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満月と日光連山 [風景]

つい今しがた、nikkin夫妻がそろってインフルエンザに罹っていることが判明した。
こんなタイミングで記事を書くと、けっして多くはない私の読者諸氏に、フル―ウイルスを広げてしまうのではないかと心配になったが、「あ、これは杞憂の典型だ」と気付いた。

と言うわけで、いつもどおりに記事をアップすることにしたが、もし万一、フルーウイルスを見かけたか、感じ取った読者諸氏には、それが錯覚であることに気づいていただき、平静に記事を読んで下さるよう、衷心よりお願い申し上げる次第である。

なお、今回の記事はイマイチの感をまぬかれないが、次回の記事は秀逸とは行かないまでも、決して読者諸氏の期待を裏切ることのない、価値のある記事であることをお約束する。
タイトルは「けあらしと逆けあらし(仮称)」。けあらしに関する新発見の事実を、懇切丁寧に提示、解説する予定である。少々長ったらしい、学術論文風の記事になる予定なので、時間をかけて準備したいと思っている。(何だこれは。NHKの番組宣伝と変わらないではないか)

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1. 2月12日 早朝。前夜が15夜であった。
きれいな満月が黄色く光っているが、肝心の連山は雲の影だった。


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2. 男体山と女峯山の一部が見えかけたが、シャイなおふた方は、御簾の影から出てくることはなかった。

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3. せっかくの満月もここで御簾の影に入られた。
この後、何を楽しみに待てばよいのやら…。

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4. そんな心配を吹き飛ばしてくれたのがこの美しい雲。

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5. 高い位置の雲はもとより、お二方の隠れた御簾をも赤く染めたが、シャイなお二方は、出てご挨拶することを固辞し続けた。

29,2,13  満月と連山1-1b.jpg
6. 翌13日早朝。16夜(いざよい)の月が高いい位置で輝いていた。1日の違いがこれほど大きいのである。連山は雲一つない晴れ。積雪の具合もばっちりと決まっていた。

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7. 日の出の2~30分前、西の空がぼんやりと赤くなる。
東の空の赤さを反映しているのである。月は黄色さを失わんとしている。

29,2,13  満月と連山1-9b.jpg
8. 連山朝焼けが始まった。満月(十六夜の月)はかなり高い位置で、
「自分はショーの仲間じゃないよう」とすねているようだ。

29,2,13  満月と連山2-3b.jpg
9. 連山朝焼けの最盛期だ。空の青さもようやく美しい青色になりかけた。

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10. 男体山の赤さも最高。建築物は日光市文化会館。
文化会館が連山の美景の邪魔をしていては、サマにならない。

29,2,13  満月と連山2-8b.jpg
11. 「おいらやっぱり景観の役に立っていないね。ごめんね」といざよいの月。
丸い体を細くして、身の置き所がない風情である。
いいんだ、いいんだ。君がいるのといないのとでは、大きな違いが出るんだよ。

次回記事は1週間以内に出る予定。気象庁関係者もびっくり。どうぞお見逃しなく。




歌が浜の男体山 [風景]

いい被写体に恵まれない日が続いている。
そういうシーズンだから仕方がないと言えるのだが、他の事情として、奥日光への撮影行が減っていることも大きい。自身で車を運転してゆけない境遇を作ってしまったのだから、自業自得なのであるが…。

今回は、歌が浜からの男体山と白根山の雪景色をお伝えする。
月並みすぎて興味を示してくれない読者諸氏もおられよう。いたしかたない。

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1. 歌が浜の男体山は富士山のような形をしている。
右の斜面が日光市側から見える、いわば表の顔である。
ここの岸には大きなミズナラの倒木がある。

29,1,29 歌が浜の男体山1-3b.jpg
2. 歌が浜は中禅寺湖の東岸の一番南側寄りを言う。
男体山は北岸にあり、氷の壁が東岸、カメラは南岸の一番東寄りにある。
氷の壁の上が歌が浜である。

昔話の男体山と赤城山の戦い、と言うよりもそれぞれの代表戦士である大蛇と大ムカデの戦いが決着したとき、この浜で勝利の歌を歌ったとか…。
ついでに言うと、戦いの主戦場が戦場ヶ原であり、勝負が付いたのが菖蒲が浜だとか。また戦場ヶ原の一角にある赤沼は、彼らの地が流れて溜まったものだとか。

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3. 中禅寺湖は東西に長く南北にみじかい。長い長径の途次で出来た波が、寄せてはじけてこの氷の壁が出来る。
毎年、中禅寺湖の冬の風物詩である。

29,1,29 歌が浜の男体山1-5b.jpg
4. 男体山の左側斜面、いわば日光市から見る反対側には、この画像では見えないが、頂上に近く大きな噴火口がある。
奥日光方面から見ると、まるでnikkinの後頭部のような、空き地(穴)が見える。

人類に歴史を記録する文化が生まれる前(約1万年前)に、噴火があったと伝えられる。その溶岩によって中禅寺湖や華厳の滝が生まれたという。
分かりやすい言い方にすれば、男体山の噴火は記録には存在しないが、まぎれもない活火山である。

29,1,29 歌が浜の男体山1-8b.jpg
5. 折から、東京方面から見えたと思われるカメラマンが5名、登場してこの景色を撮り始めた。他によいシャッターポイントがなかったのだろう。

29,1,29 歌が浜の男体山1-9b.jpg
6. 倒木のオブジェのおかげで、ここからの男体山撮影が味深いものになった。4年ほど前の出来事である。自然公園であるから、当局は、必要不可欠の場合以外はまったく手を出さない。そのせいで最高の被写体であった光徳沼が、堰を流されて、ただの湿地に変わってしまった。

29,1,29 歌が浜の白根山1-1b.jpg
7. 白根山系が西岸の向こうに見える。
頂が白すぎてライトブルーの空に溶け込んでしまった。

29,1,29 歌が浜の白根山1-2b.jpg
8. 白根山の頂上は、シロクマか白い象の右側を見たような形をしている。
ミズナラの枝ぶりがどこかおどろおどろしく、神秘な山にふさわしい。

29,1,29 歌が浜の白根山1-3b.jpg
9. 岸辺に立つと、浅い底がきれいに見える。
この穏やかな岸辺から、あの大きなしぶき氷壁が出来ることが信じられない。

29,1,29 歌が浜の白根山1-6b.jpg
10. 南岸の一部をコラボさせて撮った。
右上の茶色い裾野は男体山。

早春のお昼時、暖かいコーヒーが恋しくなって、湖岸に別れを告げた。


朝日を背負う雪の大木 [風景]

大谷川河川敷は、公園として管理されている場所も多く、ところどころに形のよい大木がぼつねんと立っている。寂しそうというか、孤高を保っているというか、あるいは威風堂々というか…。

日光市一帯に10cmほどの雪が積もった朝、朝日を背にして長い影を引く大木の姿は、あたかも一人の名優のごとく、あるいは孤独な横綱のごとく、一服の絵として時を忘れさせる存在でもあった。

29,1,15 大木と日の出1-1b.jpg
1. 大きなケヤキの木である。縦方向にすっくと伸びた木であり、各枝も縦方向志向が強い。雪質が軽かったこともあり、枝に残っていた雪はほとんどなかったと思われる。

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2. 木の影を長くして撮ってみたが、人の足跡と犬の足跡とで乱されて、画像としての価値が今一つと思われる。

29,1,15 大木と日の出1-6b.jpg
3. 他の場所に立つ、やはりケヤキと思しき木である。枝ぶりから見て、雪が留まっていた可能性が低い。

29,1,15 大木と日の出1-7b.jpg
4. 足跡が全くない状態で撮れたのは嬉しかったが、樹形がイマイイチだったのが心残りではあった。

29,1,15 大木と日の出1-9b.jpg
5. 3本目の木は、何の木かは分からないのだが、枝ぶりの良さが申し分ない。
傍らに小川の流れている様が、画像としてプラスの要素なのかマイナスの要素なのか、若輩のnikkinには分からないが、個人的には小川のある風景が好きである。

29,1,15 大木と日の出2-1b.jpg
6. この木において、前の2本の大木と決定的に異なるのは、木全体が白い粉状物質によって包まれており、朝日がその粉状物質を照らし、いい雰囲気を醸し出していることである。この柔らかい粉状物質から生まれた雰囲気は、自画自賛させていただけるなら、神秘的とさえ表現できなくもない。

29,1,15 大木と日の出2-3b.jpg
7. 実は、撮影していた時にはこの粉状物質に気付いていなかった。なんとなくいい雰囲気が出ているなとは思いながら、その理由がこの粉状物質であることには、全く気付かなかったのである。未熟なカメラマンであることを白状して、お詫びしたい。

29,1,15 大木と日の出2-5b.jpg
8. しかし、この白い粉が何者であるかは、少し考えれば難しくはない。
雪、パウダースノウである。横方向志向の枝に留まっていた粉雪が、折からの弱い風に乗って舞い上がったのである。

29,1,15 大木と日の出2-7b.jpg
9. 枝に残っていた粉雪の量は有限であり、この画像においては規模がぐんと小さくなってしまった。

29,1,15 大木と日の出2-8b.jpg
10. 逆光だからこそ撮れた粉雪の幻想である。
もう二度とお目にかかれない。二度と証言台に立てることはない。
一瞬の感動をありがとう。最高の記録と記憶をしっかりと確保できた。天上、地上の神々に感謝だ。

29,1,15 雪の大谷川3-1b.jpg
11. 同じ木を順光で撮ってみた。まだ枝枝には粉雪が残っている。少し強い風が来たら、あの幻想をもう一度みられるのかもしれない。

人間、欲は深くないのがよい。もうずいぶん歩いた。知足、足るを知る。
感謝をこめて、この朝の感動にサヨナラを告げた。



夕陽の男体山 [風景]

夕陽は夕陽、同じ時間帯の太陽であるが、同じ快晴の日の夕陽でも、いろいろな顔を持っている。気象条件その他によって、毎日違った顔を見せるのだ。情熱的な赤色、まったく気の無い黄色に近い色、通常の「ああ、きれいな夕陽だ」と思ってもすぐに忘れてしまう色など、列記しても意味がない。

もちろん夕陽が最も赤くて情熱的なのは、太陽が山の端に隠れる寸前のものであるが、その寸前の色でさえ多彩で、多情で、気まぐれなのだ。

一番魅力的な夕陽の色は、もちろんまだ見たことがない。2番目も、3番目も見ていない。たぶん10番目でもまだ見ていないのだと思う。
ただ、12月3日の夕陽の赤さ、いや、夕陽に照らされた男体山の赤さは、一生忘れられないと思う。

28,12,03湯の湖の男体山1-1'b.jpg
1. 12月3日 15:39 夕日が沈む約35分前であるが、赤さはまだまだ物足りない。
湯滝の滝口に近い、2個目の橋の脇で撮った。

28,12,03湯の湖の男体山1-3'b.jpg
2. 15:41 少しカメラを引いて、木陰から明るい世界を覗き見るように撮った。
もちろん赤さには不満がある。

28,12,03戦場ヶ原の男体山1-1b.jpg
3. 15:51 戦場ヶ原を目指す道すがら、赤色が激変した。
とはいえ、写真で分かる通り、赤いのは手前のカラマツとズミの木ばかり。男体山は斜に構えて赤色を反射しない。木陰や日陰の暗さも進んでいた。

28,12,03戦場ヶ原の男体山1-6b.jpg
4. 15:58 大方の落葉樹は落葉を終えており、枯れ枝ばかりが赤変している。
枝に葉が付いていたら、赤色は大違いだっただろう。

28,12,03戦場ヶ原の男体山1-8b.jpg
5. 16:01 日陰と木陰が面積を増し、男体山包囲作戦を見ているような気がした。

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6. 16:02 山肌の緑色は、ウラジロモミ、黒松などの常緑針葉樹林である。
この常緑針葉樹が多いことから、男体山の別名を「黒髪山」と言う。「緑の黒髪」である。

28,12,03戦場ヶ原の男体山2-7b.jpg
7. 16:03 肉眼で見た赤色を、カメラが再現できないのは、一重にカメラマンの未熟さによるものであるが、その赤さを実感してもらえないのが、痛恨の想いである。


28,12,03戦場ヶ原の男体山2-9b.jpg
8. 16:13 ここにきてようやく常緑樹林も赤く照らされ始めた。
常緑針葉樹をも赤く変える夕陽の色、ご理解いただけるだろうか。

新年早々男体山の夕陽とは、ちょっとそぐわないのかもしれない。
ただ、どうしても灼熱の赤色の男体山をご紹介したくて…。




日の出の連山鏡像 3朝3様ーー回文年賀状 [風景]

年賀状を兼ねて、おめでたい日光連山の日の出の鏡像をお届けしたい。

日光連山は日光地区の山岳信仰の歴史的聖地である。
その連山の鏡像を小さな人工の池に浮かべて、読者諸氏と
崇高な美しさを共感しながら新年を迎えたい。


28,12,07日の出の連山鏡像1-2b.jpg
1. 12月7日 6:14 この池に東の空を映した。雲一つない晴天であるが、雲がない空は、美しさに欠けるきらいがある。

28,12,07日の出の連山鏡像1-3b.jpg
2. 6:17 西の空を映す。まだ明けきらない空はどんよりとした青色で、連山は荘厳な姿を横たえている。カメラでは明るく撮れるが、肉眼的にはまだ闇なので、街路灯の灯りが趣を添える。
「オモムキヲソエル? 単なる味消しだろう?」 セミプロあるいはスーパーアマカメラマンから雑音が入ってくる。
確かに味消しなのだが、これを外して撮るのは不可能なのだから、開き直るしかない。

28,12,07日の出の連山鏡像2-2b.jpg
3. 6:44 東の空には面白みがない朝だったので、西の空に集中した。
連山の朝焼けは何ともドラマティックである。お日様の出てくる雲海の水平線が連山を横切る。影の部分は深海の青さである。

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4. 6:44 おなじ時刻に、風景モードで撮る。こちらの方が単純明快な色彩となるが、どちらを好むかは、個人差が大きい。

28,12,07日の出の連山鏡像2-8b.jpg
5. 6:46 鏡像は、まるで赤い団子3兄弟。これも風景モードである。
池の手前の雑草に霜が降りている。この池には大きな錦鯉が飼育されているが、シャイで、あまり顔を出したがらない。

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6. 6:49 雲がない朝の西空は、無駄を省いた美しさではあるが、nikkinには物足りない。

28,12,08日の出の連山鏡像1-1b.jpg
7. 翌8日、6:31 この程度の雲の存在が、nikkinのお気に入りである。

28,12,08日の出の連山鏡像1-6b.jpg
8. 6:36 上る前の朝日によって雲の下面が色づいて来た。
雲の鏡像は常に実像よりも暗い。明るさ控え目も悪くはない。

28,12,08日の出の連山鏡像2-3b.jpg
9. 6:38 雲の存在のありがたさがよく理解できる。遠い雲海の赤さが最高潮を迎えようとしている。

28,12,08日の出の連山鏡像2-4b.jpg
10. 6:39 美しい赤い雲の鏡像であるが、景色に酔っている暇も無い。
急いで西空を撮らなければ…。

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11. 6:40 1台のカメラと3脚、そしてnikkin一人で撮影している身には、東の空から西の空に撮影を変えるときは、池の端から端まで場所を変えねばならない。わずか10mほどの距離だが、三脚の水平レベルを調整したりで、時間を取られる。
西側の連山にはまだ陽が届いていない。良かった、ドラマはこれからである。

28,12,08日の出の連山鏡像2-9b.jpg
12. 6:41 雲から始まった朝焼けは、連山全体に及んでいるが、この朝は、東の空の雲海の水平線がはっきりとは出なかった。これもまた一興。
この朝も霜が降りていた。

28,12,08日の出の連山鏡像3-4b.jpg
13. 6:43 西空の雲を、あえて画面に撮りこんでみたが、西空の雲が東の空ほどに多くなかったのは残念であった。
当然のことながら、ラッキーを一人占めにはできない。

28,12,08日の出の連山鏡像3-9b.jpg
14. 6:46 この日は真珠湾奇襲のメモリアルデイ。
平和の国のど真ん中で朝焼けを撮れる幸せを感じた。

28,12,11 日の出の連山鏡像1-9b.jpg
15. 12月11日 6:40 この朝の東の空も賑やかな赤い雲が立て込んでいた。
期待を心一杯に膨らませながら三脚を開く心臓は、脈拍数が上がっていた。

28,12,11 日の出の連山鏡像2-5b.jpg
16. 6:43 まさに東天紅。早起きのニワトリが興奮した声で、時を告げていた。

28,12,11 日の出の連山鏡像2-7b.jpg
17. 6:44 
宇都宮方面が大火事の様相である。
宇都宮は「ウツ」の人々が集まる街とか…。この赤さに「ウツ」も吹っ飛んだのではないだろうか。


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18. 6:45 西空にカメラを転じると、こちらも雲が満杯。満員御礼が出て、迷惑がるカメラマンも居そうである。
この雲はまさしく雪雲であり、この時刻に現場に居ると、文字通りピンクの雪が降っているのである。何度か、それをカメラに収めたこともあったが…。

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19. 6:46 男体山はかろうじて見えるが、大真名子山や、女峯山は完全に雪雲の中。お前さんたち、ちょっとやりすぎじゃあありませんか。

28,12,11 日の出の連山鏡像3-2b.jpg
20. 6:48 さらに雪雲が出張ってきて、この日は夕方まで連山は雲の帳の向こう側に隠れたままだった。

12月7,8,11日という3日間の観察で、雲の量がゼロ、中等度、大量と変化を見せてくれた。まるで、nikkinに典型的な3個のタイプを撮らせてくれる心の広さを見せたかのようで、nikkinはますます連山の虜になってしまった次第。

さて読者の皆さま、ちょっと早めですが、明けましておめでとうございます。
恒例の干支回文狂歌をご披露させていただきます。

「悔ゆ溝の またの世居ない渡り鳥 たわいない世の玉望みゆく」
(クユミゾノマタノヨイナイワタリドリタワイナイヨノタマノゾミユク)
小さな溝を飛び越せなかった悔しさが…。来世は人間界におさらばして、溝どころか海峡も国境もひと飛びで越える渡り鳥になろうかな。
どうということも無い世の中だけど、そんな中で何か光るものを求めてゆきたい。

新しい年が皆様にとって素晴らしい年となりますことを、衷心よりお祈り申し上げます。




湯の湖雨情 [風景]

今年は、雨がやむことのない秋。
たまの晴れ間がnikkinの撮影行と一致するのは奇跡的である。
そうとなったら仕方ない。雨の奥日光の魅力を引き出してみよう。

28,9,22 雨の湯の湖1-6b.jpg
1. 粉糠雨は水面に何の変化も与えない。それでもカメラやレンズに気を遣わなければならないのは、経験が教えてくれた悲しい学習である。
苔むした倒木、色づき始めた小枝、そして形を成さない鏡像が意地で醸し出す緑色。

28,9,22 雨の湯の湖1-9b.jpg
2. 遠い湖面は霧の中。
岸の倒木はあくまでも放置が原則。自然公園の定めでもある。

28,9,22 雨の湯の湖2-6b.jpg
3. 一列に並んで向こうを向いているカモたち。
湖面が荒れているならばまだしも、水に入りたがらないカモたちとは、どういうことだろう。あるいは何か相談でもしているのだろうか。


28,9,22 雨の湯の湖2-8b.jpg
4. ハウチワカエデだろうか。紅葉の早い枝が数本。
雨で収穫の少ないカメラマンを、少しでもねぎらってあげようとの、優しい心遣いだろうか。
上にレンズを向けるとき、レンズ表面に雨滴が付いて、画像に影響するのが怖い。

28,9,22 雨の湯の湖3-3b.jpg
5. カモたちに、後方からそっと近づく大きな口!カモたちは気付いていない。
それを教えてやることも無く、冷酷にシャッターを押すカメラマン。
自然界の戦いは厳しいのだ。

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6. ここにも枝単位で紅葉する木と、向こう側の静かすぎる湖面。

28,9,22 雨の湯の湖4-2b.jpg
7. 紅葉が始まっているのはオオカメノキ、別名ムシカリ。
湖面の波紋はカモだろう。風も波も皆無に近い。
数個の雨滴が粉糠雨を教えてくれる。

28,9,22 雨の湯の湖4-4b.jpg
8. ムシカリの名に恥じない虫食いの跡。その穴ぼこまでもが趣を添えている。

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9. 鏡のような湖面。そんな湖面の鏡像を壊しに行くのもまた楽しいのだろうか。
カモたちは、「そんなのかんけいない!」とばかりマイペースで出かけてゆく。

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10. 紅葉初期のナナカマドの葉と果実。水鏡でお化粧直しをしているのだろうか。

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11. 雨の日の釣り師。圧倒されるような緑の中、孤独な戦いを続けている。
木陰からユノッシーが…。

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12. ライフジャケットを着用した釣り師3名。
色どりの鮮やかさで静寂と戦っているだろうか。あるいはカンチュウハイでもやっているのだろうか。

28,9,22 雨の湯の湖1-1b.jpg
13. ここにも孤独な釣り師が1名。薄暗さとよく釣りあっている。
赤いジャケットは孤独と戦う武器のつもりかもしれない。

粉糠雨の1日が、瞬く間に過ぎてゆく。



ヤチボウズの紅葉 [風景]

奥日光で一番早い紅葉は「竜頭の滝」といわれている。
しかし、誰もが見逃している一番がある。
それが光徳沼のヤチボウズの紅葉である。
いわゆる草紅葉の仲間であるが、見逃されがちなのである。
この紅葉がどれほどのものか、読者諸氏に見極めていただきたい。

28,9,10光徳沼のヤチボウズ1-1b.jpg
1. 光徳沼の出口から小川になっている流れが観光客の足を遮っている。
流れの底には少数のモミジ葉が沈んでいる。
向こう岸のおびただしい数のヤチボウズが、キツネ色に化粧を始めている。

28,9,10光徳沼のヤチボウズ1-3b.jpg
2. ヤチボウズの1個1個は見分けにくいが、集団の威力が伝わってくる。

28,9,10光徳沼のヤチボウズ1-4b.jpg
3. 沼の水量が不足気味、というよりも堰が流されて水面が下がっただけで、水量には変化がない。見た目には水量が不足していて、ヤチボウズが水面からかなり浮きあがった存在になっている。それでも草紅葉の魅力はよくわかる。

28,9,10光徳沼のヤチボウズ1-5b.jpg
4. 中央の1個が典型的なヤチボウズである。髪をブロンドに染め始めた元気な女の子のようだ。
ヤチボウズは全体が水にしずまないように周辺の土をかき集めて土台を高くする性質を持っている。草原化しているヤチボウズの原を歩くと、まるでスキーモーグル競技場を歩くように、不安定極まりない。ところどころに水の流れる地面で転倒することも珍しくない。実は私も…。

28,9,10光徳沼のヤチボウズ1-7b.jpg
5. お昼近い太陽が光と影の対比を煽りたてている。暗い背景に浮き出た、赤と黄色のヤチボウズたちが、あたかも原色に髪を染めたロックダンサーのように見える。
中央の赤色系の2~3株が水鏡に映っている。

28,9,10湯川のヤチボウズ1-9b.jpg
6. 遠くには男体山。わしゃあ知らん、とばかりにあくびをしている。
彼には見飽きた光景なのだろう。
日照時間の短い場所では、紅葉が遅れている。

28,9,10湯川のヤチボウズ2-1b.jpg
7. この美しい紅葉を撮りに来ているのはnikkinただ一人。
一人きりの食べたい放題に、かえって食欲が萎えてしまった。

28,9,10湯川のヤチボウズ2-3b.jpg
8. 図5と同じ場所、同じアングルの画像であるが、お日様の輝きの違いで、こんなに変化してしまう。むしろ、図5を撮れた幸運に感謝である。

28,9,10湯川のヤチボウズ2-5b.jpg
9. 小川の岸辺?では個々のヤチボウズの形態がよく見える。

28,9,10湯川のヤチボウズ2-6b.jpg
10. ここも然り。水辺では緑が多い。紅葉が遅れるのだろうか。
ここの水はほぼ100%湧水で、水温が低く、紅葉を早める効果があるはずなのだが…。

28,9,10 光徳沼のヤチボウズ3b.jpg
11. ここでも画像の手前を水が流れている。そして緑が多い。
常に水分供給を争っているヤチボウズたちは、流れから離れるほど紅葉が早いのかもしれない。

28,9,10 光徳沼のヤチボウズ5b.jpg
12. これも画像5、8、と同じ場所。光線の強さはやや、画像5、に近いようだ。

28,9,10 光徳沼のヤチボウズ6b.jpg
13. これは画像9、とほぼ同じ。カメラアングルの選択は無数にあるのだが、このような歩きにくい場所では、ついつい撮りやすい場所で、何度もシャッターを押してしまう。
請御容赦。


虹の華厳 [風景]

以前、華厳の滝の真正面に虹が架かった画像を撮ったことがある。たしか9月の上旬だったと思って、9月10日に訪れてみたが、やや遅すぎだった。8月中旬がちょうどよかったようだ。

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1. 到着したとき、8時の営業開始に少し間があったので、茶店脇の横側から撮った。
右下に淡い縦方向の虹の一部が見える。
なに!、縦方向の虹? そう縦方向である。これについては次の画像で説明しよう。

28,9,10華厳の虹1-2b.jpg
2. これは無料観瀑台から撮った。左下にやはり縦方向の虹の一部が撮れている。
前画像と、これと、いずれも縦方向の虹のほんの一部が撮れている。この謎を解かずに次に進むわけにはゆかない。

通常の虹は、時計でいえば、10時から2時くらいの範囲で見えている。ところが、画像1では時計の3時から4時のあたり、画像2では時計の8時から9時の辺りが撮れているのである。即ち、時計の下半分に属する位置である。
何をとぼけたことを言っている、虹は時計でいえば、9時から3時までが見えれば恩の字。多くは10時から2時まで、あるいはそれ以下しか見えないものだ、と言われそうである。とぼけたことを言っているのはnikkinではなく読者諸氏かもしれない。

平地での虹を見なれた人たちは、虹と言うものは時計の上半分に属する部位しか見えないと思ってしまう。ところが、高い山から見たり飛行機の中から見たりすると、虹は360度の円環として見られるのである。私は一度飛行機からそれを見たことがある。50年近く昔のことで、証拠写真はどこかに紛れ込んでしまった。

画像1も2も、100m近く上から見下ろした画像であるから、時計の下半分に属する虹の一部位が見えているのである。しかし、あまりに近いところに出来た虹なので、巨大な円環となってしまい、ほんの一部だけが可視化された状態なのである。

28,9,10華厳の虹1-4b.jpg
3. エレベーター開始を待ちかねて飛び乗った。
虹の正中は滝の正面よりも右側に位置し、期待した画像ではなかった。3週間ほど遅かったようである。
しかも虹の弧が不完全で、ちょっと気分がブルーに…。

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4. 空の雲と対比させたが、さすがに虹の美しさが勝ちだった。
しかし、空に不死鳥が舞っているような雲の形も捨てがたい。

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5. 虹を引寄せてみると、スカートのように広がる12滝が、絹のレースのように見える。

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6. 時間とともに虹の鮮やかさが増してきたようだ。
名滝は緑の中でより引き立つようだ。

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7. 今度の雲は何の形だろう。かんざし?
秋空の濃い青さに吸い込まれそうだ。空が滝に勝っているかも…。

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8. 時間とともに虹は右下方に移動する。そして虹色が鮮やかさを増す。
虹の弧の内側が、白い霧がかかったような…。

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9. 虹の一部だけ輝きが強く見えるのは気のせいだろうか。

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10. 虹色の鮮やかさは、これが最高かもしれない。間もなく弧は隠れる運命にある。

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11. 最後に大きく撮って滝壺にサヨナラを告げた。
地上に出て、もう一度縦虹を探したが、時間的に無理だった。



田んぼアート [風景]

数年前から流行り始めた田んぼアートであるが、私自身は初めてお目にかかった。
日光市の田んぼではなく、那須塩原市の田んぼである。

なるほど大変な手間暇をささげた作品である。
念入りな計画と実行と、それに、出来上がった作品を見てもらう努力も払わなければならない。
農家が自主的にやっているわけではなく、企画会社が農家と交渉して、町おこしのためにやっているようだ。観客一人頭100円では、採算はとても合わないようだ。

協力してくれる農家がなかなか見つからないらしく、第1会場と第2会場が数10キロ離れていた。

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1. 描かれているキャラクターは、栃木県のユルキャラ、栃丸君。
バナーには「田んぼアート 新しい農業への挑戦」と記されている。

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2. 少しカメラをずらせると他の2体も紹介できる。

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3. さらに1体、アルプス地方の巨大ラッパのようなものを吹いているおじさんも居る。
図形は計算通り、ばっちりと出来上がっているようだ。

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4. 鉄パイプで組み立てた展望台が画面に出ている。人家で言えば2階程度の高さである。

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5. 地上レベルから見たのでは、図形を理解できない。

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6. 町全体がアートを愛するのだろうか、近くの道の駅に、このようなアートが飾られていた。

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7. 第2会場である。このキャラクターは何なのか、孫の居ないnikkinには分かりかねる。

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8. 色わけの謎解きを示している。いろんな色の稲があるものである。

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9. 色わけ解説コーナーを一緒に撮った。
標語は「〇〇を守る」と読める。
農業、ルール、町、友達、家族などを入れて見たが…。


ヒマワリとローカル列車 [風景]

那須烏山市小塙(おばな)地区のヒマワリ畑は、規模も小さく迷路遊びもできない。
親子連れの客には人気がないが、風景カメラマン鉄道ファンには、知る人ぞ知る名所である。時刻表を手に、小高い展望台にカメラの砲列が並ぶ。

その秘密が畑の中を通るローカル線の列車である。1両か2両だけの、色彩もまちまちの、おもちゃのような列車が、ゆっくりとヒマワリ畑の中を通り抜けてゆく。
JR東日本烏山線。
宇都宮市宝積寺駅から那須烏山市烏山駅まで、8駅のみの地方交通線である。動力は、蓄電池駆動またはジーゼルエンジンである。
小塙駅下車で現場まで徒歩10分余り。

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1. 到着時は曇り。花はあちこちを向いているのかと思ったが…。

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2. すぐにお日様が出て来て、前へ倣い?
花茎が高く、撮るのに一苦労だ。


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3. カメラマンたちが展望台に向かってぞろぞろ歩きだしたので、後についていった。
全貌(でもないが)を見てちょっとがっかりぎみだった。


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4. 畑の向こう側に単線のレールが走っている。

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5. 花たちが一斉に私に向かって最敬礼をしている。はて、この花たちは私が誰か知っているのだろうか。その謎は簡単。私が太陽を背にしていただけである。

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6. ほどなく、電動列車がやって来た。2両だけの赤い電車だ。客の入り具合は見分けられなかった。

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7. ヒマワリの黄色と電車の赤色はマッチングがイマイチだったが、会社の思惑もあるのだろう。贅沢は言えない。

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8. 。これだけでヒマワリ畑の約7割を撮っている。地主さんの都合もあるのだろうし、カメラマンのための畑ではない。なあに、これで満足、満足。
最初の展望台とは、カメラアングルが90度ほどずれているが、花たちはしっかりと私の方を見ている

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9. どこまで歩いても花たちは私の後を追いかけてくる。
君たち、私ばかりを追いまわしてくれては、照れちゃうじゃないか…。


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10. また畑脇へ移動して、美人たちに大接近。こんなぜいたくをしても、誰からも抗議の声は出てこない。

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11. nikkinの背が低いため、背景の撮れ方がイマイチである。ご寛容を。

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12. 固定焦点、絞り2,6で撮ってみた。後方の美人たちからブーイングが上がった。

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13. それでもこのほうがメリハリが効く?ので、 もう1枚だけ撮らせてもらった。

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14. 美人軍団の後方に回ってみたが、この時ばかりは、美人たちの誰一人も私の方を向くことはなかった。花たちは、後姿にも自信があったのだろう。
遠くのヒマワリと近くのヒマワリとでは、少しだけ赤い色調に差があった。









 


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