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Poor deer [動物]

シカは夜行性なので、早朝いろは坂を登るとき頻繁に出会う。
敏捷な動物で逃げ足が速いのだが、意外にシカの交通事故を見聞きする。
その理由は、夜行性で大きな目をしているときに、突然強いハイビーム光線が目に入ると、目がくらんで立ちすくんでしまうらしい。私も何度か撥ねそうになったことがあるが、幸い一度もシカを傷つけたことはない。
私の知人は、対向車の撥ねたシカが自分のボンネットに落下してフロントガラスを割り、大けがを負ったという。

先日中禅寺湖の傍を走っていた時、道路わきの空き地で、ハイビームの中で踊っているシカを見つけた。何だ、あのシカは?
瞬間に通り過ぎたが、考えてみるに、シカは後ろ脚2本がけがをして立てないようだった。ハイビームに驚いて逃げようとしたが、立てないので暴れていただけだった。

少し迷った。かわいそうなシカの写真を撮るべきか否か。
迷いながらしばらく走りつつ考えた。やはりこれは本当の一期一会だ。2度とこんな写真を撮る機会が来ないだろうと思うと、撮って公開する義務すらあるような気がした。引き返して撮影した。

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3:35 暗闇ではじっと横たわっていたが、ライトを向けると立ち上がろうとする。

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ライトを消すと安心した表情だ。

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私が少しでも近付くと大暴れする。

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この大きな目玉だから、光がたくさん入って目がくらむのだ。

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3:40 あまり暴れさせたくないので、早々に切り上げた。鹿は疲れたらしい。

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6:28 およそ3時間後の帰途、状況は変わっていなかった。
この3時間に何十回、いや何百回このシカは通過する車に脅かされて暴れまわったのだろう。ぐったりしていたが、私がカメラを構えるとやはり逃げようとあがいた。私が後退すると少し落ち着いた。

この後始末は当局がするのだろう。どうするのかはわからないが嫌な想像が先に立つ。跡を振り返ることもせずに急いで立ち去った。

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これは平成19年1月、野犬に襲われて受傷した子供のシカだ。
尻にかみついた野犬を引きずりながら逃げているこの小鹿を見つけた観光客が、野犬を追い払った。彼が自然博物館に電話をして、助けを求めた。
私はたまたまその博物館員に出会って跡をついて行った。

野生のシカには自分を助けようとしている人たちだって恐ろしい敵にしか見えない。ぐったりと横たわっていても、人間が近づくと逃げる。結局手負いのまま視界から消えた。
博物館員によると、この小鹿が生き延びる可能性はゼロに近いとか。

別な朝、明智トンネルを出たところで前の車が急ブレーキをかけた。
あやうく私のブレーキも間に合ったと思った瞬間、前の車の下から小鹿が転がり出てきた。このシカもきわどくかわしてバックミラーで見ると、かわいそうなシカは全く動いていなかった。

動物の交通事故で圧倒的に多いのはタヌキである。何度も死体を見た。
私も轢きそうになったことがある。タヌキはのろまなのだ。しかも車を天敵と認識していないようだ。
何万年ものタヌキの歴史の中で、車が登場したのはせいぜい数百年前だ。天敵としての刷り込みができていないのは、シカでもサルでも、当然と言えば当然だ。

鹿害が重大懸案となるほどにシカが増えた。
このような悲劇は増えることがあっても減ることはなさそうだ。
シカの生きる世界は厳しい。


カモシカ [動物]

カモシカは隣町の足尾でよく見かけられるが、なぜか日光ではほとんど見られない。もっとも、今は足尾町も日光市の一部だが。

華厳の滝の華厳渓谷には時々カモシカが出るといわれており、私も十二分に注意して探してきたが、先日ようやくお初にお目にかかった。

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華厳の滝の無料観瀑台へ行こうとしたら、突然何かが逃げ出した。
すぐに立ち止まってこちらを見た。カモシカだ。
目の下の眼下腺が目に似ているので、目が2対あるようにも見える。
仲間のジャコウジカでは眼下腺から分泌する液体が強力な匂いを放つ。

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しばらく愛嬌をふり巻いてから、さていこうかな…。
好奇心が強く人を怖がらないと言われている。その通りの行動だ。

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ちょっと行ってまた振り向く。こちらが気になるらしい。

カモシカという名前にだまされやすいが、シカの仲間ではなくウシ科でヤギに近いという。
「カモ」とは毛氈(かも)のことで、昔その毛で毛氈を織ったという。

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振り返り振り返りしながら遠ざかって行った。

ニホンカモシカは中国から最初に送られたパンダの返礼としてペアが寄贈されたことが知られている。ちょっとお粗末返礼だったかもしれない。

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横顔を見るとかなり幼さが残っている。
通常3~4月に生まれて1年間母親と行動を共にすると言われる。だとするとまもなく親離れの時期だろうか。母親はどこ?

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カメラは執拗に?追った。そして捉えた。共に後ろ姿だが、左が馴染みの個体。右が新しく出会った個体。体格も右が大きいようだ。左がちょろちょろ動いて、右は余り動かない。

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右の個体の横顔には幼さが見えない。

カモシカは栃木県など6県の県獣に指定されている。
一次乱獲によって3000頭にまで減ったが、1955年特別天然記念物に指定されて保護された。現在は7~8万頭居るといわれ、山形、長野、岐阜県などでは食害が取り沙汰されている。

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親子?仲良く雪の中の草を食べている。
ウシ科なので雄にも雌にも角が生え、生え替わることはない。従って外観から雌雄を判定することは出来ないと言われている。

ウシ科だから胃が4個あり反芻する。
糞はウシのべとべと感のある物とは違い、シカの糞に似ているという。ただし立ち止まって脱糞するので、マメ状の糞が盛り上がって居ることで区別されるとか。

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標高1000m以上の高地の傾斜地を好んで住処とする。
面白情報として、カモシカの汗は青い色だという。

ミミズの血液が緑色をしていることは目撃したが、青い汗とは…。他に類を見ないのではないだろうか。カモシカの汗を近くで見る機会は生涯なさそうだ。

カモシカは縄張り意識が強く、眼下腺でマーキングして縄張りを主張しているという。華厳の滝の無料観瀑台周辺が縄張りだったら、もしかしたらまた会えるかもしれない。


日光のサル [動物]

日光の野生サルが凶暴になって観光客を襲う被害が続出したのは10年ほど前からだった。
5年ほど前から野生のサルに餌を与えることを禁止する条例が出た。しばらく不満の募ったサルが商店街で暴れ回っていた。商店側もサルの好む商品を戸棚に入れたりして自衛策を講じた。
いまはサルたちも、人間を相手にしても収穫がない、と覚ったらしい。車に寄ってくることもないし、観光地の歩行者を襲うこともなくなった。そのようなサルたちは、昔ながらのかわいい存在である。

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1月、2月頃のいろは坂では、日が登るとサルたちがひなたぼっこをしている。足下には雪が見える。
車を怖がることはないので、車の中から撮る。車から降りると逃げられることが多い。

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これもいろは坂。石垣の段差の上である。幸せそうだ。

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いろは坂を降りきった道路脇。雪が残っている。いたる所でサルに出会える。

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木の上で新芽を食べていたサルが、突然オシッコをした。白い水滴のつぶつぶが光っている。
うまいタイミングで撮れたものだ。感謝。

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4月22日、第1いろは坂の「中の茶屋」跡で十数匹のサルに出会った。
冬毛をまとったサルを半逆光で撮ると、実に味わいがある。
遠くから望遠レンズで撮る。彼らも気づいてはいるが気にしない。
じわじわと間を詰める。誰かがこちらを見た瞬間に動きを止める。
まるで「だるまさんが転んだ」のゲームである。

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信頼関係ができると彼らもあわてない。もっとも、
「みんなで渡れば怖くない」の心境だったのかもしれない。

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綿毛の光の具合が暖かみを与えている。天敵のいない生活圏を謳歌している。

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30分ほども居ただろうか。彼らも自然に振る舞ってくれたし、私も無用な振る舞いは慎んだ。

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毛繕いをされているサルが気持ちよさそうに手を挙げる。見ていても気持ちがよい。

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ずいぶん気楽な格好で寝るものだ。寝ながらもこちらの様子をうかがっている。
「分かってるよ。写真だけだ。すぐに終わるさ」 私も目で答える。

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2匹の雌ザルに奉仕させている雄ザル。
ボスだろうか。とくに彼が一団を牛耳っている雰囲気は無かった。

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3匹並んで毛繕い。行儀良いこと。平和な、幸せな朝のひとときだった。
彼らを残して去るのは後ろ髪を引かれる思いだった。


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