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アズマヒキガエルの悲劇 [自然は冷酷]

奥日光にはアズマヒキガエルという大きなカエルが棲む。
戦場ヶ原の一部と光徳沼では、ゴールデンウイークの頃に「ガマ合戦」と呼ばれるイベント?が執り行われる。雄と雌とが多数集まって産卵と受精とが行われるのであるが、カップルを作るにあたって雄同士が肉弾戦を演じ、勝ち残った雄だけが雌を獲得する。
この様子を見学しようと、日光自然博物館がツアーを組むのだが、タイミングが合わず、なかなか目撃するのは難しいと言われている。

私は2年前、少しタイミングのずれはあったが、たまたま街外れの田んぼと光徳沼の両方で目撃できたのだが、今年は思わぬ悲劇に出会って、そのことをぜひ皆さんにお伝えしたいと思った次第である。

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1. 光徳沼の近くの橋の欄干に乗る模型。いくらなんでもこんなに大きくはない。

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2. 欄干の下にもこんな模様がある。このほうが実物大に近い。
筑波山のガマは、鏡を見て己の姿の醜さに、タラーリタラリと脂汗。
全身のいぼいぼの醜さから嫌われることが多いが、意外に人懐っこく、庭に住みつくと愛着を覚えたりするという。

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3. 雪の積もったヒキガエルの模型。こんな冬眠ならぜひ見たいものだ。

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4. 26年5月4日、近くの、田植え前の田んぼの中で大きなカエルが集まって騒がしく争っていた。今にして思えばこれがガマ合戦だったのである。

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5. 生まれた場所に戻って卵を産むといわれているので、毎年この田んぼの中でガマ合戦が行われているはずである。

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6. 2日後の5月6日、光徳沼で産卵したばかりの卵の側に親ヒキガエルがいた。
他種のカエルは、近づく足音だけで逃げるが、このヒキガエルは逃げる気配も無い。
卵は蛇のように長くつながっている。

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7. 少し離れた場所ではカップルが卵を産む最中だった。雄が黄褐色で雌が茶褐色になっている。生まれたばかりの卵が散在している。
田んぼの中の産卵も奥日光での産卵も、ほとんど日を違えずに行われるとは意外だった。

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8. 1匹のメスが数万個の卵を産むという。上方の2カップルは、自分が生んだ卵の中に埋もれそうだ。そして散乱中は動かない。

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9. 1か月弱経過した5月31日、おびただしい数の真っ黒いオタマジャクシが光徳沼を埋め尽くしていた。

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10. 驚いたことに通常のカエルのオタマジャクシよりも小ぶりだった。小さく産んで大きく育てる作戦か。数万個の卵を1匹のメスが腹の中に保持しているのだから、卵の大きさは極端に小さいのだろう。

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11. 今年の4月29日、光徳沼は再びガマの卵があふれていた。

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12. ここに見える卵核の数だけでも1万個はありそうだ。

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13. どういう理由か、一部の卵が沼の草の上を横走していた。親の気が動転する事件が起こったのか。このままでは乾燥して死んでしまうのではないか。天然の摂理に任せるのが正解なのだろうか。

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14. ふと気付くと傍らにガマの死骸があった。何者かに食い散らされていた。そばに生んだばかりの卵が散乱していた。産卵中に捕食されたのだろうか。
柔らかいおなかの皮膚と内臓だけが食われて、いぼだらけでかたい背中の皮膚は食い残されていた。贅沢な捕食者だ。
ちょっと不思議なのは、卵はおいしくないのだろうか。柔らかく、栄養も満点だろうに…。あるいは、天の配剤で卵はおいしくないのかもしれない。もし卵がおいしかったら、捕食者は卵を全部食べつくしてしまうかもしれないではないか。

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15. 似たような死骸が近辺に20匹以上あった。
しかも死骸が干からびてはおらず、つい昨日今日襲われた様子だ。
あまりの生々しさに、朝からの気分の良さが吹っ飛んでしまった。

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16. ここでは内臓も残している。捕食者は、人間が寄って来たので逃げたのだろうか。哀れなカエル!人懐っこいヒキガエルが、捕食者から逃げる習慣を持っていなかったと思われる。

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17. ここでも卵と一緒に運ばれてきて食べ散らかされたらしい。せめて卵をうみ終わるまで待ってあげられなかったのだろうか。(そらそうだろうよ、nikkinくん)

ここでは内臓が残されて背中の皮膚が消え去っている。捕食者は、あわてて大きいほうの食い残しを持って逃げたのだろうか。

現地の人に聞いて見ると、カラスではないかと言う。
動きののろまなヒキガエルは、カラスの格好の餌食となるらしい。
私が2年前に目撃したヒキガエルの産卵場所には、カラスはまったく居なかった。
そもそも奥日光ではカラスを見ることがほとんどない。
たまたま集団のカラスに見つかった、今回の母親たちは運が悪かっただけなのかもしれない。

それにしても食物連鎖の厳しい現実を見せられたものだ。
願わくは、神のご庇護がヒキガエル全体の未来を照らしますように。
神のご
庇護のもとに、ヒキガエルが俊敏さを獲得できますように。


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