So-net無料ブログ作成
検索選択

小さな池のけあらし [気象現象]

「けあらし」をインターネット調べると、「北海道などの厳冬期に、山地で冷却された空気が海上に移動して暖かい海水に触れた時、両者の温度差が6~15℃(資料によって数値が異なる)以上になった時に発生する湯気のようなもの」とある。

私はこの例示つきの説明に異議を唱えたい。
なぜなら、水温と気温の差が大きい時と言いながら、厳冬期の海水と山風のような例えしか上げていないからである。海のけあらししか念頭にないのである。
温度差が大きい時なら、その逆もあるだろう。水温が低くて気温が高い時である。そのけあらしを例示しなければインターネットの説明としては合格点を上げられない。
事実、奥日光で見るけあらしの、大多数は水温が低い時である。

たとえば、海上と違って陸封された湖水や沼では、水が凍結寸前の低温を示すことが珍しくない。そして日の出直後の空気が、太陽からの遠赤外線によって暖められ、10℃以上になることは稀ではない。遠赤外線の放射熱の高さは、冬場の陽だまりの暖かさと日陰の寒さのと差を思い出してみれば、容易に理解できる。

海以外のけあらしの写真を思い浮かべてみよう。
一番よく見かけるのは釧路湿原のピンクの湯気の中のタンチョウの舞いであろう。日の出直後の遠赤外線がけあらしの熱源であることが一目瞭然だ。
中禅寺湖千手ヶ浜や光徳沼のけあらしも、日の出直後限定の現象である。

この「水温が低くて気温が高い時のけあらし」は、ある程度狙いを定めて撮ることができる。分かりやすい例が、光徳沼の寒い朝、日の出の時刻に逆光の位置にカメラを構えればよいのである。

日光市内では、公園などの池でも条件が整えば、立派なけあらしが立つ。
「条件が整えば」という部分が重要である。池の水温が零度に近くなった時である。

そんな条件がぴったりの朝があった。nikkinが連山の鏡像を撮る小さな池である。
夜間に雪が降り、朝は部分的に青空が回復していた。雪が溶けて水温を下げ、あとは順調な日の出のを待つだけだった。

29,1,15 小さな池のけあらし1-2b.jpg
1. 06:56 小さな池と東の空である。少々雲が多すぎではあった…。
大雪予報の2日目の朝だった。

29,1,15 小さな池のけあらし1-5b.jpg
2. 07:00 日の出だ。雲が少なくなっている。しめしめ…。

29,1,15 小さな池のけあらし1-8b.jpg
3. 7:04 太陽は右上方面に登ってゆく。そこには黒い大きな雲が待っている…。
祈るしかない。典型的な、「困った時の…」。

29,1,15 小さな池のけあらし1-9b.jpg
4. 7:14 悪い予感が的中した。直射日光が届かないのだ。
右手前の木の枝で、夜間に降った雪の量が分かる。

29,1,15 小さな池のけあらし2-2b.jpg
5. 7:19 約14分待って待望の直射日光が届いた。順調なけあらしの訪れだ。

29,1,15 小さな池のけあらし2-5b.jpg
6. 7:20 とりあえずは順調そうな出足だった。もっと高くのぼってくれ。た、頼む…。

29,1,15 小さな池のけあらし3-1b.jpg
7. 7:22 この光りかたは、順調な強さの50%位にすぎない。
せめて
このまま、順調に照らしてくれよと祈ったのだが…。
普段の心がけのよくない報いはてきめんだった。


29,1,15 小さな池のけあらし3-3b.jpg
8. 7:23 光り出して4分後には、こんな惨めなけあらしが…。


29,1,15 小さな池のけあらし3-7b.jpg
9. 7:30 待ってもまっても、朝日は弱い光ばかりしか、届けてくれない。

29,1,15 小さな池のけあらし4-6b.jpg
10. 7:41 20分近く待って、ようやくかなりの強さの直射日光が届いた。

29,1,15 小さな池のけあらし4-9b.jpg
11. 7:48 しかしそれも、最盛期をとうに過ぎた朝の光だった。

29,1,15 小さな池のけあらし5-2b.jpg
12. 7:49 これはnikkinの足跡である。いらいらと歩き回ってしまった。

29,1,15 小さな池のけあらし5-9b.jpg
13. 7:50 ほぼ、撮るべきは撮った。欲を張らなければこれでも…。

29,1,15 小さな池のけあらし6-1b.jpg
14. 7:52 けあらしは、逆光で撮らないとまるで駄目である。西の空を撮ると、連山は厚い雲の中。けあらしも気配も見えない。

約1時間、寒さの中で頑張って得たけあらしの画像のすべてである。
またの機会を待つしかないが、読者諸氏の中で意欲的な方々は、どうぞもっともっと良い画像を求めて頑張っていただきたい。互いに成果を競い合いましょう。



nice!(6)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 6

コメント 1

okko

う~~む、残念!待ち続けたカメラマンに、気ばかり持たせて・・

いえいえ、これで充分です。釧路湿原の鶴の舞は、見ましたがあれがケアラシというものとは考えも付きませんでした。
寒い中、ご苦労さまでありました。 7時、2枚目の作品、秀逸です!
by okko (2017-01-18 14:30) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
メッセージを送る