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巫女石と牛石 2つの悲劇 [伝説]

我が国では、古来多くの修験場において「女人禁制」が敷かれていた。その理由としてもっとも多く使われていたのが「女人は不浄、あるいは汚れているから」とか。
今、こんな理由で女性を閉め出したらマスコミで大叩きされるだろう。
修験場から女性を追い出した本当の理由は、修行中の若い僧侶たちが女性を見ると心が乱れ、修行に身が入らないからに他ならないのだ。自分たちの甘さに気づかないばかりか、ちゃんと説明も出来ないような理由で女性に無実の罪を着せようなんて、修験者の風上にも置けない振る舞いだ。

日光の地も修験場として高名を得ていたことから、当然のように「女人禁制」だったし、もっと悪いことには、牛馬までもが閉め出されていた。女性と牛馬を同等にみなした、と非難されても申し開きが出来なかっただろう。

この男社会が生み出した不平等規制に抵触して石に変えられた少女と牛の悲しい物語が残っている。

21,5,20 巫女石 1-2b.jpg
一度奥日光を訪れたことのある人なら見覚えのある中禅寺湖南岸に立つ大鳥居。その右側にひっそりと立つ巫女石。何時どこで誰が見つけたのか、なるほど巫女に見える。高さ70cmとあるのは、石に変えられたときに縮小されたのだろう。

21,5,20 巫女石 1-3b.jpg
男社会の勝手な理由で石にされてしまった、気の毒を絵にしたような女性像である。

21,5,14 女人堂1b.jpg
第1いろは坂下から3つ目のカーブにある女人堂跡。女性はここから引き返さねばならなかった。

21,5,14 女人堂2b.jpg
ツツジの頃はきれいで良いが、この差別に歯ぎしりしながら引き返す身には、悔しい景色だったことだろう。

21,5,13 牛石復元2b.jpg
2番目の犠牲者が牛である。農夫に引かれて修験の場に来た牛までもが石にされてしまった。その石は明治時代には二荒山神社境内にあったというが、昭和初期以前に行方不明になったという。

21,5,13 明治時代の牛石b.jpg
当時の写真に見る牛石。なるほど、頭だけをもたげて四肢を投げ出した牛に見える。

21,5,13 牛石復元1b.jpg
その牛石を復元しようという機運が高まった。入会費1000円で終身特典が与えられる。

21,5,11 牛石復元4b.jpg
以前の牛石とはかなり違った形態のものが復元されようとしている。

21,5,11 牛石復元7b.jpg
頭部になる予定の部分を除いて、他は会員が好きに削ってください、という破天荒な計画である。

21,5,11 牛石復元6b.jpg
プラスチックの篭の中には、既に削られた石のかけらが溜まっていた。
さて、どのような牛石ができあがることだろう。楽しみではある。


21,6,16 六方沢のブロッケン1-1b.jpg
関係ないが、先日六方沢の橋の上から見たブロッケン現象。
太陽を背にして立ち、前方にスクリーンとなるべき雲があると、自分の影が虹色の明るい円盤の中に黒く映る。

21,6,16 六方沢のブロッケン1-5b.jpg
雲がほとんど消えかけても、わずかな白さの上にきれいに光り続けていた。

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コメント 7

okko

男の弱さを丸出しにしてみせたようなものですね。
欲望を抑えることこそ、修行でしょうに。
いまは、草食系男性が増えたようですから大丈夫かな?
by okko (2009-07-15 13:58) 

せつこ

昔は、何処の山も「女人禁制」が多かったようです。
こちらの信仰の山には昔、女が登ったので、石にされたという石もあります。
本当かしら・・・ね。
昔、生まれないで良かった♪
無知の男性に従わないで良かったわ!
by せつこ (2009-07-15 14:01) 

侘び助

女人だけで、エベレストにも登る時代です。
男女同権・・・女性も車社会になってより強くなりました。
by 侘び助 (2009-07-15 19:47) 

nikkin

okkoさん
肉食系女性は増えているかも…。
そのうちに男子禁制の聖地が増えたりして…。

せつこさん
自分たちで自己中心的な禁制を作っておいて、石に変えたのは「神様」だとは、勝手な言いぐさです。卑怯といっても良いかもしれません。

侘び助さん
本当ですね。女性の強さは日々見せつけられています。
by nikkin (2009-07-16 08:59) 

春分

3回くらいに分けてもいいくらいいい内容の記事に思えました。
1つあげるなら、ブロッケンはやはり魅力ですが。
不浄の概念や成り立ちはとても難しく、また違う時代の感性で語るのも
難しいです。差別のようで保護になってることもあるし。と言うようでは私は
どちらかというと女性差別主義者側によってますかね。
by 春分 (2009-07-17 18:02) 

nikkin

春分さん
こちらでは今でもかたくなに、男体山には登らない、という女性がいます。
意地もあるようです。
湯元温泉の歴史は古く、女人禁制が解かれる以前から女性が働いていたという情報もありますね。
by nikkin (2009-07-18 17:22) 

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by お名前(必須) (2017-04-28 13:34) 

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