日の出の花 [風景]
杉並木の日の出はまるで魔法の国への連絡通路のようだ。
闇の世界から光の世界へ。この世紀の変化の過程において、信じられない花が咲く。
1. 杉並木の内側は闇の世界だ。そこから覗く外側は明の世界である。
明の世界に突然真っ赤な花が咲く。まるで火が付いたようだ。枝が燃えている。
2. 梢を見上げるともっとすごい花が…。杉の枝の向こうにえらそうにそびえる花が同じ杉の一部だとは、にわかには信じられない。
3. 引き寄せてみても何も変わらない。
4. やせ細った梢もこの時ばかりは得意げに見える。
5. 梢が万歳をしているようにも見える。
6. 闇の世界と対峙させるとさらに輝く。
8. どうしてもあれが杉の梢だと信じられない方々には、これからの3枚連続撮影を見ていただけるといい。梢の左側に日の出が差し始めた。
9. 数秒後、赤みが増す。
10. さらに数秒後の最盛期。これを左の方角から撮ると、赤一色の魔法の花となる。
高山でも杉でも、朝焼けの原理は同じだ。地球の薄い大気層を、接線状態の太陽光が照らす時に一番赤くなる。ただ被写体によって赤さが異なる。白や褐色のものが一番赤くなる。雪を頂いた高山は白いので赤をよく反射する。雪が積もらない高山でも赤茶けた土が露出する面は赤く焼ける。アルプスや富士山の朝焼けがこれである。
高山でも男体山のように、樹木限界線が山頂に近い時は、緑の木々が赤色を吸収してしまうので赤く反射することはない。
杉の梢は緑色ではないか? 確かに緑色が強い。しかし樹齢400年近い杉の梢は、長年太陽に焼かれてきたため「日焼け」して褐色になっている。さらにこの時期は、杉の雄花と雌花が鈴生りになっていて、杉の梢の表面は褐色で覆われている。
さらに、赤く焼けた梢を暗い闇から覗き見することから、カメラでとらえた梢の朝焼けの赤色が一段と強くなるのである。







