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カラマツの芽吹きとオバナ、メバナ [花]

芽吹きとともに、美しいカラマツの花が咲いている。
「なに! カラマツの花? そんなの知らないぞ」 とおっしゃる人も多いことだろう。
カラマツの花は知る人ぞ知る。知らない人は、カラマツを毎日見る人でも知らない。
こんな美しい花を知らないのは人生の損失!かもしれない。

29,5,4 カラマツの芽ぶき1-1b.jpg
1. 5月4日 カラマツの芽吹きは生後3日、といったところか。
かわいいかわいい赤子で、オバナもメバナも、ここでは出てはいない。


29,5,4 カラマツの芽ぶき2-2b.jpg
2. 太い幹から直接出る細い小枝が愛らしさを引き立てている。

29,5,4 カラマツの芽ぶき1-4b.jpg
3. ちょっと目にはパイナップルの子供のように見えるが、これがカラマツの花である。さて、オバナだろうか、メバナだろうか。これは下向きに出たのでオバナ
だ。

29,5,4 カラマツの芽ぶき1-5b.jpg
4. カラマツの芽吹きには、葉だけの芽、オバナそしてメバナと、3種類の芽が出る。
この3種を見分けるコツがある。葉だけの芽は上向き、横向き、下向きなどいろいろあるが、小さくて一番多い。画像1と2の芽吹きには、葉だけの芽吹きしかない。


29,5,4 カラマツの芽ぶき1-7b.jpg
5. メバナの
芽は一番大きく、必ず上向きに出る。そして赤みがかっているのが一番の特徴である。これも一見パイナップルに似るが、オバナよりも凹凸が激しい。

29,5,4 カラマツの芽ぶき1-8b.jpg
6. 中央の3個が上向きに出たメバナ。下向きのオバナが3個以上はある。
葉だけの芽吹きは、上、下、横などばらばらに向いている。

29,5,13カラマツのメバナ1-2b.jpg
7. 5月13日、小雨降る戦場ヶ原である。9日間のメバナの成長に目を見張るものがある。オバナも焦点が合ってはいないが3個見える。

29,5,13カラマツのメバナ1-3b.jpg
8.  雨滴をまとったメバナ。品格さえも備えている。
賢明なる読者諸氏にはとうにお分かりのことと思われるが、メバナは将来のマツボックリの幼児期の姿である。
カラマツのマツボックリは、成長しても小ぶりで、一見かわいいのだが、幼児姿がこんなにもかわいいとは、nikkinも奥日光に通う前は知らなかった。

余談であるが、パイナップルはpine appleで、pineは松。appleはリンゴという意味のほかに、果物一般をさすことがある。すなわちパイナップルは外観がマツボックリに似ていることから名づけられたのである。
もひとつ余談を許してもらえるならば、エデンの園でアダムがイブから頂いたものは、リンゴと説明されているが、なぜリンゴなのか理解に苦しむ。この場合のappleは、単なる果物の意味で、どの果物かはあえて、も・も、申し上げにくい。



















アカメヤナギの受難 [花]

アカメヤナギ、一度見たら決して忘れられない。
こんなに美しいネコヤナギが存在するんだ…。

この美しいネコヤナギの名前は、私の中で2転3転した。
初めて「フリソデヤナギ」という名前を目にした時、実は他のヤナギの芽だったのだが、私は勝手にこの美しいネコヤナギのことだと思った。他にはあり得ない、と思ってしまった。
2年前、栃木市のある植物園では、これを「アカバナネコヤナギ」と呼ぶことを知った。ところがインターネットで調べると、この呼び名はその植物園だけのものだった。
困った私は、生け花の師匠に尋ね
た。そうして知ったのが「アカメヤナギ」だった。

そのアカメヤナギの群生が、わが家から徒歩10分弱のところに、文字通り誕生した。13年前は5~6本の幼木が並んでいただけだったのに、3年前に再会した時は、一大軍団をなしていた。私は小躍りして写真を撮りまくった。

ところがその軍団が、突然消えてしまった。切り株だけが多数残っていた。

29,3,10アカメヤナギ3-2b.jpg
1. この細い小川の両岸を、びっしりとヤナギの木々が埋め尽くしていた。真っ赤なネコヤナギが立錐の余地も残さずひしめき合うサマは、まさに壮観だった。
http://blog.so-net.ne.jp/nikkodayori/2015-03-10

今、その切り株を判別できるだろうか? 太い切り株ではない。母指大くらいの株が4~5本ずつ集まっている。岸の踏み固められた小道と、叢との境界あたりである。

もののみごとに、全部切り倒されていた、と思ったら、1本だけ難を逃れた木があった。
芽が出る前のネコヤナギは、他の木との判別が難しい。少し離れた場所にあったため、殺戮を逃れられたらしい。


29,3,8アカメヤナギ1-1b.jpg
2. これがその木である。きれいな赤い芽が喜びを爆発させようとしていた。

29,3,8アカメヤナギ1-2b.jpg
3. 脇から出た枝である。
赤い芽のいくつかに黒い斑点が出ている。赤から黒に変化して、間もなくその一部から黄色いおしべが顔を出す。

29,3,8アカメヤナギ1-7b.jpg
4. この赤さと産毛のような白い綿毛。カッワイイ…、と叫びたくなる。

29,3,8アカメヤナギ1-9b.jpg
5. 黒い綿毛の一部が破れて黄色いおしべが出てきた。
この段階のネコヤナギは、白、黒、赤、黄の4色模様である。

29,3,10アカメヤナギ1-1b.jpg
6. 2日後の同じ木である。図2と比べると、黄色いおしべが顔をのぞかせた芽が増えていた。2日間を、だてに過ごしたわけではないと、小さいながらも立派な啖呵を切っている。

29,3,10アカメヤナギ1-5b.jpg
7. 遠くの黄色の芽を開いた2個と、近くで黒色変化の速さを競っている7個。
こんなネコヤナギにも競争本能が備わっているらしい。

29,3,10アカメヤナギ1-6b.jpg
8. 黒から赤に、そして黄色に変わる段階が良く見える。赤色は、おしべの花粉嚢の色である。花粉嚢という赤いキャップを脱ぐと、黄色の花粉塊が現れる。

29,3,10アカメヤナギ1-7b.jpg
9. ここでは3段階が、礼儀正しく整列しながら進展している。しつけの良いネコヤナギだ。

29,3,10アカメヤナギ2-1b.jpg
10. 花粉塊が顔を出すのは、枝先から始まったり、幹に近い位置から始まったり、中央から始まったり、個々の芽次第であり、民主主義の個人の意思が
じつに尊重されている。北朝鮮のアカメヤナギはどんな咲き
方をするのだろう。

29,3,10アカメヤナギ2-9b.jpg
11. 背景に、朝日が当たる光景を撮って
みた。あまり意味は無い。

29,3,10アカメヤナギ3-1b.jpg
12. 図7と同じ7人兄弟である。暖かそうで寒そうで、仲良さそうで闘争中のようでもあり、どの子もみんな微笑ましい。撮っていても眺めていても、飽きることがない。

この美しいネコヤナギたちはなぜ切り倒されたのだろう。単なる間引きや剪定の発想ではない。なにか憎しみを持って切り倒された感もぬぐえない。1本も残さないぞ、という硬い意志がにじみ出ている。手抜かりから(?)、1本だけ助かったが、周到な作業が行われたならば、全滅の憂き目を見たはずである。なぜ、そんな仕打ちを受けなければならなかったのか、それが大きな謎なのである。
われわれカメラマンたちが疎ましかった…。まず頭をよぎるのが、このことである。
カメラマンたちのマナー違反が美しいネコヤナギに災難を招いたのだろうか。
しかし、この場所は道路わきにあり、他の花木や草花も咲き乱れ、人々がツクシを持ち帰って食べたりもしている。カメラマンたち、といってもnikkin以外のカメラマンに遭ったことがない。そうか、マナーの悪い真犯人は、わたししか居なかったのか…。

来年以後は、切り株から伸びた若枝から、美しい赤いネコヤナギが鈴生りになるはずである。そこで待っている運命は、どんな運命なのだろう。nikkinは必ず見届けようぞ。


源平咲きのヤマボウシ [花]

天然のウメやハナモモの花にはピンクと白の2色がある。
優秀な日本の園芸家たちが、遺伝子操作で1本の木に2色の花を咲かせることに成功した。そしてその呼び名として「源平咲き」というロマンティックな名をつけた。源氏の旗印の白色と平家の赤色に由来する。

接ぎ木による枝単位の色違いははるか昔から存在したが、枝単位ではない赤と白との咲きわけは、遺伝子操作で初めて成功したのである。

最近の花木販売カタログには、ウメ、ハナモモ、ツツジ、シモツケなどのほかに、ヤマボウシも載っている。

毎年見慣れた場所に咲くヤマボウシが、源平咲きであることを今年発見した。杉並木公園の入り口、駐車場脇である。
日光に来て11年。まさか、ヤマボウシの源平咲きがあるとは夢にも思っていなかったので、大いに感動した。

27,5,30 ベニヤマボウシ1-2.jpg
1. 通常のピンク色の花をつけるヤマボウシ。これも杉並木公園には多い。

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2. 白いヤマボウシ。4弁の花のように見えるが、これは包と呼ばれるものであり、花は真ん中に集まって咲く。ピンクのヤマボウシでも白のヤマボウシでも、包の中央に咲く花は緑色である。

花弁のように見える包の先端がとがっているのがヤマボウシ、ハートのような切れ込みのあるのがハナミズキである。ちなみにヤマボウシは山法師であって山帽子ではない。

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3. 生まれて初めて出会った源平咲きのヤマボウシ。6月3日のことだった。

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4. 1個の花の中に白色とピンク色とが分布している。枝単位ではない。

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5. 白やピンクの包の中央に、緑色の坊主頭が見える。本物の花である。

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6. 大きな一枝の中に、白い包、ピンクの包、白とピンクが入り混じった包が混在する。

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7. 木の先端にもあれば、

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8. 垂れ下がった枝にもある。単に白かピンクが木ごとに分かれているよりもずっときれいである。やはりお金をかけて作りあげた品種は豪華である。

27,6,5 ヤマボウシ1-2.jpg
9. これが駐車場脇のヤマボウシの木。公共の駐車場なのだが、いつもこの車が駐車されている。樹冠
に集まった一団と、下枝に近い部位に集まった一団とが見分けられる。なぜ、今まで気付かなかったのだろう。

27,6,5 ヤマボウシ1-4.jpg
10. 6月5日、晴れた日の写真では色調がより鮮やかになる。

それにしても、高価な源平咲きヤマボウシが、なぜこの公園で咲いているのか、不思議である。何かの手違いで紛れ込んだとしか考えられないのである。

さて、このピンク色は、来年も今年とまったく同じに咲くのだろうか、異なる位置に集まったり、あるいはまったく現われなかったり、ということもあるのだろうか。
今から来年の6月が待ち遠しくてならない。






 


アカバナネコヤナギ(後篇) [花]

二つ前の記事に前篇をお読みいただいたので、今回は後篇となる。
この花は、見て美しいばかりではなく、読み進めてゆくうちに、単純なな疑問や深い所に潜む疑問点に気付く。私が気付いた限りの疑問点については、根気よい観察に基づく科学的な解釈を披露させていただく。しかし、科学の畑では、常に第2、第3の意見が存在する。そのような疑問については皆様に提起していただき、一緒に解決してゆくしかない。ご協力をお願いする次第である。

27,3,12 アカバナネコヤナギ1-8.jpg
1. 3月12日、今年初めて開花を確認した。
ネコヤナギを覆う綿毛の色が、白から灰白色に変わり、その一角が口を開けた。赤い点状物の帯が楕円形を描き、その内部に黄色い点状物が並んでいる。
その右隣のネコヤナギはまだ口を開いていないが、赤い点状物の整列が透けて見える。左下では、白い綿毛の中に、黒い点状物が混ざっている。

27,3,12 アカバナネコヤナギ2-1.jpg
2. この花穂には光が半分だけ当たっている。光の当たらない部分には、黒く変色した綿毛が数本ずつ絡み合って黒色を強く出している。日のあたる部位の下半分でも、黒い綿毛の絡み合いが見られる。この絡み合いは秩序が保たれていて、3角錐あるいは円錐形を成しているようである。画像1で見た黒い点状物がこれなのだろうか。

27,3,12 アカバナネコヤナギ2-3.jpg
3. 開花した部位で、赤い点状物と黄色い点状物とが規律よく整列している。
点状物の頭には黒い十字模様が見える。
一部の点状物は半分だけ赤色で、残り半分が黄色のがある。黄色い点状物の集団が一部で乱れて周辺に黄色い粉が乱れ散っている。

次のように解釈すればつじつまが良く合う。黄色の物質は花粉であり、乱れずに固まっているのは赤い帽子を脱いだ直後か、まだ帽子の中に居る時かである。
すなわち赤色はおしべの赤ずきんであり、赤ずきんが保護していた花粉は虫たちの蹂躙に会って散らかされている。赤ずきんは間もなく全部脱げ落ちて、赤色はこの花穂から消える。

綿毛の絡まりあいによる黒色が花穂の下半分にはっきりと見えている。一部にピンク色の太い毛状物も見られる。とても興味深いが、この正体は分からない。

この状態を花穂の「開花」と呼んでいいのかどうかは分からない。仮にそう呼んでいる方が説明しやすいのでお許しいただきたい。開花部は花穂の中央部で、やや斜めに位置している。開花部のおしべ群の向こう側には綿毛の密度が減じているように見えるが、確認はできていない。仮にそれが正しければ、「花穂の開花」とは、花穂の一部でネコヤナギの「綿毛が脱落すること」と言える。綿毛が脱落した部位ではおしべの赤ずきんが露出して、間もなく頭巾はずれ落ちる。人間の頭では毛が白くなって脱落するが、このネコヤナギでは毛が黒くなって脱落することになる。

27,3,12 アカバナネコヤナギ2-5.jpg
4. ここでは、赤い帽子をかぶったおしべと、黄色い花粉をどっさりと頭に付けたおしべと、花粉を奪い取られたおしべとが規律正しく並んでいる。
花粉が散らされた後のおしべの頭は黒い。「開花」した部位では花穂が凸に曲がることが多い。

27,3,12 アカバナネコヤナギ3-5.jpg
5. 日陰に居る赤いネコヤナギと黒いネコヤナギとでは、綿毛の先端の白色が違うように思われるが、正確なことは分からない。白い綿毛が黒く染まったのか、白い綿毛が先に脱落したのか、もわからない。

27,3,12 アカバナネコヤナギ4-2.jpg
6. ここでも、黒いネコヤナギをつつむ白い綿毛は、赤いネコヤナギを包む白さには劣るようだ。黒と赤の対比がおどろおどろしい。

27,3,16アカバナネコヤナギ1-7.jpg
7. 3月16日、この画像で気付かされるのは、ほぼ100%開花が終わった花穂が、未開花の花穂と比べると明らかに長く太いことである。そして開花途中の花穂では開花部が凸につき出る。このことはあることを暗示している。
画像4で説明したように、開花とは花穂の一部で綿毛が抜け落ちることであるならば、弾力性の強い花穂の本体を、綿毛が締め付けてはじけないようにしていることになる。何のためにそんなことをするのだろう。締め付けから解かれた花穂が体積をいっぱいに広げて喜びを示しているようだ。

27,3,16アカバナネコヤナギ3-6.jpg
8. 花穂のカップルが仲良く並んでいる。一方は開花が済み、他方は間もなくである。
すぐに二世が誕生、となると思うのは勘違いである。
ネコヤナギは雌雄異株であり、この株のネコヤナギにはおしべしか咲かない。めしべは他の株にしかないのだから、実を結ぶことはない。ここの数株のヤナギの中に、雌株と思われる株は見当たらない。

27,3,16アカバナネコヤナギ4-8.jpg
9. そんなの関係ない、とばかりに美しく咲き誇っているが、私nikkinは気になってしようがない。考え方が下司っぽいのかもしれない。雌株を見たことがないのも気になる。はたして雌株のネコヤナギの美しさはどの程度のものなのだろう。

27,3,18アカバナネコヤナギ3-6.jpg
10. 3月18日、この花穂も、開花した部位で羽綿毛が疎になり、開花部が凸になっている。赤ずきんちゃんたちが日光浴を楽しんでいる。絡み合う円錐状の黒毛もたくさん見える。

27,3,19 アカバナネコヤナギ1-2.jpg
11. 3月19日、明け方小ぬか雨が降った。雨は粋なことをしてくれた。何とも美しい宝石衣装をネコヤナギたちにプレゼントしてくれたのだ。
ここで気付くのは、綿毛の多い部分には大粒の宝石が鈴生りになっているのに、赤ずきんちゃんたちの集団の部位には小さな宝石がまばらについているだけなのである。
綿毛は撥水性が強く、赤ずきんたちは
撥水性が弱いことを意味する。

27,3,19 アカバナネコヤナギ1-5.jpg
12. ここではもっとあからさまに差がついている。君たちには宝石を上げないよ、と言われてしまったようだ。右隣の花穂の大粒の宝石の見事なこと…。

27,3,19 アカバナネコヤナギ1-7.jpg
13. 花粉が落ちてしまった花穂では、宝石がおしべの茎にまとわりついている。まるでカエルの卵のようだ。左側の花穂の頂上には、帽子の上に小さな宝石をつけたおしべが数本見える。撥水性の低いおしべの集団ではあるが、見分けにくいながらも宝石は作られている。

27,3,19 アカバナネコヤナギ2-8.jpg
14. 毛皮に宝石をちりばめたコートを着ているのだろうか。おしべたちがこんなにおしゃれしてどうするの?

27,3,19 アカバナネコヤナギ3-3.jpg
15. 一個の水滴に、レンズ効果が大きく働いている。
やはり開花部と未開花部とでは大違いである。

27,3,19 アカバナネコヤナギ3-8.jpg
16. 背景を暗くして、ストロボを焚いている。小さな子供なのに、男の子ばかりなのに…。子供だからお飾りが好きなのだろう。

27,3,19 アカバナネコヤナギ3-9.jpg
17. こんな小さな幼木がいた。どう見ても実生(みしょう=種から芽が出た)の幼木である。近くに雌株が存在しないのに実生があり得るのだろうか。だれかが挿し木したのかもしれない。

27,3,19 アカバナネコヤナギ4-1.jpg
18. この幼木の花たちも派手好きである。宝石たちの命も短いのだから、大目に見てやらねばならない。

27,3,23 アカバナネコヤナギ1-5.jpg
19. 3月23日、公道からの望遠レンズ画像である。色合いが何ともさびしい。
ピンク色一色だった頃が懐かしい。「あれから40年…! 少しはお化粧をしたら…?」

アカバナネコヤナギの観察日誌を終了します。


フリソデヤナギ [花]

なんという華やぎを身に付けた名前だ! その姿にピッタリな名前だ。
そんな軽はずみな思い込みがあっけなく裏切られた。
なんでも、江戸時代に「ふりそで大火」と名付けられた大火があったそうな。
少女の振りそでに燃え移った火が折からの風で広がって大災難となったという。
そしてこのフリソデヤナギは、火元となったお寺の庭に咲いていた、という理由で名付けられたそうな。ずっこけそうになってしまった。

26,3,18 フリソデヤナギ1-2.jpg
1. 別名「アカメヤナギ」 なるほどぴったりだ。赤いネコヤナギである。
日光地区に多い。と言っても自然に咲いているネコヤナギではない。民家の庭に限られて咲いている。

26,3,18 フリソデヤナギ1-4.jpg
2. 赤い色は花粉袋の外覆いの色である。中身は黄色だ。

26,3,18 フリソデヤナギ1-8.jpg
3. 白、赤、黄色、そして黒っぽい部分もある。ネコヤナギとしては破格の華やかさである。
不思議なことに、江戸の大火の火元となったお寺に咲いていたという華麗なネコヤナギを、私は東京では見たことがなかった。日光に来てからその美しさに魅入られている。だれか、東京で見かけた方は、コメントに一言記してくださると嬉しい。

26,3,18 フリソデヤナギ2-4.jpg
4. こちらの人たちは「チンコロヤナギ」と呼んでいる。何ともかわいそうな名前だ。
「チンコロ」は犬のことだろうか。だとしたら「ネコヤナギ」ではなく「イヌヤナギ」になってしまう。

26,3,18 フリソデヤナギ2-9.jpg
5. 白い綿毛が印象的だ。花序の中間地点から開き始める。これも珍しい咲き方だ。

26,3,18 フリソデヤナギ3-5.jpg
6. おっと、ここに黒色の正体が現れた。何とも奥の深いネコヤナギだ。一番の華やかさを最後まで隠していたのだ。花粉袋が割れて黄色い花粉が散っている。

26,3,18 フリソデヤナギ3-6.jpg
7. 正面の橙色が何だったのかは思い出せない。何しろ民家の庭だから、なんでもありだ。それにしてもこの赤さは奥ゆかしい赤色だ。原色の派手さがまったくない。パステル調である。高貴な深窓育ちの色である。

26,3,18 フリソデヤナギ4-1.jpg
8. 柔らかい綿毛に絡まった花粉が見える。
ということはこれがオバナなのだろう。メバナらしいものはまったく見られない。

26,3,21 フリソデナナギ1-1.jpg
9. これは3日後の雨上がりの朝である。
私は誤解していた。雨にぬれた、濡れそぼったネコヤナギなどは見る価値はもちろん、撮る価値はまったくないと思っていた。このフリソデヤナギを横目に見ながら通り過ぎようとしたその時、私の両目が釘付けになった。
このネコヤナギは、私の見たことのあるネコヤナギとは異なり、「ヌレネズミ」にはならず、水玉をおしゃれな衣装として着こなしていた。ファッションショーを開催中だった。

26,3,21 フリソデナナギ1-3.jpg
10. 神秘的な姿に変身している。水玉はあたかも宝石であり、ドレス飾りであった。

26,3,21 フリソデナナギ1-5.jpg
11. 水玉1個1個に赤や黄色の花を映して、自分たちの輝きを増幅させている。水玉をはじいて自分の衣装としている。水玉を綿毛の中に取り込まないからヌレネズミにはならないのだ。撥水性の勝利だ。

26,3,21 フリソデナナギ1-8.jpg
12. 水玉の中に赤い花粉袋をとりこんでいる。いろいろなおしゃれを心得ている。

26,3,21 フリソデナナギ2-3.jpg
13. 折からの朝日に照らされて、得意満面の晴れ姿だ。

26,3,21 フリソデナナギ3-4.jpg
14. 水玉が大きいのでなかなか蒸発しない。ありがたいことだ。

26,3,21 フリソデナナギ3-5.jpg
15. 小さな小川の傍らにに植えられている。
毎年必ず春の彼岸に合わせて咲くという。お墓の供花の女王様だ。

26,3,21 フリソデナナギ3-6.jpg
16. 波のキラキラを背景にしてみた。波も粋がって、球状に光って見せた。

26,3,21 フリソデナナギ4-2.jpg
17. アングルを少し変えるとまた花に華が生まれる。
つい時間を忘れてシャッターを押し続けてしまった。


ネジバナーー神様の勝手読み? [花]

大谷川河川敷は今ネジバナの花盛りである。
とは言っても、もともと群れて咲く花ではない。圧倒されるほどの花でもない。4~5m歩けば必ず1個は咲いている、という程度の咲き方である。気づかない人は気づかないかもしれない。そんな可憐な花である。

ネジバナの別名はモジズリ。百人一首で、河原左大臣源融(みなもとのとおる)が詠んだ「みちのくのしのぶもじ摺り誰ゆえに乱れ初めにし我ならなくに」(みちのくで作られるもじずりの模様のように乱れて狂おしい私の心。みんなあなたのせいですよ)

情熱的な片思いの歌である。着物の模様がネジバナに似ていたので、ネジバナをモジスリと呼んだのだが、ネジバナのよじれたサマを、叶わぬ恋に身をよじって耐える姿と解釈したらしい。

25,7,9 大谷川のネジバナ1-1.jpg
1. 群れて咲いてもこの程度。この赤紫の花の色と、よじれて咲くさまがなんともかわいらしい。

25,7,9 大谷川のネジバナ1-2.jpg
2. 奥の柴地はサッカー場。柴地にももちろん咲いているが、これほど集まって咲くのは珍しい。

25,7,9 大谷川のネジバナ1-3.jpg
3. ネジバナはラン科の野草。雑草とも言える分類なのにこんなに美しい。

25,7,9 大谷川のネジバナ1-4.jpg
4. マクロで撮ると、なるほどラン科だ。1個1個が頬ずりしたくなるほどに美しい。

25,7,9 大谷川のネジバナ1-6.jpg
5. 真横に突き出るように咲くが、列が螺旋形を描く。ラン科で螺旋形を描く花の列は他に無いのではなかろうか。

25,7,9 大谷川のネジバナ1-7.jpg
6. 螺旋形をほぼ真上から撮るとこんな風に見える。そよ風が吹いていて、絞りを強くするとシャッター時間が伸びるため、フォーカスがぶれる。止むなく浅い絞りで撮った。

25,7,9 大谷川のネジバナ1-9.jpg
7. この虫はネジバナの花の中で夜を明かしたようだ。何という贅沢、何という甘美な世界。私は虫に生まれ変わりたい…。

25,7,9 大谷川のネジバナ2-2.jpg
8. もう一度他の群生を撮る。草の葉には露玉がたくさんついているのに、ネジバナにはまったく付いていない。朝霧がエコひいきをしたのだろうか。
そうではない。この露玉は朝霧由来のものではない。イネ科の植物は、根から吸い上げた水分の使い残しを、葉先から排出する性質があるのだ。

25,7,9 大谷川のネジバナ2-3.jpg
9.ところでラン科の中でただ1種、らせん状によじれて咲く意味は何なのだろう。
一説によると、花がよじれて並ぶと、他のラン科の花のように傾かないからだ、という。
なるほど、コチョウランを初めとして、ラン科の花々は傾く花ばかりのような気がする。
ネジバナだけが気持ちよいくらいにまっすぐに延びる。背は高くないが、自分なりに天に向かって真っすぐに伸びたかったのだ。見上げた心がけだ。

25,7,9 大谷川のネジバナ2-4.jpg
10. 二人並んだネジバナが絡み合うように伸びてゆく。蔓草ではないから絡み合うことはないのだが、花のらせんが絡み合っているような錯覚を与える。

25,7,9 大谷川のネジバナ2-5.jpg
11. このネジバナの花はずいぶんまばらである。まばらすぎて螺旋形さえ良く判別できない。

25,7,9 大谷川のネジバナ2-6.jpg
12. 2枚前の二人連れに戻る。密に並ぶ花々が、茎を交差して登ってゆくようにも見える。

25,7,9 大谷川のネジバナ2-7.jpg
13. おっとっと、このネジバナはよじれていない。ま、こんなへそ曲がりが居てもいいだろう。
だが、待てよ。このネジバナは花が一方向に、直線状に並んでいるのに、茎が傾いていないぞ。花々が軽すぎて傾く理由がないのである。
思うに、傾かないように螺旋にしたのは、天地創造の神の勝手読みにすぎなくて、実際には、ネジバナに関しては螺旋にしなくても真っすぐに天に向かって伸びられたのではなかろうか。

25,7,9 大谷川のネジバナ2-8.jpg
14. アングルを変えるとわずかにらせん状ではあるが、重力を分散する様な螺旋形ではない。

25,7,9 大谷川のネジバナ3-1.jpg
15. 咲き始めたばかりの美少女4人。花の真っ盛りにもう一度会いたいな。

25,7,9 大谷川のネジバナ3-5.jpg
16. 朝の日が昇って来た。陽の光で花の美しさを、カメラが撮り切れない畏れが出てきた。

25,7,9 大谷川のネジバナ3-6.jpg
17. またもよじれのないネジバナが見つかったが、あのしっとりとした紫色が変わってしまって、上品さが失われている(とおもわれる)。

25,7,9 大谷川のネジバナ3-9.jpg
18. これも寄りそう2人連れ。愛すべき存在である。それでもこの色は受け入れられない。残念ではあるが撮影を中止しよう。
次回から、ネジバナの撮影は、曇りの日または日の出前に限らねばならない。


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滴のバラ [花]

 

 

バラの季節の雨上がりの朝は心騒ぐ。
今朝はバラが滴の中で私を待っているのではないか。
「早く来ないと滴がどんどん小さくなっちゃうのに…」と、いらいらしながら待っているのではないか。

さあ、いかなくちゃ…。
そんな気持ちで、取るものもとりあえず駆け付けるのである。

バラは私を裏切らない。「ようこそ、お待ち申しあげておりました」
満面の笑顔とともに最高の幸せを私にくれるのである。

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1. すぐ向こう側の花が映っている。きれいに開いた花ではないのがちょっと不満であるが、わがままを言える立場ではない。これだけで十分美しい。

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2. このバラは開いた状態で映っている。周辺を全部ボカして滴の中だけピントを合わせている。しかし、このピンとは滴の中のバラに合っているのか滴の表面にあっているのか。後者のような気がする。オートフォーカスの限界を知らされている気がする。

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3. 盛り上がる滴もある。その滴にバラが住んでいる。

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4. きれいなバラに見えるが、正確にピントの合ったバラではない…。
これは絞りの数字を大きくした方がピントが合うのだろう。しかし、そうするとぼかしができない。

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5. こんな華やかな滴は初めて見た。すべての滴にバラが咲いている。カメラマン冥利に尽きる瞬間である。

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6. 花弁に乗っただけの滴もいい。ビロードの上の宝石を真上から撮っている。

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7. 空が映っている。ストロボを焚いた。

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8. ちょっとでも枝に触れると宝石が転げ落ちる。最高に緊張する瞬間だ。

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9. この瞬間を永遠に続かせるために撮っている。

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10. 1から5までのバラと同じ種類のバラであるが、植え込みは数百メートル離れている。

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11. あまり痛くないとげが沢山ある。
もう少し滴が垂れさがっていてくれるとよかったのだが…。

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12. またしても華やかな滴が並んでいる。枝の上面に滴の無いのが奇異に感じられるが、ありのままを撮ったのである。

滴の中のバラは、いろんな角度から撮影可能であるが、いい形のバラが映っているのは限られたアングルだけである。最善を求めて闘っているうちに、いつの間にか時間が過ぎる。


サツキの奇病 [花]

サツキの花を撮っていたら、さつきの花や葉が奇妙な変形をきたしている姿を見つけた。
今まで見たことがなかったので、これは新発見の病気かもしれない、などと思って興奮したが、調べてみると結構よく知られて居る病気だった。

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1. おもちゃのサッカーボールみたいな形をしている。
この病気は通常、葉から発生したものか花からか、はっきり分かるのだが、この場合はよくわからない。もしかしてこの病変部を好んで食べる虫が居るのだろうか。

それにしても、サツキの葉がこんなに毛深いとは…。

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2. これは明らかに葉っぱから発生している。
病気の名前は「もち病」 餅菓子を火にあぶった時のように、膨らんで反り返っているさまから名づけられたそうである。なるほど、そっくりだ。
ただ、不思議なのは、左側の餅菓子の左端から、小さな正常の葉っぱが伸び出している。病気の葉っぱから正常な葉が出るところがなんとも理解しがたい。

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3. これは明らかに花から発生している。花弁の1枚1枚が肥大かつ肥厚化している。
調べたところによると、原因はある種のカビだという。人間の水虫の原因がカビである。人間の爪水虫が、爪を肥厚化させているのと似ているのかもしれない。

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4. これも花から出たようだ。肥大化する度合いが花弁ごとに異なるようだ。

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5. これは葉っぱから。ここでもまた、病気の葉っぱから正常の葉っぱが伸び出している。なぜだろう。

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6. これは何か果物が生ったようにも見えるが、葉っぱがくるりと丸まったのだろう。

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7. この3枚の肥厚した葉っぱは同じ茎からわかれて出ている。しかも、その茎から、新しい、健常な新芽が伸び出している。不可解な病気である。

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8. これの発生母体は何だろう。花ではないから葉っぱかと思われるが、肥厚化の起始部は明らかに茎を巻き込んでいる。茎が発生母体となることもあるようだ。

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9. これも花からの発生。両側のサツキの花は健常である。病魔に取りつかれた花と健常な花と。その分かれ道はどこだったのだろう。

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10. これは不思議な形をしている。まるでゲゲゲノキタローの世界のようだ。こんなのを生け花で使うお師匠さんが現れたなら痛快だろう。

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11. これはまるで葉の上にお供え餅を載せたよう…。朝食前だったので、急に空腹を覚えた。

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12. 花から発生したようだ。ここで注目してほしいのは、花の中心部、しかも病魔に取り憑かれた花の中心部から、1枚の健常な若葉が出ていることである。似たような画像を数枚お見せしてきたが、こんなことは爪水虫では起こらない。なんとも奇妙な、ちんぷんかんぷんな病気ではある。

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13. この病気がまったく見られない植え込みがあれば、沢山見られる植え込みもある。感染性の病気だからであろう。この画像内には10個近い病巣が存在する。
手入れの悪い植え込みに多く発生するといわれている。

少々気味悪い思いをされた方も居られることだろう。謹んでお詫び申し上げます。この病気を広く知ってもらうために、あえてここにアップさせていただいたことをご理解賜りたい。。



山猫柳 [花]

猫柳ならば一般的であるが、山猫柳とは何だろう。

猫と山猫の違いは明白である。すると山猫ヤナギは猫ヤナギよりもワイルドな外観・性質を持っているのだろうか。
ヤマネコヤナギと書くと少しニュアンスが変わってくる。


ネコヤナギは通常川岸など、水辺を好んで生育する。ヤマネコヤナギは山の中の、水辺とは程遠い場所を好む。ヤナギ科ヤナギ属の高木である。
ヤマネコヤナギには別名がある。バッコヤナギという。一説によると「バッコ」は「婆っこ」だそうである。

「山猫」にしろ「婆っこ」にしろ、あまり美しいイメージは湧かない。
ところがどっこい、山ネコヤナギはネコヤナギを足元にも寄せないほどに美しい。
花序の大きさにしても、体積比では時に10倍近い大きさになる。

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1. 通常山で出会うヤマネコヤナギは20m近い高木で、このようなショットは撮れない。たまたま低い木を見つけたので、撮りまくった。運が味方をしてくれないと山猫柳の魅力をお伝えできないのである。

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2. 花粉がいっぱいついている、まさに最高のタイミングで撮ることができた。

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3. どうです、この美しさ。通常のネコヤナギの比ではないでしょう。1個の花序の大きさは、円筒形で3×3×6cm立方くらいある。

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4. 全体像はこのようになる。通常は下枝がほとんどなく、樹冠に限定して花序をつけている。午後の日を浴びると金色に輝くのだが、今回はそこまで欲張ることはかなわなかった。

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5. 花粉、すなわちおしべだけ。ヤナギ科の木々は雌雄異株であり、この木には雄花しか咲かない。残念ながら雌株を見た記憶はない。

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6. 木の下に立って上を見上げる。金の生るはなやかな木である。

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7. こんな美しい花の木に「婆っこ」と名付けた意味が不明である。
山へ柴刈りに出た爺さんが、思いがけず美しい花に出会って、死に別れたばあさんの笑顔を思い出した…。

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8. 金色の強い花序と、それほどではない花序とがある。とにかく沢山ある。まさに鈴生りである。

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9. ひときわ目立つ1枝。曇り空でこの輝きだ。一人歩きの山の中で出会ったら、夢見心地になってもおかしくはない。

ただ、山猫柳のすべての株がこのような美しい花を咲かせるわけではない。もっと、ずっと地味で、むしろ美しくない花を咲かせる株もある。緑色の花序、黒っぽい花序、茶色の花序など様々。花序の大きさもかなり小さい株がある。それらすべてが「ヤマネコヤナギ」とひとくくりにされているようだ。なんとも納得できない命名だが、今のところ私の検索では解決されていない。

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10. 晴天だったらまた違った色合いになったはずである。
晴天の下で撮りたいと、何度か訪れたのだが、雨の後の晴れた日ばかりで、花序がずぶぬれに濡れそぼって、おしべがよれよれになり、汚い雑巾(失礼)のように見えるばかりだった。

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11. 逆光気味に撮るとこのようになる。ちょうど、美しくない種類のヤマネコヤナギを撮った状態と同じである。

「男体山 山の婆っこに惚れ直し」  nikkin


フサザクラ [花]

「…ざくら」という名がついても桜の仲間ではない花がたくさんある。

通常の桜はバラ科である。
ツガザクラはツツジ科、ユキワリコザクラはユキワリソウ科、ハクサンコザクラはサクラソウ科、シバザクラはハナシノブ科、カタザクラはリンボクの別名、コゴメザクラはユキヤナギの別名、ニワザクラはニワウメの変種、シデザクラはサイフリボクの別名などなど…。

フサザクラ(総桜、房桜)はフサザクラ科フサザクラ属。世界中でも1科3属の希少種である。

本州以南の山地に数多く自生する。高木で小さな花なので、注意して見ないと見落とすことが多い。

日光市と旧足尾町を結ぶ「日足トンネル」近辺には道路わきに沢山の自生林があり、桜に先だって咲く。初めて見る人たちは一様に驚く。美
しい花だ。

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1. 3月19日 近所の公園で見つけた。
樹齢10年前後だろうか。まだ高木になっていないので、カメラマンにとっては願ってもない被写体だ。なぜ今まで見つけられなかったのだろう。

25,3,19 フサザクラ1-3.jpg
2. 葉より先に花が咲く。といっても花弁は無い。原始的な花である。
赤くふさふさしているのはすべておしべである。
まだ蕾がほころんだばかり。3分咲きといったところである。

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3. 遠景は日光杉並木。杉並木に接する公園である。

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4. 3月22日、日の出は過ぎたがお日様は雲の陰。木漏れ日にも華やかさがない。

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5. 数十本のおしべがふさふさしており、まさにフサザクラである。
小枝の樹皮が桜の樹皮に似ている。まったく科が違うのに…。

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6. 小さなクモが糸を張っている。おしべばかりでめしべが無いはずはない。
めしべは通常中央に1本、後から伸びてくる。どこの世界でも女性は男性を待たせるものらしい。

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7. 中央に形の違った緑色の突起がある。これがめしべらしい。

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8. 花序が上向きに付くとおしべが自分の重さで下を向くので、乱れた感じを与える。花序は下向きのほうが名前にふさわしい外見となる。

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9. 太い幹はまだない。同じ株から5~6本の直径10cm未満の幹が出ている。樹高は3~5mといったところだろうか。

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10. 突然雲が動いてお日様が顔を出した。杉の木も嬉しそうだ。

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11. お日様をいっぱい受けた花序は幸せを絵に描いた様な顔である。赤い花には真横から来る光が良い。

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12. 木漏れ日も、4番の画像とは大違いである。遠くの花の色もよく見える。

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13. 花弁は無いが萼片が花序を支えている。半透明な黄緑が美しい。

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14. 空を背景にするとやはり暗くなる。

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15. 花の華はいくら撮っても飽きない。「泣いて馬しょくを切る」思いで(ちょっと意味が違うか…)家路に就いた。

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16. 3月28日、霧の深い朝だった。花序は萎んだものも多く、花期を過ぎていた。やはりお日様の当らないフサザクラは価値が落ちる。

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17. おしべから垂れる水滴が一生懸命助演していた。霧もがんばってはくれたが…。

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18. ほぼ10日間の観察。フサザクラの賞味期限は桜と似た期間であった。
この小枝は14番の画像と同じ小枝かもしれない。1週間の差の大きさに衝撃を受ける。


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