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今市月山のアカヤシオ [花風景]

5年ほど今市月山のアカヤシオを訪れていなかった。
なぜだろう。自分でもよくわからない。
明智平と花見台のアカヤシオに魅せられて、今市月山を忘れかけていたような気がする。

今年は、曜日と満開時期との関係で、明智平と花見台のアカヤシオを撮ることは不可能に近いと分かったので、急きょ月山へ行ってみたのである。
今年はアカヤシオの開花が遅れており、GW中には間に合わないだろうと、悲観的予想を持って出かけたのだが…。

29,5,5 月山のアカヤシオ1-1b.jpg
1. 今市月山のアカヤシオは見上げる位置の木が多い。20m以上の崖の上の、さらに10mを超える高さのツツジの木が肩で風を切って並んでいる。

29,5,5 月山のアカヤシオ1-5b.jpg
2. 見上げる位置のツツジは、青空を背景にしたピンク色が美しい。
しかし、このツツジの老木は、10年前に比べると、半分くらいに数が減っている。

29,5,5 月山のアカヤシオ1-9b.jpg
3. ヤシオツツジは土にうるさいツツジである。栃木県と群馬県以外ではほとんど花をつけない。デリケートといえば当たっているのだろうか。
福島原発事故の影響で、土の性質が変わってしまったのだろうか。花をつけない木が増えているのかもしれない。

29,5,5 月山のアカヤシオ2-2b.jpg
4. ツツジの老木特有の、枝の変形が面白い。崖からはみ出す方向に伸びたがるのも趣深い。

29,5,5 月山のアカヤシオ2-7b.jpg
5. 昨年のアカヤシオは数十年ぶりの当たり年。
今年はその反動もあって、
体に寂しい。

29,5,5 月山のアカヤシオ3-1b.jpg

6. この近辺はまだなかなかの賑わいを見せていた。


29,5,5 月山のアカヤシオ3-2b.jpg

7. アングルを少し上に向けた。一律にアカヤシオといっても、個々の赤さには沢山の種類がある。


29,5,5 月山のアカヤシオ3-3b.jpg

8. 幹の傾きがまちまちなのは、積雪によると思われる。細い枝が密生する木ほど、雪が重たく積もる。


29,5,5 月山のアカヤシオ3-8b.jpg

9. 画像9と10は、ほぼ同じアングルで、引き寄せたのと、遠ざけたものの差である。


29,5,5 月山のアカヤシオ4-2b.jpg

10. 

29,5,5 月山のアカヤシオ4-6b.jpg

11. 画像2の場所へ戻った。空を少し暗くしてツツジを引き立てようとしたのだが…。


29,5,5 月山のアカヤシオ4-9b.jpg

12. 一部をトリミングし、さらに背景を暗くした。少しは幻想的に見えるだろうか…。


29,5,5 月山のアカヤシオ5-4b.jpg

13. 約1km離れた地点から花木の密集具合を撮った。


29,5,5 月山のアカヤシオ5-5b.jpg

14. 同じ地点からアングルを変えて。
常緑樹を除けば緑がほとんどない地域に、ある朝ピンクのじゅうたんが敷き詰められる。なんともショッキングな景観である。

この時期にはサクラも開花しているが、なぜかアカヤシオの密生地にはサクラが咲かない。たまたま咲いていても色の見劣りが著しい。サクラが、比較されたくなくて逃げたわけでもないだろうが、サクラの開花がやや遅くなるのも、納得!?


ハナノキがんばる [花風景]

10年以上前、長野県上田市上田駅前街路樹の、不思議な花に出会った
かの地はソメイヨシノの開花直後で、人々の関心は100%そちらに偏っていた。
この不思議な花で埋まった駅前広場で、場違いな「桜まつり」が開かれていた。

過分に華やかといってもいいほどに、原色の赤一色の花が、緑色の葉のかけらも見えない枝からこぼれ落ちそうに咲いていた。
誰もこの花に関心を示していなかった。多分見あきてしまったのだろうと思った。
しかし、尋ねる人尋ねる人、誰も花の名前を知らなかった。たまに「ハナミズキ」と答える人が居た。違う! ハナミズキなら良く知っているが、これは違う!!
 
有名な老舗菓子店があったので、意図的にそこで買い物をして店員さんに質問した。誰も答えられず事務室に振られた。事務長からもゼロ解答が繰り返された。
こんなにも珍しく、こんなにも華やかな花を、店の、いや上田駅のまん前にある看板街路樹の名前を、誰も知らないし、関心さえも持っていなかった。

事務長は恐縮して、「必ず調べておきますから、1週間後に電話をください」といって電話番号と自分の名前を教えてくれた。
こうしてやっとたどり着いた珍しい木の名前が「ハナノキ」だった。

そのハナノキが日光大谷川公園にあることを見つけたのは6~7年前だった。雑木林の中にさりげなく生えていた。しかも2本の大樹だった。
ハナノキについては沢山下調べしていたので、長野、岐阜愛知県の一部の湿地のみに自生することも知っていた。大谷川公園に自生はしない。かの地から移植したのだろう。土を選ぶ木だから、土も取り寄せたに違いない。それでも真に根付くか否かは不確実だと思った。

案の定というべきか、悲しいことにというべきか、昨年再会した時は1本しか存在しなかった。どこかへもらわれていったのでなければ枯死したに違いない。
昨年は撮影のタイミングを逸したので、今年こそはと狙っていた。
体に合わない土の上で、必死に戦って生き延びているハナノキをぜひご紹介したい。来年も会えるのかは、神のみぞ知る…。

29,4,13 ハナノキ1-2b.jpg
1. 杉木立の 向こうに見える、満開の赤い花の高木。何の木か、この距離では想像もつかない。

29,4,13 ハナノキ1-5b.jpg
2. オートキャンプ場のはずれに生える、背の高い木である。

29,4,13 ハナノキ1-6b.jpg
3. 杉の木には及ばないまでも、樹高20mほどの高い木だ。樹肌が白いので赤い花との対比が美しい。

29,4,13 ハナノキ1-7b.jpg
4. 花、花、花…。
青空と競っている。さすがに空には勝てず、空に吸い込まれてしまいそうだった。

29,4,13 ハナノキ1-8b.jpg
5. 300mmのレンズを最大に利かしても、これが精いっぱい。高い位置にしか花開いていないのである。

29,4,13 ハナノキ1-9b.jpg
6. まったく同じアングルで、絞りを浅くした。白い枝が美しい。

29,4,13 ハナノキ2-1b.jpg
7. もう一度青空を背景にしてみたが、この構図はやめにした方がよさそうだ。

29,4,13 ハナノキ2-3b.jpg
8. 暗い背景が花を引き立てるようだ。

29,4,13 ハナノキ2-6b.jpg
9. このアングルで空を背景にすると、花と空が競っている感じが消える。
とにかく背の高い木である。樹肌の白さが気持ち良い。

29,4,13 ハナノキ2-9b.jpg
10. 小さな枝の先端に花序をつけているさまが愛らしい。
花茎がほとんどないようだ。遠くにある花なので、詳細がつかめない。
もっと心を許して近づいてきてほしいのだが…。

29,4,13 ハナノキ3-2b.jpg
11. 小枝の先以外には、花序がつかないように見える。
この変わった習性も私は気にいっている。

たった2人で長旅をして日光へ来て、親友に先立たれたハナノキ君。
この世は誰にとっても生きやすい世界ではない。辛さ、苦しさを乗り越えて、一緒にがんばろう。nikkinはいつまでも君の味方だよ。

29,4,13 ハナノキ3-3b.jpg
12. カエデ科というのが意外だった。今度紅葉の頃写真を撮りに来よう。
読者の皆さんにも、紅葉の雄姿をぜひご紹介したいものだ。









雪の連山とサクラ [花風景]

今年の連山の雪はまずまずの量が残っている。
サクラの時期の残雪としては多い方であろう。
花も4月14日、4月20日、そして23日と、ちょうど満開の時を選べた。
天候の条件もよく、4月23日の日曜日が快晴だった。
悠々と、好きなだけ時間をかけて撮影できたし、言うことなしである。

29,,4,14 桜と連山3-2スペーシアb.jpg
1. 4月14日、日光市のサクラとしては1番乗りである。特急電車スペーシアが、ちょうど通りかかったところである。
ここは大谷川の河川敷内。鬼怒川温泉に行く電車の鉄橋である。今年8月からはSLが走る予定である。
サクラよりも新緑が目立ち過ぎるきらいがあり、毎年悩んでいる。

29,4,14 朝日と桜4-6b.jpg
2. 画像1と同じサクラの木である。けっこう立派な木なのだが、右隣の新緑の木がバカでかくて目立ちたがりの点が玉にきずである。

29,4,20 連山サクラ1-4b.jpg
3. 4月20日、縛り地蔵堂の桜と遠景の連山。
10年前には無かったサクラの木なので、7~8歳だろう。

29,4,20 連山サクラ1-8b.jpg
4. 大谷川公園内のサクラと雪を頂く男体山。朝の7時ころである。
朝の太陽の位置が低いので、日陰ができることも多い。

29,4,20 連山サクラ2-8b.jpg
5. 前画像、中央の木と男体山。やや蕾が目立つ。

29,4,20 連山サクラ3-3b.jpg
6. 同じ木であるが、下から見上げるアングルにすると、満開に見える。
小さなあずま屋が良いアクセントになっている。

29,4,20 連山サクラ3-4b.jpg
7. もう一度画像4のアングルに近づける。しだれ桜は、垂れ下がった枝の先に蕾が多くなるようだ。

29,4,20 連山サクラ4-3b.jpg
8. 連山の雪と満開の桜。しかし、何か足りない。
空がさびしい。
一片の雲もない、少しは雲がほしい…。
人間の欲望は身勝手なものだ。

29,4,20 連山サクラ4-5b.jpg
9. 連山を引き寄せると、また味わいが変わってくる。
まだ花の咲かない枝が、空の寂しさをカバーしてくれている。

29,4,20 連山サクラ4-7b.jpg
10. ソメイヨシノではなく赤色の強いしだれ桜。
サクラの赤色が濃くなり、画面中央にちかづいたことにより、
寂しさが大いに緩和されている。

29,4,23 連山と桜2-1スペーシアb.jpg
11. 4月23日、画像1,2より10日ほども経過している。間に寒い日々があったため、まだサクラが続いている。
大谷川公園の西のはずれ、サクラの木々に東武電車のスペーシアが通りかかった。

29,4,23 連山と桜2-4b.jpg
12. この場所では、ソメイヨシノが終わりきらないうちにオオヤマザクラが咲き始め、にぎやかさがいやましている。こんな光景は珍しい。

29,4,23 連山と桜2-9b.jpg
13. 画像11と同じ場所である。今はレールだけが見えている。

29,4,23 連山と桜3-5b.jpg
14. 画像4と同じ場所である。こちらは正午近い。時間帯が変わるだけで趣がこんなに変わる。

29,4,23 連山と桜3-7b.jpg
15. この2本のサクラは八重桜。
通常八重桜はソメイヨシノより遅れて
咲くのだが、ここでも重なっていた。

29,4,23 連山と桜4-3b.jpg
16. 白い桜。「シデザクラ、サイフリボク」などとも呼ばれる。

29,4,23 連山と桜4-5b.jpg
17. 白い桜と男体山の残雪とは、意外につり合いが良い。

29,4,23 連山と桜5-5b.jpg
18. 画像3と同じサクラであるが、田に水を引いて鏡像にすると、楽しさが倍増する。このくらいの量の雲が適度と思われる。

たかが桜、されどサクラ。
日本人ならばサクラの花を見ると心の安らぎと母親の胸のにおいを思い出す。
そこに冠雪の日光連山が加わると、ファインダーをのぞく眼から、景色がこぼれ落ちそうになってしまう。



雪の連山と桜 [花風景]

各地からサクラ開花または満開の知らせが届いている。
ここ日光でも遅ればせながらサクラが満開である。

ナ、何っ! 日光でサクラが満開! 俺のところでも開花したばかりなのに!
宇都宮市の兄貴分たちが驚いていることだろう。

3日遅れのエイプリルフールではないが、ここで満開なのは河津桜だ。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-2b.jpg
1. 今年の連山は雪の日が多かったので、春山としては残雪が多い。
空にはタカが1羽悠々と飛んでいる。奥日光はタカが多い。
近景として暗赤色の木々が多数見える。これがサクラだ、といっても「嘘だ」と思う人が多いのかもしれない。河津桜の花は、少し離れるとこんな色に撮れてしまうのがちょっと残念である。


29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-5b.jpg
2. サクラというものは、遠くから見ても近くから見ても、何の疑問もなくサクラだ、といいきれるものがいい。河津ザクラはこの点において、大きなマイナス点を頂いてしまう。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-6b.jpg
3. 左の木のように、近くから見ると何の問題もないサクラなのだが、惜しい花である。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-7b.jpg
4. 連山は「我関せず」とばかり悠々と日光浴を続けている。nikkinのような燕雀カメラマンの嘆きを一顧だにしない。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ2-3b.jpg
5. さらに、この正面に見える白い壁。この壁が構図に入ってきて邪魔をする。
真正面に位置するのだからまさに処置なしである。
今市ロータリークラブが寄進、管理する(?)桜園であるが、カメラマンから見れば、設計段階で何とかしてくれるべきだった問題ではある。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ2-7b.jpg
6. この雪の量だから、2週間後に迫ったソメイヨシノの満開時にも、連山はサクラを引き立てる名脇役を演じてくれるだろう。楽しみである。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ3-1b.jpg
7. この枯れ草の荒野も手抜き管理とそしられてもいいわけが利かない。ファインダーに夢中になっていると躓いて転ぶこともある。サクラの園は、見物客あってのサクラの園なのだから、観客側に立った配慮も欠かしてほしくない。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ3-5b.jpg
8. それにしても雪の連山は見事である。河津サクラが写真ではこんな色に撮れる、という知識を持った人が計画に参加していたのだろうか。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ3-6b.jpg
9. 中央正面の白い壁を避けるために、カメラを左に寄せたり右に寄せたり…。
そのせいで男体山が居心地悪そうに見える。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ4-2b.jpg
10. 男体山を単独で撮るならば、こんな撮り方もあるが、またも他の白壁が邪魔をする。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ4-3b.jpg
11. 女峯山を撮ってもお邪魔虫が顔を出す。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ4-6b.jpg
12. このサクラ園には、不満の種が多すぎて困るのである。それとも、贅沢な不満というべきなのだろうか。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ6-1b.jpg
13. 雪の男体山と特急電車とサクラ。
不満を並べているうちに、男体山付近が曇ってきてしまった。
それ見たことか、と言われそうだ。
「知足」、足るを知ることも必要である。もっと修行を積もう。


雪の中の赤色 [花風景]

今回の大雪は、各地で色んな被害を演出してしまったようだが、一カメラマンとしては、楽しいシャッターチャンスを与えてくれた恩人である。
大雪の被害者の方たちは、私のはしゃぎぶりを快く思ってくれないのかもしれないが、物事には常に裏と表の2面がある。一方のみを見て他方を忌み嫌うのは、ある意味で不幸なことと言えなくもない。心癒される風景に安らぎを覚える人々も多いかもしれない。

29,1,14 サザンカに雪1-3b.jpg
1. 一番目立つのは、なんといってもサザンカである。もうすぐ赤色が見えなくなりそうな雰囲気であるが、最後の踏ん張り声が聞こえてきそうな気さえする。

29,1,14 サザンカに雪1-5b.jpg
2. その直後に撮ったこの花は、あまり雪の当らない位置で咲いていた。
どちらもそれなりに癒しの風景であり、優劣はつけがたい。

29,1,14 ナンテンに雪1-3b.jpg
3. これはナンテンの葉に降った雪。パウダースノウなので、風が来るたびに少しずつこぼれ落ちていた。

29,1,14 雪とtongarasi1-5b.jpg
4. これはニッコウトウガラシ。葉はすべて落ちてしまい、収穫されない実だけがけなげに頑張っていた。雪の洗礼を受けると辛味に風格が出るのかもしれない。

29,1,14 雪とtongarasi1-6b.jpg
5. 収穫されないまま落ちてしまった実たち。
かわいそうな彼らも、雪のおかげでブログに登場させてもらったことになる。頑張った甲斐があったね。良かったね。

29,1,14 雪とホトケノザ1-1'b.jpg
6. またまたホトケノザである。前回は霜の銀衣装画像で、今回は雪による銀衣装。
似たようなものではあるが、霜は花を覆い隠すことはしないが、雪は遠慮なく全員を閉じ込めて、しまう。そうなる前の貴重な晴れ姿を撮ってあげられた。

29,1,14 雪とホトケノザ1-4b.jpg
7. 妖精ちゃん4人。なにやら覆い隠されることを楽しんで待っているようにさえ見える。好奇心旺盛な、怖いもの知らずのかわい子ちゃんだ。

29,1,14 雪とホトケノザ1-6b.jpg
8. 注意してさがせば、妖精ちゃんは意外に多く居る。もうすぐ隠されてしまうと思うと、ついつい哀れさを覚えてしまうのは、nikkinの甘さの証拠だろうか。

29,1,14 雪とホトケノザ2-3b.jpg
9. おっ、また出会ったね、オオイヌノフグリ君。
なに、こんなことになるのが怖くて、早く咲かないようにしていたのに、だって?
なあに、人生いろいろありだよ。たくさん経験しておいた方が、将来役に立つんだよ。

29,1,14 雪とホトケノザ2-4b.jpg
10. これは別な妖精3人組。けさはどうしてこんなに妖精ちゃんが多いのだろう。
なに、それはnikkinさんが開眼したからでしょう、だって。嬉しいことを言ってくれるねえ。

29,1,14 雪とホトケノザ3-2b.jpg
11. だんだん雪が増えて来た。もうすぐお別れだね。
でも、またすぐに会えるから、雪の下でも元気を出して待っていてね。

29,1,14 雪とホトケノザ1-8b.jpg
12. みんなも、左下のオオイヌノフグリの蕾君も、頑張るんだよ。雪なんてちっとも怖くないからね。雪が解けた後には、暖かく気持ちよい、最高の春が来るからね。

カメラに降りかかる雪が怖くて、早々に逃げ帰るnikkinであった。




早春の草花銀衣装 お正月のおまけ [花風景]

ここ数日、日の出の時刻には霜が降りる気候となった。
気象台からは「乾燥注意報」なるものが発令され、恨めしい限りではあった。
どんなに気温が下がっても、湿度が低くては霜が見られなくなる時もあるのである。

それでもありがたいことに、地面に近い場所では立派な霜が草や花に銀衣装をプレゼントしてくれた。

29,1,7 早春の草花 銀衣装 1-6b.jpg
1. 朝の柔らかい陽をあびて、赤、黄、緑の雑草が輝きを増す。
粉砂糖をたっぷりふりかけたような、おいしそうな外観である。
紅葉期ではないが、春の雑草にはこんなにも華やいだ色の葉をもつ草がたくさんある。

29,1,7 早春の草花銀衣装1-5b.jpg
2. まるでスイーツを箱詰めにしたような込み具合だ。
シャッターを押すことに夢中になって、1個つまんでみることを忘れていた。

29,1,7 早春の草花銀衣装1-3b.jpg
3. 草影の、風の当らないところに、オオイヌノフグリと思しき花が咲いていた。
上手に、砂糖まぶしの惨状を避けていた。
砂糖まぶしのオオイヌノフグリを見つけてやろうとあちこち探して歩いたが、他にはこの花を見かけなかった。

29,1,7 早春の草花銀衣装1-4b.jpg
4. これはナズナ(ペンペングサ)の花である。こわごわと花を開いたところ。
周りの砂糖まぶしの草たちを見つけて、喜んだのか怖かったのか…。

29,1,7 ホトケノザ 銀衣装 1-9b.jpg
5. これは早春の女王様、ホトケノザである。白いビロードの襟から、寒そうに細く長い首を伸ばしている。そのデリケートな首に巻きつけてあげられるマフラー代理を探したが、残念ながら見つからなかった。

29,1,7ホトケノザ銀衣装1-3b.jpg
6. シソ科の愛らしい花であるが、小さな蕾の神秘的な赤色が印象的である。
この時間帯の盛装を、多くの人たちに見てもらいたかったに違いないが、残念ながらたったひとりのカメラマンしか、この美しい一瞬を見届けられなかった。

29,1,7ホトケノザ銀衣装1-4b.jpg
7. 不思議なことにこの花の銀衣装は、花の近くのギャザの入った葉で一段と
白く輝く。赤と白との対比がとても鮮やかである。

29,1,7ホトケノザ銀衣装1-7b.jpg
8
. これはまた、なんという愛らしさ。流氷下のクリオネにも負けない。
小さな妖精が二人並んで、「nikkinさん、お早うございます。いつも朝早くから頑張っているお姿を見ていますよ。そのうちに、きっといいことがありますからね」
ワオーッ! 嬉しい。妖精ちゃんが挨拶してくれたー。

29,1,7ホトケノザ銀衣装1-8b.jpg
9. ここでは、花ももちろんだが、右上の赤い葉っぱもなかなかである。引き立て役を引き受けてくれてありがとうね。


29,1,7ホトケノザ銀衣装2-2b.jpg
10. 仲良し二人組を撮った。こんなに早春なのに、もうしぼんでしまった花が付いているね。昨年暮れにはもう咲いていた個体もあったし、これからもどんどん咲いて、どんどんしぼんでゆくんだね。サクラの咲くころまで咲き続けるのだから、大変な努力だよね。頑張って頂戴ね。


29,1,7ホトケノザ銀衣装2-1b.jpg
11. これは群生しているホトケノザ。あまり分かりやすく撮った画像はないのだが、葉が数枚輪状に着く構造が数段あり、仏様の飾り段のように見えるのでこの名前が付いた。
春の七草に「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ…」とあるが、この花とは異なる草である。時代とともに名前も変化するのである。

早春の美しい花に、同じくシソ科のヒメオドリコソウがあり、1個の筒状花だけを見ると、ほぼそっくりの花であるが、咲き方が異なっている。ヒメオドリコソウは、フクジュソウのような茎から、花が多数同時に咲いて花序のように見える。
この2種のシソ科の花は、時を同じくして咲き、群生地も隣り合う仲の良さを見せるが、花期の開始はホトケノザが1~2カ月先である。

さて、「お正月特別プレミアム画像」
今朝(1月10日)起きてみたら、雪を被った連山の美しさが今季一番だった。
読者の皆様にともに鑑賞していただきたい。

29,1,10 連山雪 今季一番 1-1b.jpg
12.  通常、日光連山の雪は樹木に降っても枝に留まれずに地面に落ちる。したがって遠くから見て、山の中腹まで白くなることはほとんどない。
これには例外がある。昨夜のように雨交じりの雪が降った時は、雪が枝に留まる確率が高くなるので、遠目には、山の中腹まで白く見える。したがって今季一番となったのである。
もうひとつの例外は3月、4月の雪であるこの時期は、厳寒期のパウダースノウと違って、水気の多い雪となるので、やはり枝に留まる率がたかくなる。今年も桜が近くなるころには、真っ白な連山を楽しめることだろう。

もうひとつのおまけ。それはわが賃貸マンションの隣家の紅梅が開花したのである。
この開花は、私は関東地域で一番早いのではないかと思っている。
その理由は、新聞やテレビが、鎌倉などの開花一番を報じる時、この木の開花はすでに1~2週間経っているからである。

29,1,10 紅梅開花 1-1b.jpg
13. 今朝の画像である。もちろんまだ開いた花の数はとても少ない。しかし、木全体では10個を軽く上回る。
わが住まいのとなりの紅梅の、関東一番の笑顔を、ぜひ堪能していただきたい。



オオハンゴンソウとヒヨドリバナ、アサギマダラ [花風景]

オオハンゴンソウは外来種の花ではあるが、黄色い花序が大きくて美しく、集団で咲くときは圧倒的な存在感を示す。
しかし、外来種であることと生命力が強いことから、奥日光では嫌われ者の代表者である。毎年夏の初めに、オオハンゴンソウ駆除の集まりが開かれる。
たしかに、シロヨメナなど、奥日光古来の控え目な花の中に、原色の派手な花が混ざっていると、違和感がある。駆除運動の意義がよく理解できる。

1か所だけ、オオハンゴンソウがわが物顔で繁殖している場所がある。閉鎖してしまった日光プリンスホテルのスキー場跡地である。
いろいろと事情があるらしいが、ここにだけでも毎年美しい景観が見られるのは、カメラマンにとっては、かけがえのない嬉しいことである。


28,8,21 オオハンゴンソウ1-4b.jpg
1. ここがスキー場跡地である。以前はカメラマンの背丈ほども高く成長していたのだが、今は勢いが衰えて来ている。密度もずいぶん減じている。もしかしたら、枯草剤でも使われているのかもしれない。それでも、原色の花の美しさはしっかりと残っている。

28,8,21 オオハンゴンソウ1-8b.jpg
2. 手前の枯れ草の広がりは、ちょっと気になるところではある。

28,8,21 オオハンゴンソウ1-9b.jpg
3. オオハンゴンソウの背丈の異常は、やはりただ事とは思われない。

28,8,21 オオハンゴンソウ3-1b.jpg
4. これもおなじ。何かが始まっているのに違いない。

オオハンゴンソウ2.jpg
a: ここで8年前のブログから同じ場所の画像をtrack backしてお見せしよう。
この密度・密集、そして背丈(は見えにくいか)。

http://blog.so-net.ne.jp/nikkodayori/2008-08-17

オオハンゴンソウ1.jpg
b: これが背丈を示す画像である。カメラマンが背伸びをして、三脚を精一杯伸ばして撮った画像だ。カメラがかろうじて花よりもわずかに高くなっっている。
http://blog.so-net.ne.jp/nikkodayori/2008-08-17

28,8,21 オオハンゴンソウ2-1b.jpg
5. 本来の記事に戻って続けよう。
オオハンゴンソウの群れの中に、ヒヨドリバナの密集部が紛れ込んでいる。


28,8,21 オオハンゴンソウ2-4b.jpg
6. 8年前の画像では、オオハンゴンソウの中に埋もれるようにしていたヒヨドリバナが、ここではオオハンゴンソウより威張っているように見える。

28,8,21 オオハンゴンソウ1-1b.jpg
7
. 時々混ざっているオオハンゴンソウの方が背が低い。

28,8,21 オオハンゴンソウ2-8b.jpg
8. そうだ、ヒヨドリバナは、北海道から、沖縄、時に台湾、香港まで渡り飛ぶアサギマダラが好んで蜜を吸う花だ。探してみよう。探し始めてすぐに見つかった。


28,8,21 オオハンゴンソウ2-9b.jpg
9. これは飛び立とうとした瞬間を捕えることができた。ラッキーだった。

28,8,21 アケボノソウ1-2b.jpg
10. さらに、このスキー場跡の一角に、アケボノソウが開花していた。
黒い斑点を、未明の空に輝く星に擬した花である。

28,8,21 アケボノソウ1-6b.jpg
11. リンドウ科センブリ属の花である。
珍しい花で、奥日光でも、そう簡単には拝めない。

オオハンゴンソウ。嫌われ者の花ではあるが、私は好きである。この美しさ、豪華さは他の追随を許さない一面もある。この場所に長く生き延びて、カメラマンたちを喜ばせてほしいものである。





















ノアザミ'16 [花風景]

今回は記念すべき1001回目の記事である。
1000回目の記事は、自分なりに満足はしていたが、読者諸氏はどう感じられたのだろう。
1001回目は、自信を持ってお勧めできる、まごう方なき1級品である。
ノアザミの記事は二桁近い回数載せていると思うが、今回が圧倒的に一番である。
私が日光に来て13年目、最高のノアザミである。

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1. 7月23日 05:13 まだ薄暗い湿原である。
小田代原は深い霧に覆われ、その下でノアザミたちが沈黙の整列を続けていた。
花序はしっとりと霧滴を宿し、花茎は無風の湿原で懸命に重たい頭を支えていた。


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2. 地平線の果てまで続く霧のヴェールは、紫の気品ある花たちを優しく包み、チャンス到来の折には、花たちとリズムに乗ってステップを踏まんとスタンバっていた。

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3. 霧のヴェールが厚く、お日様の登壇が遅れていた。
夜明けの気配が刻一刻と迫る中で、花たちは悠揚迫らぬ態度を見せていた。

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4. いくつかの霧滴が集合して雨滴のように垂れ下がる。
相変わらず聞こえてくるのはシャッターの音ばかり。

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5. 近くの花を撮ると霧が晴れたのかと勘違いしそうであるが、霧の状態はまったく変化なし。花序の花弁1本々々に、無数の霧滴がダイアモンドの輝きを放っている。

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6. 05:38 ふと気づいたら、霧のヴェールを透して朝の光が微笑みかけて居た。

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7. 逆光となるので、花たちの気品が減殺された気もするが、これはこれで美しい。

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8. 霧が濃くなるとお日様が遠慮する。
木々のシルエットが見せるグラデーションは、天然のアートとなっている。

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9. おっとりと佇むズミの木を取り囲むノアザミたち。植物語で朝の挨拶を交わしているのだろうか。

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10. 一気に時間が飛んで 10:01。霧は名残惜しそうに立ち去ってしまった。
夏色の湿原がこの10日ほどだけ、華やかな紫色に変わる。

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11. ノアザミの脱色素バージョン、白いノアザミが見える。
少数だから価値がある。これがたくさんあったら邪魔に思うかもしれない。

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12. 10:57 遠くに見えるのもノアザミの群生。
こんなにすごい、こんなに美しい、こんなにたくさんのノアザミをまとめて見せてもらって、良いのかしらん。

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13. 06:28 時間を戻して貴婦人の登場を紹介しよう。
貴婦人周辺の霧が、まるでわれわれをからかうように、少しだけ薄くなったり、また濃くなったりを繰り返した。中央右奥の、背の高いシラカンバが貴婦人である。
手前のノアザミの群生が、逆光のせいで、シルエット気味となっている。

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14. 06:33 赤みがかった貴婦人は、空に吸い込まれてしまいそうだ。

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15. 06:36 かなりくっきりと見えて来た。ノアザミファンにとっては、逆光が恨めしい。

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16. ここでまた時間が一気に飛んで、10:10。
逆光の時間帯が去ったので、こんなに美しい親衛隊とのコラボが撮れた。
貴婦人は細身の体ですらりと立ち、貫禄充分である。

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17. 「もそっと近こう寄れ」との暖かいお言葉。
遠慮なくぐぐっと迫って撮らせていただいた。
平均寿命を2~30年越えておられるが、老いを全く感じさせない立ち姿である。

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18. こんなにも貴婦人が映えるのも、ノアザミ軍団の功績が大きい。

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19. ノアザミ軍団が、近くそして遠くからも、固い忠誠を誓っている。
とはいえ、固い忠誠を誓ったノアザミ軍団は、天命によって、あと1週間足らずで去らねばならないのである。

「すず風や万緑叢中紅満点」  nikkin


ネジバナ [花風景]

なんと、この記事が記念すべき1000記事目であることに、昨日(7月13日)気付いた。
すでに書き始めていた冒頭を、今書き換えているところである。
気付いたのは嬉しいが、1000記事目としては少々インパクトが弱い気がしている。
もう少し前に気付いていたならば、それにふさわしい被写体を探し求めて、苦労したはずである。この期に及んでは、仕方がないと腹をくくれるので、ややホッとしているが、寂しさは禁じえない。

大谷川(ダイヤガワ)河川敷では、2週間ほど前からネジバナの最盛期で、今は枯れかけた個体も散見される。
今年はネジバナの当たり年なのだろうか。少なくとも私がカメラに収めた5
期ほどの中では最高である。

ネジバナはラン科の花であり、根から花茎が増殖する。したがって自然の条件にあまり影響を受けないと考えられるが、今年のように個体数
が多い年でも、昨年たくさん咲いていた場所に今年も咲いているわけではない。かと思うと、全く同じ場所に同じポーズで生えている個体もある。何とも不思議な花ではある。

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1.  2本並んで立つネジバナは同じ根から出ているので、兄弟ともいえる。兄弟姉妹はまるで一卵性の双子、三つ子のように、そっくりな顔・形をしている。
この個体同士は、ネジバナの捩じれ方まで同じ。「の」の字を描きながら上ってゆく。

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2. ところがこの双子では、左の子は「の」の字を、右の子は「逆の」の字を描きながら上ってゆく。そっくりな顔、形をしていながら、あまのじゃくな行動を取る双子が結構多いのである。幼くして天の邪鬼だった私には、なんとなく微笑ましい。

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3. これは5つ子だろうか。「の」の字と「逆の」の字とが入り混じっている。インターネット検索によると、左巻きと右巻きとはほぼ同数、とある。「の」の字は、右巻きだろうか、それとも左?

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4. これは4つ子だ。左二人が「逆の」の字、右二人が「の」の字を描いている。
単なる草花でも、こんなことに注目して見ると、また別の楽しみが生まれてくる。

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5. これは、手前の兄弟が5つ子?で奥の兄弟が三つ子だろうか。」「の」の字、「逆の」の字を観察するのも楽しいが、それぞれの兄弟同士が、鏡に映ったように似ていることが、また楽しい。人間の兄弟では、なかなかこうは行かない。

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6. モンシロチョウが、カメラマンが発する真剣な「気」を感じ取って、殺気と勘違いしたのか、なかなか1か所にじっとしていてくれない。こんな遠くからチョウを狙う敵なぞ居ませんよ。ん…? 居るかもしれない。自然を甘く見てはいけない。

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7. 白いネジバナ。突然変異による奇形であるが、植物の世界ではそれほど珍しいことではない。しかし、生命力はあまり強くないようだ。3日後にはもう消えていた。
それとも誰かが持ち帰ったか…?

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8. このチョウは鈍感なのだろうか。腹が据わっているのだろうか。食事に夢中だったのだろうか。とにかくありがたかった。

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9. ここはネジバナの群生地と言えそうだが、それでもこの程度。この倍くらいに増えなければ、観光客を呼び集める力はない。日光市はネジバナに肥料を散布すべきかもしれない。

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10. 群生地を近くに配置して日光連山を撮る。カメラマンなら誰でもが憧れるgolden collaborationであるが、ネジバナが少々弱すぎる。ネジバナの密度を上げたい。 世の中、思い通りにならないことばかりである。

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11. これはネジバナを強調することができたので、なかなかいい画像である。

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12. このcollaborationは、1本のネジバナに大きな期待をかけすぎた。
ごめんよネジバナ君、君が悪いわけではないからね。

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13. 同じ花をこのように配置すると、結構サマになった。

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14. 地面上のネジバナとのコラボも、こういう配置なら悪くはない。

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15. 冒頭に記したように、ネジバナはラン科の花。接写で撮るとこんなに美しい。ピンク色の花弁と白い唇弁との調和がまぶしい。
この兄弟の花序は、ねじれが逆向きである。

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17. 撮影は粉糠雨の直後だったが、雨滴らしいものは撮れなかった。しかし、花序のみずみずしさは粉糠雨の恵みであろう。

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18. ここの草には水滴がたくさんついているが、雨滴ではない。
イネ科の植物は、根から吸い上げた水を葉から分泌する。いわば草の汗のようなものである。粉糠雨の直後の画像としてはぴったりなのだが…。

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19. このネジバナは変わっている。フリーの細長い花弁が大量に増えている。
全く異なった花にも見える。もしかして新種だろうか。

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20. 上方から撮ってみた。不思議なネジバナである。
ネットで調べたが、こんなネジバナは見つからなかった。
もしも新種だったら「ニッキン」と名付けようかな…。

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21. ほとんど捩じれない個体も多い。
3人兄弟の二人は、一応まじめに?螺旋を目指しているようだが、3人目は、「俺、そんなの知らね」とばかり、かなり投げやりな配列を示している。

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22. これは親子と呼ぶべきかもしれない。親の足元から生えて来た子供は、親に逆らって、逆向きの捩じれを選んだようだ。
かなり早い反抗期である。

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23. この4つ子は、ねじれを意識しているのか居ないのか…。兄弟だからと言って、こんな投げやりなところまで似なくていいものを。

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24. ここは小さな群生地。双子、三つ子、四つ子などが集まっている。

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25. ネジバナの世界でも核家族が一般的であるのに、この子供の多さは何だろう。しかも、こんな狭い土地に。国の貧困化が、ネジバナの世界にまで影響したのだろうか。

ネジバナ、花言葉は「思慕」。なんとなく乙女の片思いを想像させる。

英語では ladies' tresses(貴婦人の髪) または pearl twist(真珠の螺旋)。ともに形態からの連想である。心の煩悶は見えてこない。

日本では、恋に身をよじる、耐え忍ぶ姿の連想が一般的なのだが、民族によってこれほども印象が異なるとは驚きである。
nikkinも日本人。この花の耐え忍ぶ姿がいとおしい。

もっとも、日本でこんな連想が定着したのは、百人一首の河原左大臣 源 融(みなもとのとおる)の歌「みちのくの忍ぶモジズリ誰ゆえに乱れそめにし吾ならなくに」から来ている。「モジズリ」は「よじれ模様の染色」と言う意味で、ネジバナの旧名でもある。

みちのくの信夫(しのぶ)地区の「もじずり」と呼ばれる草木染めの模様が、よじれたような乱れで有名になったことから、「しのぶもじずり」が「乱れる」の枕言葉になったと言われる。意味は「貴女のことを思うと、みちのくのもじずり染めのように、私の心は乱れに乱れる。こんなになったのは誰のせいですか。私ではありませんよ」である。

なお蛇足ではあるが、いくつかのネットサイトでの解説で、「吾ならなくに」を「吾なら泣くに」と記しているが、これはとんだ間違いである。「私なら泣くのに」では歌の意味が通じない。「私のせいではないのに」という意味である。


「身をよじり耐えて忍ぶや道半ば」  nikkin







 


クリンソウ'16 [花風景]

戦場ヶ原の一隅にひっそりと群生するクリンソウ。
その管理を無報酬でコツコツと続ける伊藤誠氏。毎年この時期だけ輝いて見えるが、氏は1年中孤独に耐えながらこの珍しい花を守っているのだ。

この場所はもともとイギリス人商人ハンスハンター氏所有の別荘あとであった。
氏は、明治18年(1884年)、父E.H.ハンター、母平野愛子の二男として神戸で生まれた。名前が範多範三郎。次男なのに三郎とは、姉が一人いたからだろうか。
ローマ字でHanta Hansaburoと書き、イギリスネームをハンス・ハンターとした。

7歳で英国へ留学、19歳から王立冶金大学を経て日本に戻り金山や錫鉱山を経営し、巨万の富を築き上げた。

中禅寺湖を熱愛したハンスは、周辺に別荘を数棟建てた。その一つが千手ヶ浜のクリンソウ群生地にあった。
ハンスの建てた家屋に、伊藤誠氏が居住してクリンソウを守って来たが、その家屋は3~4年前に全焼し、今はプレハブの家屋が再建されている。

千手ヶ浜に群生するクリンソウは、戦場ヶ原に散在するニホンクリンソウとは少々異なる。ニホンクリンソウは地味な赤色一色であるが、千手ヶ浜の花は赤、白、ピンク、紫などがさまざまに配合されて、実に華やかである。即ち、ここに群生するのはセイヨウクリンソウなのだ。ハンスがイギリスから取り寄せたと思われるが、それに関する詳しい資料は見つけられなかった。

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1. 花に重点を置くとこのような画像となるが、今回は、カメラを引いて、クリンソウの育った森林環境に重点を置いて見たい。

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2. 画像1.のカメラを引いて見た。
この部位はやや明るい環境であるが、大部分は以後の画像のように鬱蒼として不気味な雰囲気である。ヘンゼルとグレーテルと魔法使いのおばあさんが飛びだして来そうな森である。

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3.ここからの3枚は、特に背景が暗く、不気味さを演出している。

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4. 花が美しいだけに背後の暗さが印象的である。

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5. ここでは花に加えて倒木のオブジェが暗い背景の前で魔界の不気味さを演出している。

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6. 上掲の3枚とも、この画面の奥に位置している。左端は中禅寺湖。
ハルニレ、クヌギ、ミズナラ、コナラ、シウリサクラ、オオヤマザクラ、ズミ、サワグルミ、キハダなど、
樹齢100年を超す大木が立ち並んでいる。

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7. この左奥に、倒木のオブジェ群が位置する。

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8. クリンソウの群生が、天然の森によっていくつかに分割されている。

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9. 今年の花の密度は例年になく粗い。ツツジ類が数十年に一度の花盛りだったことを考えると、花による盛衰の差には目を見張るばかりである。

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10. 遠くの中禅寺湖を背景に入れると、森の薄暗さが強調される。

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11. さらにカメラを引くと、ここは画像2.で撮った奥のあたりである。

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12. 伝統の家屋全焼を受けて再建された伊藤氏の家。冬場に備えて薪が大量に積み上げられている。

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14. バス停付近のクリンソウは、地味な赤1色のニホンクリンソウである。
一時鹿に食い荒らされて絶滅しかけたが、今年はとても多く見かけた。シカよけの柵がないのに…。
だがしかし、今年のセイヨウクリンソウは不作なのである…。

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14. この群生地のすぐわきに、ズミの花が満開状態だった。
戦場ヶ原のズミは、5月末の寒気でほぼ全滅だったが、この地ではそれほど厳しくなかったのかもしれない。

クリンソウ、ワタスゲ、ズミの3者は、赤系のクリンソウと純白の2者に分かれ、6月初めに競い合うのだが、今年は3者すべてがイマイチの結果となってしまった。
さて、来年はどんな競い合いを見せてくれるのか、今から楽しみである。






 


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