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邪の花の美 [花風景]

花に正邪があるのだろうか。
ひと頃セイタカアワダチソウが猛烈な勢いで広まったとき、日本古来の植生を乱す、あるいは生存競争力のない花を滅亡させる渡来植物として、全国的なバッシングを受けた。結局セイタカアワダチソウの勢いが衰え、バッシングは自然収束を迎えたが、今奥日光で猛威を誇って居るオオハンゴンソウは、セイタカアワダチソウに勝るとも劣らない脅威となっている。
私が日光に来て5年目。この黄色い花の勢いは毎年倍々ゲームのように伸びている。奥日光の有志による「オオハンゴンソウ撲滅作戦」なるものが展開されて居るが、今のところは山火事にバケツで水をかけている感が否めない。
そんな中で日光プリンスホテル脇にある「菖蒲が浜スキー場跡」は、オオハンゴンソウの一人舞台となっている。一面に咲き誇るオオハンゴンソウの美しさは、邪の花、悪の植物のイメージとは合わない美しさである。

20,8,9 プリンスホテルのスキー場のオオハンゴンソウ2b.jpg
8月9日、咲き始めのオオハンゴンソウ。スキー場のゲレンデ跡を埋める黄色い花と、うす紫色のヒヨドリバナとが、朝の光の中で、控えめに、そう実に控えめに咲き分けていた。

20,8,9 オオハンゴンソウの光りと陰1b.jpg
群生する花の光りと陰は、美しさと嫌われ具合を暗示するかのように、沈黙の抗議をしているようにも見えた。

20,8,16 オオハンゴンソウ1b.jpg
1週間後の8月16日、真昼の太陽を受けたオオハンゴンソウは、花の密度も彩りも、お世辞にも控え目とは言えない迫力を備えて、一大デモンストレーションをしているように見えた。

20,8,16 オオハンゴンソウとヒヨドリバナ1b.jpg
1週間前にはかなり目立っていたヒヨドリバナも、今はオオハンゴンソウに埋もれてしまいそうだ。

20,8,16 オオハンゴンソウとヒヨドリバナ3b.jpg
圧倒的な存在感をふりまくこの日のオオハンゴンソウは、かなり邪のイメージを増してきたようにも見える。

20,8,16 オオハンゴンソウの光りと陰1b.jpg
花の背丈が私の背丈とどっこいどっこい。シャツとズボンは黄色い花粉で染められてしまう。

20,8,16 オオハンゴンソウとママコノシリヌグイ1b.jpg
オオハンゴンソウの群生の中に迷い込んだような「ママコノシリヌグイ」。花は美しいがこの恐ろしげなトゲ! こんな花で継子のお尻を拭うとは、昔の人は残酷な名前を考えるものだ。
人々に継子扱いされているオオハンゴンソウが日本古来のママコノシリヌグイを覆い隠してやせ細らせている。この図は大きな皮肉に見えなくもない。

20,8,16 オオハンゴンソウとシラカンバ1b.jpg
シラカンバの美しい白と、ヒヨドリバナの薄紫、そしてオオハンゴンソウの黄色の取り合わせは、実に落ちついた、心を和ませる光景である。しかし、日本古来のヒヨドリバナやママコノシリヌグイ、さらにはシラカンバまでもが脅かされているのならば、この図はまさに熾烈な戦いの現場写真でもあるのだ。

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コメント 11

キトリ

圧倒的な存在感ですね。
初め “あら可愛いじゃん”なんて見てたら“ウーワァ”って感じで・・・
ほんとに戦いなんですね。
人種だったら人権問題です。
それにしても<ママコノシリヌグイ>はないですよね。
継子も可愛そうだけど、花もかわいそう(^_^;)

by キトリ (2008-08-17 12:22) 

やよい

すごい現場ですね、圧倒されます。
by やよい (2008-08-17 18:22) 

春分

反魂草ですしね。帰りたい魂がいっぱいあるのか。
デイジーワールドというデイジーだけの咲く仮想の星の話がありますが、
こんな風景かなと、そんなことも思わせます。草取りは大変なものだが。
by 春分 (2008-08-17 18:37) 

marco

黄金の絨毯と化してますね(@@;)

by marco (2008-08-17 22:00) 

pace

写真だけ見ていれば美しいお花畑
花のせいではないかも知れないが
やはり外来帰化種の横行は
現存する在来種には脅威です
日本の端から端までこの問題を抱えておりますね
by pace (2008-08-17 23:18) 

nikkin

キトリさん
ママコノシリヌグイには私も賛成できませんね。別な名前を付けようという良識的な植物学者が出て欲しいものですね。

やよいさん
「花いきれ」と言うのを実感できますね。中に入り込むとちょっと恐怖感に近い感覚を覚えます。

春分さん
「反魂」とは魂を呼び戻すと言う意味でしょうか。意味不明の命名ですね。

marcoさん
絨毯と言うよりも、迷い込むと、泥沼かもしれません。

paceさん
人間も工業製品も、農業製品も渡来のものがあふれていますね。純国産はだんだんやせ細ってゆく定めのようです。
by nikkin (2008-08-20 12:31) 

せつこ

春分さんに紹介されて、飛んできました。
はじめまして!
この花が、こんな勢いで生息地を広げていたとは、驚きです。
これは、困ったものです、外来種は強いですから・・・。
by せつこ (2008-08-20 20:40) 

旅爺さん

この異常とも思える増え方は正に恐怖です。
ヒチコック監督の「鳥」を連想しました。
by 旅爺さん (2008-08-21 11:00) 

nikkin

せつこさん
妻と同じ名前ですよ。ちょっと困りますねえ。
春分さんのご紹介だったら大切に扱わないといけません。
今後ともよろしくお願いいたします。

旅爺さん
初めまして。
本当に美しい花なのです。美しい悪魔、と言う感じでしょうか。
by nikkin (2008-08-21 17:20) 

こぎん

黄色の雪が積もったようです。

by こぎん (2008-08-29 09:12) 

nikkin

こぎんさん
中を歩くと黄色い粉がシャツに付くので、実際に黄色い雪のように見えますね。
by nikkin (2008-08-29 15:22) 

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