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雪の連山と桜 [花風景]

各地からサクラ開花または満開の知らせが届いている。
ここ日光でも遅ればせながらサクラが満開である。

ナ、何っ! 日光でサクラが満開! 俺のところでも開花したばかりなのに!
宇都宮市の兄貴分たちが驚いていることだろう。

3日遅れのエイプリルフールではないが、ここで満開なのは河津桜だ。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-2b.jpg
1. 今年の連山は雪の日が多かったので、春山としては残雪が多い。
空にはタカが1羽悠々と飛んでいる。奥日光はタカが多い。
近景として暗赤色の木々が多数見える。これがサクラだ、といっても「嘘だ」と思う人が多いのかもしれない。河津桜の花は、少し離れるとこんな色に撮れてしまうのがちょっと残念である。


29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-5b.jpg
2. サクラというものは、遠くから見ても近くから見ても、何の疑問もなくサクラだ、といいきれるものがいい。河津ザクラはこの点において、大きなマイナス点を頂いてしまう。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-6b.jpg
3. 左の木のように、近くから見ると何の問題もないサクラなのだが、惜しい花である。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-7b.jpg
4. 連山は「我関せず」とばかり悠々と日光浴を続けている。nikkinのような燕雀カメラマンの嘆きを一顧だにしない。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ2-3b.jpg
5. さらに、この正面に見える白い壁。この壁が構図に入ってきて邪魔をする。
真正面に位置するのだからまさに処置なしである。
今市ロータリークラブが寄進、管理する(?)桜園であるが、カメラマンから見れば、設計段階で何とかしてくれるべきだった問題ではある。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ2-7b.jpg
6. この雪の量だから、2週間後に迫ったソメイヨシノの満開時にも、連山はサクラを引き立てる名脇役を演じてくれるだろう。楽しみである。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ3-1b.jpg
7. この枯れ草の荒野も手抜き管理とそしられてもいいわけが利かない。ファインダーに夢中になっていると躓いて転ぶこともある。サクラの園は、見物客あってのサクラの園なのだから、観客側に立った配慮も欠かしてほしくない。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ3-5b.jpg
8. それにしても雪の連山は見事である。河津サクラが写真ではこんな色に撮れる、という知識を持った人が計画に参加していたのだろうか。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ3-6b.jpg
9. 中央正面の白い壁を避けるために、カメラを左に寄せたり右に寄せたり…。
そのせいで男体山が居心地悪そうに見える。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ4-2b.jpg
10. 男体山を単独で撮るならば、こんな撮り方もあるが、またも他の白壁が邪魔をする。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ4-3b.jpg
11. 女峯山を撮ってもお邪魔虫が顔を出す。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ4-6b.jpg
12. このサクラ園には、不満の種が多すぎて困るのである。それとも、贅沢な不満というべきなのだろうか。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ6-1b.jpg
13. 雪の男体山と特急電車とサクラ。
不満を並べているうちに、男体山付近が曇ってきてしまった。
それ見たことか、と言われそうだ。
「知足」、足るを知ることも必要である。もっと修行を積もう。


雪の中の赤色 [花風景]

今回の大雪は、各地で色んな被害を演出してしまったようだが、一カメラマンとしては、楽しいシャッターチャンスを与えてくれた恩人である。
大雪の被害者の方たちは、私のはしゃぎぶりを快く思ってくれないのかもしれないが、物事には常に裏と表の2面がある。一方のみを見て他方を忌み嫌うのは、ある意味で不幸なことと言えなくもない。心癒される風景に安らぎを覚える人々も多いかもしれない。

29,1,14 サザンカに雪1-3b.jpg
1. 一番目立つのは、なんといってもサザンカである。もうすぐ赤色が見えなくなりそうな雰囲気であるが、最後の踏ん張り声が聞こえてきそうな気さえする。

29,1,14 サザンカに雪1-5b.jpg
2. その直後に撮ったこの花は、あまり雪の当らない位置で咲いていた。
どちらもそれなりに癒しの風景であり、優劣はつけがたい。

29,1,14 ナンテンに雪1-3b.jpg
3. これはナンテンの葉に降った雪。パウダースノウなので、風が来るたびに少しずつこぼれ落ちていた。

29,1,14 雪とtongarasi1-5b.jpg
4. これはニッコウトウガラシ。葉はすべて落ちてしまい、収穫されない実だけがけなげに頑張っていた。雪の洗礼を受けると辛味に風格が出るのかもしれない。

29,1,14 雪とtongarasi1-6b.jpg
5. 収穫されないまま落ちてしまった実たち。
かわいそうな彼らも、雪のおかげでブログに登場させてもらったことになる。頑張った甲斐があったね。良かったね。

29,1,14 雪とホトケノザ1-1'b.jpg
6. またまたホトケノザである。前回は霜の銀衣装画像で、今回は雪による銀衣装。
似たようなものではあるが、霜は花を覆い隠すことはしないが、雪は遠慮なく全員を閉じ込めて、しまう。そうなる前の貴重な晴れ姿を撮ってあげられた。

29,1,14 雪とホトケノザ1-4b.jpg
7. 妖精ちゃん4人。なにやら覆い隠されることを楽しんで待っているようにさえ見える。好奇心旺盛な、怖いもの知らずのかわい子ちゃんだ。

29,1,14 雪とホトケノザ1-6b.jpg
8. 注意してさがせば、妖精ちゃんは意外に多く居る。もうすぐ隠されてしまうと思うと、ついつい哀れさを覚えてしまうのは、nikkinの甘さの証拠だろうか。

29,1,14 雪とホトケノザ2-3b.jpg
9. おっ、また出会ったね、オオイヌノフグリ君。
なに、こんなことになるのが怖くて、早く咲かないようにしていたのに、だって?
なあに、人生いろいろありだよ。たくさん経験しておいた方が、将来役に立つんだよ。

29,1,14 雪とホトケノザ2-4b.jpg
10. これは別な妖精3人組。けさはどうしてこんなに妖精ちゃんが多いのだろう。
なに、それはnikkinさんが開眼したからでしょう、だって。嬉しいことを言ってくれるねえ。

29,1,14 雪とホトケノザ3-2b.jpg
11. だんだん雪が増えて来た。もうすぐお別れだね。
でも、またすぐに会えるから、雪の下でも元気を出して待っていてね。

29,1,14 雪とホトケノザ1-8b.jpg
12. みんなも、左下のオオイヌノフグリの蕾君も、頑張るんだよ。雪なんてちっとも怖くないからね。雪が解けた後には、暖かく気持ちよい、最高の春が来るからね。

カメラに降りかかる雪が怖くて、早々に逃げ帰るnikkinであった。




早春の草花銀衣装 お正月のおまけ [花風景]

ここ数日、日の出の時刻には霜が降りる気候となった。
気象台からは「乾燥注意報」なるものが発令され、恨めしい限りではあった。
どんなに気温が下がっても、湿度が低くては霜が見られなくなる時もあるのである。

それでもありがたいことに、地面に近い場所では立派な霜が草や花に銀衣装をプレゼントしてくれた。

29,1,7 早春の草花 銀衣装 1-6b.jpg
1. 朝の柔らかい陽をあびて、赤、黄、緑の雑草が輝きを増す。
粉砂糖をたっぷりふりかけたような、おいしそうな外観である。
紅葉期ではないが、春の雑草にはこんなにも華やいだ色の葉をもつ草がたくさんある。

29,1,7 早春の草花銀衣装1-5b.jpg
2. まるでスイーツを箱詰めにしたような込み具合だ。
シャッターを押すことに夢中になって、1個つまんでみることを忘れていた。

29,1,7 早春の草花銀衣装1-3b.jpg
3. 草影の、風の当らないところに、オオイヌノフグリと思しき花が咲いていた。
上手に、砂糖まぶしの惨状を避けていた。
砂糖まぶしのオオイヌノフグリを見つけてやろうとあちこち探して歩いたが、他にはこの花を見かけなかった。

29,1,7 早春の草花銀衣装1-4b.jpg
4. これはナズナ(ペンペングサ)の花である。こわごわと花を開いたところ。
周りの砂糖まぶしの草たちを見つけて、喜んだのか怖かったのか…。

29,1,7 ホトケノザ 銀衣装 1-9b.jpg
5. これは早春の女王様、ホトケノザである。白いビロードの襟から、寒そうに細く長い首を伸ばしている。そのデリケートな首に巻きつけてあげられるマフラー代理を探したが、残念ながら見つからなかった。

29,1,7ホトケノザ銀衣装1-3b.jpg
6. シソ科の愛らしい花であるが、小さな蕾の神秘的な赤色が印象的である。
この時間帯の盛装を、多くの人たちに見てもらいたかったに違いないが、残念ながらたったひとりのカメラマンしか、この美しい一瞬を見届けられなかった。

29,1,7ホトケノザ銀衣装1-4b.jpg
7. 不思議なことにこの花の銀衣装は、花の近くのギャザの入った葉で一段と
白く輝く。赤と白との対比がとても鮮やかである。

29,1,7ホトケノザ銀衣装1-7b.jpg
8
. これはまた、なんという愛らしさ。流氷下のクリオネにも負けない。
小さな妖精が二人並んで、「nikkinさん、お早うございます。いつも朝早くから頑張っているお姿を見ていますよ。そのうちに、きっといいことがありますからね」
ワオーッ! 嬉しい。妖精ちゃんが挨拶してくれたー。

29,1,7ホトケノザ銀衣装1-8b.jpg
9. ここでは、花ももちろんだが、右上の赤い葉っぱもなかなかである。引き立て役を引き受けてくれてありがとうね。


29,1,7ホトケノザ銀衣装2-2b.jpg
10. 仲良し二人組を撮った。こんなに早春なのに、もうしぼんでしまった花が付いているね。昨年暮れにはもう咲いていた個体もあったし、これからもどんどん咲いて、どんどんしぼんでゆくんだね。サクラの咲くころまで咲き続けるのだから、大変な努力だよね。頑張って頂戴ね。


29,1,7ホトケノザ銀衣装2-1b.jpg
11. これは群生しているホトケノザ。あまり分かりやすく撮った画像はないのだが、葉が数枚輪状に着く構造が数段あり、仏様の飾り段のように見えるのでこの名前が付いた。
春の七草に「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ…」とあるが、この花とは異なる草である。時代とともに名前も変化するのである。

早春の美しい花に、同じくシソ科のヒメオドリコソウがあり、1個の筒状花だけを見ると、ほぼそっくりの花であるが、咲き方が異なっている。ヒメオドリコソウは、フクジュソウのような茎から、花が多数同時に咲いて花序のように見える。
この2種のシソ科の花は、時を同じくして咲き、群生地も隣り合う仲の良さを見せるが、花期の開始はホトケノザが1~2カ月先である。

さて、「お正月特別プレミアム画像」
今朝(1月10日)起きてみたら、雪を被った連山の美しさが今季一番だった。
読者の皆様にともに鑑賞していただきたい。

29,1,10 連山雪 今季一番 1-1b.jpg
12.  通常、日光連山の雪は樹木に降っても枝に留まれずに地面に落ちる。したがって遠くから見て、山の中腹まで白くなることはほとんどない。
これには例外がある。昨夜のように雨交じりの雪が降った時は、雪が枝に留まる確率が高くなるので、遠目には、山の中腹まで白く見える。したがって今季一番となったのである。
もうひとつの例外は3月、4月の雪であるこの時期は、厳寒期のパウダースノウと違って、水気の多い雪となるので、やはり枝に留まる率がたかくなる。今年も桜が近くなるころには、真っ白な連山を楽しめることだろう。

もうひとつのおまけ。それはわが賃貸マンションの隣家の紅梅が開花したのである。
この開花は、私は関東地域で一番早いのではないかと思っている。
その理由は、新聞やテレビが、鎌倉などの開花一番を報じる時、この木の開花はすでに1~2週間経っているからである。

29,1,10 紅梅開花 1-1b.jpg
13. 今朝の画像である。もちろんまだ開いた花の数はとても少ない。しかし、木全体では10個を軽く上回る。
わが住まいのとなりの紅梅の、関東一番の笑顔を、ぜひ堪能していただきたい。



オオハンゴンソウとヒヨドリバナ、アサギマダラ [花風景]

オオハンゴンソウは外来種の花ではあるが、黄色い花序が大きくて美しく、集団で咲くときは圧倒的な存在感を示す。
しかし、外来種であることと生命力が強いことから、奥日光では嫌われ者の代表者である。毎年夏の初めに、オオハンゴンソウ駆除の集まりが開かれる。
たしかに、シロヨメナなど、奥日光古来の控え目な花の中に、原色の派手な花が混ざっていると、違和感がある。駆除運動の意義がよく理解できる。

1か所だけ、オオハンゴンソウがわが物顔で繁殖している場所がある。閉鎖してしまった日光プリンスホテルのスキー場跡地である。
いろいろと事情があるらしいが、ここにだけでも毎年美しい景観が見られるのは、カメラマンにとっては、かけがえのない嬉しいことである。


28,8,21 オオハンゴンソウ1-4b.jpg
1. ここがスキー場跡地である。以前はカメラマンの背丈ほども高く成長していたのだが、今は勢いが衰えて来ている。密度もずいぶん減じている。もしかしたら、枯草剤でも使われているのかもしれない。それでも、原色の花の美しさはしっかりと残っている。

28,8,21 オオハンゴンソウ1-8b.jpg
2. 手前の枯れ草の広がりは、ちょっと気になるところではある。

28,8,21 オオハンゴンソウ1-9b.jpg
3. オオハンゴンソウの背丈の異常は、やはりただ事とは思われない。

28,8,21 オオハンゴンソウ3-1b.jpg
4. これもおなじ。何かが始まっているのに違いない。

オオハンゴンソウ2.jpg
a: ここで8年前のブログから同じ場所の画像をtrack backしてお見せしよう。
この密度・密集、そして背丈(は見えにくいか)。

http://blog.so-net.ne.jp/nikkodayori/2008-08-17

オオハンゴンソウ1.jpg
b: これが背丈を示す画像である。カメラマンが背伸びをして、三脚を精一杯伸ばして撮った画像だ。カメラがかろうじて花よりもわずかに高くなっっている。
http://blog.so-net.ne.jp/nikkodayori/2008-08-17

28,8,21 オオハンゴンソウ2-1b.jpg
5. 本来の記事に戻って続けよう。
オオハンゴンソウの群れの中に、ヒヨドリバナの密集部が紛れ込んでいる。


28,8,21 オオハンゴンソウ2-4b.jpg
6. 8年前の画像では、オオハンゴンソウの中に埋もれるようにしていたヒヨドリバナが、ここではオオハンゴンソウより威張っているように見える。

28,8,21 オオハンゴンソウ1-1b.jpg
7
. 時々混ざっているオオハンゴンソウの方が背が低い。

28,8,21 オオハンゴンソウ2-8b.jpg
8. そうだ、ヒヨドリバナは、北海道から、沖縄、時に台湾、香港まで渡り飛ぶアサギマダラが好んで蜜を吸う花だ。探してみよう。探し始めてすぐに見つかった。


28,8,21 オオハンゴンソウ2-9b.jpg
9. これは飛び立とうとした瞬間を捕えることができた。ラッキーだった。

28,8,21 アケボノソウ1-2b.jpg
10. さらに、このスキー場跡の一角に、アケボノソウが開花していた。
黒い斑点を、未明の空に輝く星に擬した花である。

28,8,21 アケボノソウ1-6b.jpg
11. リンドウ科センブリ属の花である。
珍しい花で、奥日光でも、そう簡単には拝めない。

オオハンゴンソウ。嫌われ者の花ではあるが、私は好きである。この美しさ、豪華さは他の追随を許さない一面もある。この場所に長く生き延びて、カメラマンたちを喜ばせてほしいものである。





















ノアザミ'16 [花風景]

今回は記念すべき1001回目の記事である。
1000回目の記事は、自分なりに満足はしていたが、読者諸氏はどう感じられたのだろう。
1001回目は、自信を持ってお勧めできる、まごう方なき1級品である。
ノアザミの記事は二桁近い回数載せていると思うが、今回が圧倒的に一番である。
私が日光に来て13年目、最高のノアザミである。

28,7,23 ノアザミ1-1b.jpg
1. 7月23日 05:13 まだ薄暗い湿原である。
小田代原は深い霧に覆われ、その下でノアザミたちが沈黙の整列を続けていた。
花序はしっとりと霧滴を宿し、花茎は無風の湿原で懸命に重たい頭を支えていた。


28,7,23 ノアザミ1-4b.jpg
2. 地平線の果てまで続く霧のヴェールは、紫の気品ある花たちを優しく包み、チャンス到来の折には、花たちとリズムに乗ってステップを踏まんとスタンバっていた。

28,7,23 ノアザミ3-6b.jpg
3. 霧のヴェールが厚く、お日様の登壇が遅れていた。
夜明けの気配が刻一刻と迫る中で、花たちは悠揚迫らぬ態度を見せていた。

28,7,23 ノアザミ4-1b.jpg
4. いくつかの霧滴が集合して雨滴のように垂れ下がる。
相変わらず聞こえてくるのはシャッターの音ばかり。

28,7,23 ノアザミ4-5b.jpg
5. 近くの花を撮ると霧が晴れたのかと勘違いしそうであるが、霧の状態はまったく変化なし。花序の花弁1本々々に、無数の霧滴がダイアモンドの輝きを放っている。

28,7,23 ノアザミ4-8b.jpg
6. 05:38 ふと気づいたら、霧のヴェールを透して朝の光が微笑みかけて居た。

28,7,23 ノアザミ4-9b.jpg
7. 逆光となるので、花たちの気品が減殺された気もするが、これはこれで美しい。

28,7,23 ノアザミ6-6b.jpg
8. 霧が濃くなるとお日様が遠慮する。
木々のシルエットが見せるグラデーションは、天然のアートとなっている。

28,7,23 ノアザミ6-7b.jpg
9. おっとりと佇むズミの木を取り囲むノアザミたち。植物語で朝の挨拶を交わしているのだろうか。

28,7,23 ノアザミ7-7b.jpg
10. 一気に時間が飛んで 10:01。霧は名残惜しそうに立ち去ってしまった。
夏色の湿原がこの10日ほどだけ、華やかな紫色に変わる。

28,7,23 ノアザミ7-8b.jpg
11. ノアザミの脱色素バージョン、白いノアザミが見える。
少数だから価値がある。これがたくさんあったら邪魔に思うかもしれない。

28,7,23 ノアザミ8-7b.jpg
12. 10:57 遠くに見えるのもノアザミの群生。
こんなにすごい、こんなに美しい、こんなにたくさんのノアザミをまとめて見せてもらって、良いのかしらん。

28,7,23 貴婦人とノアザミ1-6b.jpg
13. 06:28 時間を戻して貴婦人の登場を紹介しよう。
貴婦人周辺の霧が、まるでわれわれをからかうように、少しだけ薄くなったり、また濃くなったりを繰り返した。中央右奥の、背の高いシラカンバが貴婦人である。
手前のノアザミの群生が、逆光のせいで、シルエット気味となっている。

28,7,23 貴婦人とノアザミ2-2b.jpg
14. 06:33 赤みがかった貴婦人は、空に吸い込まれてしまいそうだ。

28,7,23 貴婦人とノアザミ2-4b.jpg
15. 06:36 かなりくっきりと見えて来た。ノアザミファンにとっては、逆光が恨めしい。

28,7,23 貴婦人とノアザミ2-7b.jpg
16. ここでまた時間が一気に飛んで、10:10。
逆光の時間帯が去ったので、こんなに美しい親衛隊とのコラボが撮れた。
貴婦人は細身の体ですらりと立ち、貫禄充分である。

28,7,23 貴婦人とノアザミ2-8b.jpg
17. 「もそっと近こう寄れ」との暖かいお言葉。
遠慮なくぐぐっと迫って撮らせていただいた。
平均寿命を2~30年越えておられるが、老いを全く感じさせない立ち姿である。

28,7,23 貴婦人とノアザミ3-2b.jpg
18. こんなにも貴婦人が映えるのも、ノアザミ軍団の功績が大きい。

28,7,23 貴婦人とノアザミ4-2b.jpg
19. ノアザミ軍団が、近くそして遠くからも、固い忠誠を誓っている。
とはいえ、固い忠誠を誓ったノアザミ軍団は、天命によって、あと1週間足らずで去らねばならないのである。

「すず風や万緑叢中紅満点」  nikkin


ネジバナ [花風景]

なんと、この記事が記念すべき1000記事目であることに、昨日(7月13日)気付いた。
すでに書き始めていた冒頭を、今書き換えているところである。
気付いたのは嬉しいが、1000記事目としては少々インパクトが弱い気がしている。
もう少し前に気付いていたならば、それにふさわしい被写体を探し求めて、苦労したはずである。この期に及んでは、仕方がないと腹をくくれるので、ややホッとしているが、寂しさは禁じえない。

大谷川(ダイヤガワ)河川敷では、2週間ほど前からネジバナの最盛期で、今は枯れかけた個体も散見される。
今年はネジバナの当たり年なのだろうか。少なくとも私がカメラに収めた5
期ほどの中では最高である。

ネジバナはラン科の花であり、根から花茎が増殖する。したがって自然の条件にあまり影響を受けないと考えられるが、今年のように個体数
が多い年でも、昨年たくさん咲いていた場所に今年も咲いているわけではない。かと思うと、全く同じ場所に同じポーズで生えている個体もある。何とも不思議な花ではある。

28,7,3ネジバナ1-2b.jpg
1.  2本並んで立つネジバナは同じ根から出ているので、兄弟ともいえる。兄弟姉妹はまるで一卵性の双子、三つ子のように、そっくりな顔・形をしている。
この個体同士は、ネジバナの捩じれ方まで同じ。「の」の字を描きながら上ってゆく。

28,7,3 逆まきネジバナb.jpg
2. ところがこの双子では、左の子は「の」の字を、右の子は「逆の」の字を描きながら上ってゆく。そっくりな顔、形をしていながら、あまのじゃくな行動を取る双子が結構多いのである。幼くして天の邪鬼だった私には、なんとなく微笑ましい。

28,7,3ネジバナ1-4b.jpg
3. これは5つ子だろうか。「の」の字と「逆の」の字とが入り混じっている。インターネット検索によると、左巻きと右巻きとはほぼ同数、とある。「の」の字は、右巻きだろうか、それとも左?

28,7,3ネジバナ1-5b.jpg
4. これは4つ子だ。左二人が「逆の」の字、右二人が「の」の字を描いている。
単なる草花でも、こんなことに注目して見ると、また別の楽しみが生まれてくる。

28,7,3ネジバナ1-8b.jpg
5. これは、手前の兄弟が5つ子?で奥の兄弟が三つ子だろうか。」「の」の字、「逆の」の字を観察するのも楽しいが、それぞれの兄弟同士が、鏡に映ったように似ていることが、また楽しい。人間の兄弟では、なかなかこうは行かない。

28,7,3ネジバナ3-2b.jpg
6. モンシロチョウが、カメラマンが発する真剣な「気」を感じ取って、殺気と勘違いしたのか、なかなか1か所にじっとしていてくれない。こんな遠くからチョウを狙う敵なぞ居ませんよ。ん…? 居るかもしれない。自然を甘く見てはいけない。

28,7,3ネジバナ4-7b.jpg
7. 白いネジバナ。突然変異による奇形であるが、植物の世界ではそれほど珍しいことではない。しかし、生命力はあまり強くないようだ。3日後にはもう消えていた。
それとも誰かが持ち帰ったか…?

28,7,3ネジバナ5-2b.jpg
8. このチョウは鈍感なのだろうか。腹が据わっているのだろうか。食事に夢中だったのだろうか。とにかくありがたかった。

28,7,3ネジバナ5-7b.jpg
9. ここはネジバナの群生地と言えそうだが、それでもこの程度。この倍くらいに増えなければ、観光客を呼び集める力はない。日光市はネジバナに肥料を散布すべきかもしれない。

28,7,7 ネジバナ1-2'b.jpg
10. 群生地を近くに配置して日光連山を撮る。カメラマンなら誰でもが憧れるgolden collaborationであるが、ネジバナが少々弱すぎる。ネジバナの密度を上げたい。 世の中、思い通りにならないことばかりである。

28,7,7 ネジバナ2-3b.jpg
11. これはネジバナを強調することができたので、なかなかいい画像である。

28,7,7 ネジバナ2-6b.jpg
12. このcollaborationは、1本のネジバナに大きな期待をかけすぎた。
ごめんよネジバナ君、君が悪いわけではないからね。

28,7,7 ネジバナ3-3b.jpg
13. 同じ花をこのように配置すると、結構サマになった。

28,7,7 ネジバナ3-9b.jpg
14. 地面上のネジバナとのコラボも、こういう配置なら悪くはない。

28,7,9 ネジバナ1-1b.jpg
15. 冒頭に記したように、ネジバナはラン科の花。接写で撮るとこんなに美しい。ピンク色の花弁と白い唇弁との調和がまぶしい。
この兄弟の花序は、ねじれが逆向きである。

28,7,9 ネジバナ1-4b.jpg
17. 撮影は粉糠雨の直後だったが、雨滴らしいものは撮れなかった。しかし、花序のみずみずしさは粉糠雨の恵みであろう。

28,7,9 ネジバナ1-8b.jpg
18. ここの草には水滴がたくさんついているが、雨滴ではない。
イネ科の植物は、根から吸い上げた水を葉から分泌する。いわば草の汗のようなものである。粉糠雨の直後の画像としてはぴったりなのだが…。

28,7,9 ネジバナ2-5b.jpg
19. このネジバナは変わっている。フリーの細長い花弁が大量に増えている。
全く異なった花にも見える。もしかして新種だろうか。

28,7,9 ネジバナ2-6b.jpg
20. 上方から撮ってみた。不思議なネジバナである。
ネットで調べたが、こんなネジバナは見つからなかった。
もしも新種だったら「ニッキン」と名付けようかな…。

28,7,9 ネジバナ3-3b.jpg
21. ほとんど捩じれない個体も多い。
3人兄弟の二人は、一応まじめに?螺旋を目指しているようだが、3人目は、「俺、そんなの知らね」とばかり、かなり投げやりな配列を示している。

28,7,9 逆まきネジバナb.jpg
22. これは親子と呼ぶべきかもしれない。親の足元から生えて来た子供は、親に逆らって、逆向きの捩じれを選んだようだ。
かなり早い反抗期である。

28,7,9 ネジバナ3-4b.jpg
23. この4つ子は、ねじれを意識しているのか居ないのか…。兄弟だからと言って、こんな投げやりなところまで似なくていいものを。

28,7,9 ネジバナ3-5b.jpg
24. ここは小さな群生地。双子、三つ子、四つ子などが集まっている。

28,7,9 ネジバナ3-6b.jpg
25. ネジバナの世界でも核家族が一般的であるのに、この子供の多さは何だろう。しかも、こんな狭い土地に。国の貧困化が、ネジバナの世界にまで影響したのだろうか。

ネジバナ、花言葉は「思慕」。なんとなく乙女の片思いを想像させる。

英語では ladies' tresses(貴婦人の髪) または pearl twist(真珠の螺旋)。ともに形態からの連想である。心の煩悶は見えてこない。

日本では、恋に身をよじる、耐え忍ぶ姿の連想が一般的なのだが、民族によってこれほども印象が異なるとは驚きである。
nikkinも日本人。この花の耐え忍ぶ姿がいとおしい。

もっとも、日本でこんな連想が定着したのは、百人一首の河原左大臣 源 融(みなもとのとおる)の歌「みちのくの忍ぶモジズリ誰ゆえに乱れそめにし吾ならなくに」から来ている。「モジズリ」は「よじれ模様の染色」と言う意味で、ネジバナの旧名でもある。

みちのくの信夫(しのぶ)地区の「もじずり」と呼ばれる草木染めの模様が、よじれたような乱れで有名になったことから、「しのぶもじずり」が「乱れる」の枕言葉になったと言われる。意味は「貴女のことを思うと、みちのくのもじずり染めのように、私の心は乱れに乱れる。こんなになったのは誰のせいですか。私ではありませんよ」である。

なお蛇足ではあるが、いくつかのネットサイトでの解説で、「吾ならなくに」を「吾なら泣くに」と記しているが、これはとんだ間違いである。「私なら泣くのに」では歌の意味が通じない。「私のせいではないのに」という意味である。


「身をよじり耐えて忍ぶや道半ば」  nikkin







 


クリンソウ'16 [花風景]

戦場ヶ原の一隅にひっそりと群生するクリンソウ。
その管理を無報酬でコツコツと続ける伊藤誠氏。毎年この時期だけ輝いて見えるが、氏は1年中孤独に耐えながらこの珍しい花を守っているのだ。

この場所はもともとイギリス人商人ハンスハンター氏所有の別荘あとであった。
氏は、明治18年(1884年)、父E.H.ハンター、母平野愛子の二男として神戸で生まれた。名前が範多範三郎。次男なのに三郎とは、姉が一人いたからだろうか。
ローマ字でHanta Hansaburoと書き、イギリスネームをハンス・ハンターとした。

7歳で英国へ留学、19歳から王立冶金大学を経て日本に戻り金山や錫鉱山を経営し、巨万の富を築き上げた。

中禅寺湖を熱愛したハンスは、周辺に別荘を数棟建てた。その一つが千手ヶ浜のクリンソウ群生地にあった。
ハンスの建てた家屋に、伊藤誠氏が居住してクリンソウを守って来たが、その家屋は3~4年前に全焼し、今はプレハブの家屋が再建されている。

千手ヶ浜に群生するクリンソウは、戦場ヶ原に散在するニホンクリンソウとは少々異なる。ニホンクリンソウは地味な赤色一色であるが、千手ヶ浜の花は赤、白、ピンク、紫などがさまざまに配合されて、実に華やかである。即ち、ここに群生するのはセイヨウクリンソウなのだ。ハンスがイギリスから取り寄せたと思われるが、それに関する詳しい資料は見つけられなかった。

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1. 花に重点を置くとこのような画像となるが、今回は、カメラを引いて、クリンソウの育った森林環境に重点を置いて見たい。

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2. 画像1.のカメラを引いて見た。
この部位はやや明るい環境であるが、大部分は以後の画像のように鬱蒼として不気味な雰囲気である。ヘンゼルとグレーテルと魔法使いのおばあさんが飛びだして来そうな森である。

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3.ここからの3枚は、特に背景が暗く、不気味さを演出している。

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4. 花が美しいだけに背後の暗さが印象的である。

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5. ここでは花に加えて倒木のオブジェが暗い背景の前で魔界の不気味さを演出している。

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6. 上掲の3枚とも、この画面の奥に位置している。左端は中禅寺湖。
ハルニレ、クヌギ、ミズナラ、コナラ、シウリサクラ、オオヤマザクラ、ズミ、サワグルミ、キハダなど、
樹齢100年を超す大木が立ち並んでいる。

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7. この左奥に、倒木のオブジェ群が位置する。

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8. クリンソウの群生が、天然の森によっていくつかに分割されている。

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9. 今年の花の密度は例年になく粗い。ツツジ類が数十年に一度の花盛りだったことを考えると、花による盛衰の差には目を見張るばかりである。

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10. 遠くの中禅寺湖を背景に入れると、森の薄暗さが強調される。

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11. さらにカメラを引くと、ここは画像2.で撮った奥のあたりである。

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12. 伝統の家屋全焼を受けて再建された伊藤氏の家。冬場に備えて薪が大量に積み上げられている。

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14. バス停付近のクリンソウは、地味な赤1色のニホンクリンソウである。
一時鹿に食い荒らされて絶滅しかけたが、今年はとても多く見かけた。シカよけの柵がないのに…。
だがしかし、今年のセイヨウクリンソウは不作なのである…。

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14. この群生地のすぐわきに、ズミの花が満開状態だった。
戦場ヶ原のズミは、5月末の寒気でほぼ全滅だったが、この地ではそれほど厳しくなかったのかもしれない。

クリンソウ、ワタスゲ、ズミの3者は、赤系のクリンソウと純白の2者に分かれ、6月初めに競い合うのだが、今年は3者すべてがイマイチの結果となってしまった。
さて、来年はどんな競い合いを見せてくれるのか、今から楽しみである。






 


サツキと玉露 [花風景]

朝霧がクモの巣に結露する、その美を玉露と呼びたい。上等の煎茶のことではない。
サツキの花に巣を張るクモの糸はナノ単位の細さで
、カメラで捕えられないことが多い。
ミクロの直径の玉露がサツキの花の内外で浮遊している、
究極の夢の美の世界だ。

サツキの花冠の中に多数の玉露を入れたり、玉露?
の中にサツキを取り込んだり、あるいはサツキを玉露で覆い隠したりして遊ぶ。まさに王様の遊びである。

例年この時期はこんな遊びを楽しむのだが、今年は花が咲き始めても乾燥注意報が続いて朝霧が出来そうもなかった。

諦めかけた時に梅雨前線が近づいてきて、きわどく間に合った。
しかし今年は、朝霧だけでなく粉糠雨も一緒に付き合ってくれたので、玉露のサイズがバラエティーに富み、面白かった…。

とはいうものの、粉糠雨の滴は大きすぎるきらいがあり、形状も真の球形から崩れる傾向が強い。しかし、贅沢を言っている場合ではない。まさに千載一遇のチャンスをしっかりとモノにした。

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1. 花の杯の入り口近く、一番手前に位置して大きな顔をしているのが、粉糠雨の滴である。ややいびつな形状である。
玉露はその奥、花の芯まで限りなく続く。クモの糸らしきものは、心眼を働かせないと見えない。

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2. 花冠と
花冠の間を狙って撮った。大きな滴にも、ちいさな玉露にも赤い花が閉じ込められている。

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3. 花の杯の中、マクロの滴からミクロの玉露まで、まるで水中に浮かぶ宝石のようだ。
背景が暗くなるに従って、神秘性が増す。

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4. 葉の多い空間ではエメラルドが浮かんでいる。ストロボを焚いているが、赤みの弱い玉露は、やはり美しさに欠ける。

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5. 花と花との間、ストロボの届かない闇の中にもミクロの玉露が、「輝きたい輝きたい」と光を待っている。赤色を反映しない玉露は、寂しい思いをせねばならない。

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6. 遠慮を知らない粉糠雨のいびつな滴が大きな顔をしすぎだ。所詮はミクロの玉露の引き立て役に過ぎないことを自覚していない。

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7. クモの巣の支配領域がよくわかる。
赤と緑が適度に配分されていると、心地よさが違うようだ。

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8. なぜかここでは粉糠雨のいびつな滴が、所詮は美しい玉露の引き立て役にすぎない滴が、暴力で難癖をつけている。まるで、東南アジアの諸島地域を埋め立てて自国領だと主張しているどこかの大国のようだ。

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9. 秩序よく整列していれば、それなりに美しいのだが、覇権主義を振りまわしては、周辺からそっぽを向かれよう。

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10. この大口は、内部に玉露を宿していない。
そのわけは、クモの巣が掛けられた時点では、この花はまだ蕾だった。あっという間に蕾が開いたので、虫が多く集まる花芯の部に、まだ巣が掛けられて居ないのである。

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11. ここからは、カメラを少し引いて、クモの巣越しの花々を撮った画像である。
霧の向こう側の趣があり、楽しくなる。名も知らぬつる草が紛れ込んでいるが、邪魔な雰囲気はない。

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12. 控え目なサツキの花々が、自分の役割を心得ているというか、でしゃばらないというか、奥ゆかしさを醸し出している。

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13. 絹の御簾の陰で粉糠雨をやり過ごしているかのような、平安朝時代の女官たちにも似ている。

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14. 絹の布を被せられたからには、まるで催眠術をかけられたかのように、そこから出ようとあがいたりはしない。

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15. 外側から「大丈夫?」と声をかけるイネ科の草の実。{大丈夫。心配掛けてごめんなさい」と、周辺がいらいらしてしまうほどの従順さである。

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16. 最後に、垂れ下がった滴の中に封じ込めたサツキの花をご覧あれ。
大きなバラの花のように見えるが、多数のサツキの花の集合である。下側に位置した白い部分は空。上下逆転して映っている。

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17. 花と花の間に葉が見える場所では、忠実にその通りに映っている。ただ、背景の輪郭をはっきりと出すと、滴の中の花が目立たなくなるので、絞りを開いて背景をぼかしている。

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18. つる草の背面に横たわる、平たい滴の中にも花が閉じ込められている。さぞ窮屈なことだろう。中央の滴のように、大きく垂れさがっていると、中の花たちもゆったりとポーズを取れるから、見た目にも美しい。

花冠の中にこれほどの密度でクモの巣が張られることを、サツキ以外の花では見たことがない。しかも、開いた直後から巣張り工事が始まる。サツキの芳香が虫にとってどれほど魅力的か、を物語っている。

「ふところに玉露を満たすサツキかな」 nikkin


シロヤシオ [花風景]

シロヤシオ、別名ゴヨウツツジ(5葉ツツジ)。愛子さまのシンボル花でもある。

これまで、シロヤシオだけの記事を書いたことはなかった。
その理由は簡単。これまで、本当に美しいシロヤシオの画像を10枚前後そろえることができなかったからである。
と言うのも、シロヤシオは奥日光の花というよりも、むしろ栃木県北部の花であり、奥日光通いではちらほらとしかお目にかかれないのである。

今回は2週連続で八方が原とマウントジーンズに出かけて撮ったのだが、ともに絶頂期は外してしまった。花期の短い花であり、週末カメラマンのnikkinにはなかなか厳しい条件が重なるのである。

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1. これは5月14日、奥日光で撮ったシロヤシオ。
愛子さまのシンボル花だけあって、気品にあふれている。
ヤシオツツジは、赤、白、紫とあるがすべて葉が5枚集合して出る。
5葉ツツジの名前の由来であるが、シロヤシオだけがなぜかゴヨウツツジと呼ばれる。

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2. アカヤシオは緑が全くないころに開花し、山肌に赤いじゅうたんを敷く手品を見せるが、シロヤシオは、自身も葉っぱの中に開花し、周辺も緑にあふれる時期に咲く。

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3. 通常は花の一番上位の花弁のみに緑色の斑点が10数個見られるが、この株では、3枚の
花弁に、数10個の斑点が行儀よく整列している。

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4. ヤシオツツジでも、すべての株でこのような斑点が見られるわけではない。
また、トウゴクミツバツツジでも、上位1枚の
花弁に斑点が見られることがある。

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5. 気品と清らかさにあふれるこの花が、ほとんど下を向いたままなのが、とても微笑ましく感じられる。

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6. これは5月14日、八方が原大間々のハイキングコース内で撮ったシロヤシオである。やや早すぎたのであるが、シロヤシオの木の多さは認めていただけよう。

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7. この時期に咲く白い花は、まず間違いなくシロヤシオと心得てよい。

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8. 時折トウゴクミツバツツジの赤紫色が、色を添えてくれる。

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9. シロヤシオの木がダントツに多い。

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10. こんな大木も時々みかける。さしずめ大間々の王子様、といったところだろうか。

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11. 1週間遅く来れば景色は大違いだったのだろうが、他にも行きたい場所があったので…。

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12. 画像8.とほとんど同じ構図になってしまった。

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13. これは5月21日マウントジーンズのシロヤシオである。樹齢300年の大木があちこちにあるという。遠景は茶臼岳である。

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14. ゆるい下り坂にほぼ満開のシロヤシオが数10本開花している。

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15. シロヤシオのトンネルと言うよりも、大天井と言うべきか。手を差し伸べると届く高さに垂れている。
中央の大木で分かるように、シロヤシオの幹肌はアカマツのそれ似ている。そのためシロヤシオの別名は「マツハダ」である。

28,5,21マウントジーンズのシロヤシオ3-4b.jpg
16. 大天井を過ぎると、急にさびしくなり、1週間先にまた来たいな、と思わせる状態だった。
マウントジーンズには、シロヤシオを見せるためのケーブルカーがある。
おそらく、栃木県で1,2を争うシロヤシオのメッカであるが、タイミングが合わず、残念なことであった。








ムラサキツメクサ [花風景]

大谷川河川敷は今ムラサキツメクサが咲き誇っている。

ムラサキツメクサ、紫詰草、
アカツメクサ、アカクローバー
ヨーロッパ、西アジア原産。マメ科の多年草。
厳然たる渡来植物で、明治初期に牧草用として、シロツメクサとともに多量輸入された。

最初の渡来は江戸時代。オランダからガラス器具など壊れやすいものを輸入したとき、破損防止のために、乾燥したシロツメクサが隙間を埋める材料として使われたと言う。詰草の語源である。そろそろ改名してあげないとかわいそうかも…。

デンマークの国花であり、アメリカバーモント州の州花でもある。

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1. 夜空の打ち上げ花火にも似て、しかし、消えることはない。
出たばかりの朝日の光をむさぼっている。

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2. 群れて咲くが、重なりあったり光を争ったりはしない。
色にふさわしい奥ゆかしさを持っている。

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3. もっとも混み合っていてもこの程度である。

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4. 筒状の花が放射状に配列し、全体としてきれいな球形となる。

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5. イネ科の草と草の汗の中で、争うことなくお日様を浴びている。

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6. 独特の模様の葉っぱが、花序の台座となっている。美しい…。

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7. 背丈はまちまちである。高いものでは50cmくらいにもなる。

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8. これは珍しい。白いムラサキツメクサである。シロバナアカツメクサと言ったりもする。
長すぎることを嫌ってか、シロバナムラサキツメクサとは言わないようである。

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9. 1か所にかたまって咲いていた。私個人は、この色のアカツメクサは初めてである。

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10. これはおなじみシロツメクサ。四葉のクローバーを探したりもする。

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11. 朝露の中の逆光写真はちょっと神秘的である。

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12. 奥に本来のムラサキツメクサが咲いている。
何しろ白いムラサキツメクサが珍しいので、このような写真はめったに撮れない。

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13. これも朝露の中の逆光写真。すべて分け隔てなく、平等に撮ってあげないと、へそを曲げたりされると困るのである。

28,5,18ムラサキツメクサ4-3b.jpg
14. 白いのはフランスギク。フランスからの渡来花。渡来花同士が仲良くしている。

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15. このしっとりとした気品の高い渡来花。しかも雑草扱いされている。
この花の1ファンとして、こんな記事に仕上げて見た次第である。



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