(?)桜園であるが、カメラマンから見れば、設計段階で何とかしてくれるべきだった問題ではある。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ2-7b.jpg
6. この雪の量だから、2週間後に迫ったソメイヨシノの満開時にも、連山はサクラを引き立てる名脇役を演じてくれるだろう。楽しみである。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ3-1b.jpg
7. この枯れ草の荒野も手抜き管理とそしられてもいいわけが利かない。ファインダーに夢中になっていると躓いて転ぶこともある。サクラの園は、見物客あってのサクラの園なのだから、観客側に立った配慮も欠かしてほしくない。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ3-5b.jpg
8. それにしても雪の連山は見事である。河津サクラが写真ではこんな色に撮れる、という知識を持った人が計画に参加していたのだろうか。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ3-6b.jpg
9. 中央正面の白い壁を避けるために、カメラを左に寄せたり右に寄せたり…。
そのせいで男体山が居心地悪そうに見える。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ4-2b.jpg
10. 男体山を単独で撮るならば、こんな撮り方もあるが、またも他の白壁が邪魔をする。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ4-3b.jpg
11. 女峯山を撮ってもお邪魔虫が顔を出す。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ4-6b.jpg
12. このサクラ園には、不満の種が多すぎて困るのである。それとも、贅沢な不満というべきなのだろうか。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ6-1b.jpg
13. 雪の男体山と特急電車とサクラ。
不満を並べているうちに、男体山付近が曇ってきてしまった。
それ見たことか、と言われそうだ。
「知足」、足るを知ることも必要である。もっと修行を積もう。


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