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「花に嵐」を撮る [珍風景]

4月15日は、関東一円に強い嵐が吹き荒れた。

咲きそろったサクラの花に吹く強い風にはいいイメージがない。
かよわい女性に理不尽な暴力を振るう悪役を連想してしまう。
相手はサクラで、誰もがまだ散ってほしくはないサクラで、
嵐には何の正当性もなく、サクラには何の落ち度もない。

nikkinは、その暴力に翻弄されるサクラを撮ってきたのである。
暴力からサクラを守ろうともせず、暴力に抗議するでもなく、
単なる傍観者として、サクラの修羅場を撮影してきたのである。
何という自己保身、なんという冷血動物。

いや、それよりも悪質である。許されざる利己主義者である。
この場面を撮ってブログに載せようという魂胆が見え見えで、
もっと強い嵐を、もっとサクラをいじめて、などと期待しながら、
典型的なサディスト根性で撮っていたのだから…。

29,4,15 花に風1-1b.jpg
1.  花が風に揺れるところを撮るには、動かない物を同時に撮らなければならない。
全部が動いていては、単なる手ぶれと区別がつかない。この画面では太めの枝がその役目を担っている。
この画像では、多くの花がばらばらな方向に動いている。なぜなら、花が動く円孤の中心点は、小さな枝が太めの枝から分岐する点であるから。しかもその分岐点もまた動いているのである。

29,4,15 花に風1-5b.jpg
2.  小さな枝1本だけが激しく動いている。風の暴力は実に気まぐれである。

29,4,15 花に風1-8b.jpg
3. これはかなり大きな枝1本が激しく揺れている。

29,4,15 花に風1-9b.jpg
4. これは何だろう。両側から手をさしのべて握手しようとしている2本の枝が、1個の風に翻弄されているのだろうか。動きやすい枝だったのだろう。

29,4,15 花に風2-2b.jpg
5. 同じ枝を一瞬後に撮った。ある意味ではとても愉快な画像である。動かない花が数個存在するのも、趣深い。

29,4,15 花に風2-3b.jpg
6. 親子の記念撮影を、風が盛りたてている。
ご本人たちが気づいていないのが面白い。

29,4,15 花に風2-5b.jpg
7. 何という複雑怪奇な動き。しかも左上には、動いていない一群の花が居る。

29,4,15 花に風2-9b.jpg
8. 背景が暗いと光を受けた花の動きが鮮やかになる。
前衛的芸術作品のようでもある。

29,4,15 花に風3-3b.jpg
9.  太い幹から直接咲いた1株の花。茎が2本ずつに見えるが、手ぶれのせいではない。手ぶれによる2本ならば、2本は常に平行である。
自然が演出してくれた芸術作品といえよう。

29,4,15 花に風3-6b.jpg
10. これも似たような一瞬であるが、
真正面から風を受けた十数本の花茎が4方8方に散らされたところである。

29,4,15 花に風3-7b.jpg
11. 花のグループたちが、それぞれの場所で小さい動きを繰り返している。風が弱い時と思われる。

29,4,15 花に風3-8b.jpg
12. 横方向に伸びた1本の枝だけが激しく揺れている。右の方に向かって進む白い竜のようにも見える。

29,4,15 花に風3-9b.jpg
13. 2本の枝がそれぞれに横ぶれしていたが…。

29,4,15 花に風4-1b.jpg
14.  次の瞬間、1本の枝だけが風の外に出た。

29,4,15 花に風4-5b.jpg
15.  近くの水路に浮かんだ「花筏(はないかだ)」である。水面が波立ってはいないが、風の強さが感じられる。

29,4,15 花に風4-7b.jpg
16. 引き寄せてみると、大きなツツジの花が1個混ざっている。どこから飛んできたのだろう。

29,4,15 花に風4-8b.jpg
17.  水は澱んでいるように見えるが緩やかに流れている。

29,4,15 花に風5-1b.jpg
18.  この画像と次の画像とは、2~3分の時間差で撮られた。

29,4,15 花に風5-4b.jpg
19.  花筏の形が変わっていることが読み取れる。
筏の表面の木の影に癒しを感じる。

29,4,15 花に風5-6b.jpg
20.  鳩が水を飲もうとしている。
「いつもの俺様の水飲み場を、花弁たちが占拠して…」
まあまあ、明日はもっと少なくなるから…。


「サクラちゃん、助けてあげられなくてごめんね」
「ウウン、私も水遊びを楽しんだの。明日も遊びたいわ」
なんて都合のいい解釈をしても、後ろめたさは隠せない。


 


雪の連山特集 [風景]

ソメイヨシノ開花への期待が膨らんでいる日光ではあるが、少々間があるので、雪山連山の景観を特集してお伝えすることにした。

今年の春先は雪が多かったので、サクラとのコラボが楽しみだと思ったのだが、残念なことにこのところ雨が続いた。通常は「里が雨だったら山は雪」が常識なのだが、春先は「山も雪」のことがあるので、楽観は禁物である。

ということでサクラの助演者としての冠雪連山は例年並みとなりそうである。

癪に障るので、美しい冠雪連山風景をまずご披露し、ソメイヨシノが満開の折には、今回の画像を思い出しつつ、脳内修正を行っていただきたい。

29,1,10 連山雪 今季一番 1-4b.jpg
1. 1月10日、日の出の赤外線がまだ少し残る連山。小さな池の水面がわずかに波立っている。そう、直前に、カモの一団が飛び立って水面を乱したのである。
カモたちは、カメラに撮られることを決して受け入れない。何か前科でもあるのだろうか。

29,1,10 連山雪 今季一番 2-1b.jpg
2. 1月 10日、9:00 5階建ての窓から撮影。
民家を抱きかかえるように、住民たちの守護神であることを主張するように、
雄々しく、頼もしく立ち並んでいる。

29,1,18 連山5階1-1b.jpg
3. 1月18日 雲の多い連山も悪くは無い。冬場は雪雲が大きい顔をしている。

29,3,3連山5階1-1b.jpg
4. 3月3日、もっと雲が多い日。青空はあくまでも青い。 連山の雪はあくまでも白い。

29.2.24 連山5階1-1b.jpg
5. 2月24日 これもまた雲の無い連山。
雲があろうが無かろうが、風が吹こうが吹くまいが、連山の慈しみ深い
まなざしと頬笑みは変わらない。


29,3,12白梅 と連山1-6b.jpg
6. 3月12日 白梅を前景にした連山。手前は大谷川(だいやがわ)。
雪が沢山降った割には大谷川の水量が少ない。


29,3,18 梅と連山2-7b.jpg
7. 3月18日 路傍の白梅とのコラボ。個人所有地の白梅なので、連山との構図がうまくできないのはいたしかたない。

29,3,25 連山と芽ぶきの大谷川1-1b.jpg
8. 3月25日 朝06:30ころ。大谷川河川敷内の大きなヤナギの木とコラボさせた。
朝早い太陽はまだ弱く、緑色の自己主張がイマイチである。


29,3,25 連山と芽ぶきの大谷川1-3b.jpg
9. 同じ日の7:30 緑色がしっかりと役割を果たしている。
山の雪景色はほぼ満点である。

29,4,3 雪の連山芽ぶきの大谷川1-4b.jpg
10. 4月3日 緑が増えている。
連山の雪が、富士山のように白一色でないのは、樹木限界線の位置による。
ここから上では高木が育たないという樹木限界線。関東地区では海抜2400m前後にある。富士山では1000m以上も灌木やブッシュの荒れ地に雪が降るので、遠くから見ても白い掛け布団が良く見える。日光連山では、そんな荒れ地が50mくらいかなく、大部分は高木が支配する地帯である。そんな地帯では、地上に積もった雪が、枯れ枝に遮られて遠くからは掛け布団状には見えないのである。


29,3,25 連山と芽ぶきの大谷川2-4b.jpg
11. 3月25日の連山と大谷川。芽吹きのヤナギの木が、褐色に近い。

29,4,3 雪の連山芽ぶきの大谷川1-6 b.jpg
12.4月3日 たった1週間強のあいだに、向かって左半分に分布するヤナギの木々が、かなり緑色を強めている。
1日1日、眼に見えて緑が増える河川敷は、橋の上で周辺を見回す余裕のある通行人に、癒しと安らぎを与えている。
 
ちなみに、大谷川の河床がこんなに盛り上がって露出しているさまは、めったに見られない。大谷川の水量がいかに減少しているかを示している。









雪の連山と桜 [花風景]

各地からサクラ開花または満開の知らせが届いている。
ここ日光でも遅ればせながらサクラが満開である。

ナ、何っ! 日光でサクラが満開! 俺のところでも開花したばかりなのに!
宇都宮市の兄貴分たちが驚いていることだろう。

3日遅れのエイプリルフールではないが、ここで満開なのは河津桜だ。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-2b.jpg
1. 今年の連山は雪の日が多かったので、春山としては残雪が多い。
空にはタカが1羽悠々と飛んでいる。奥日光はタカが多い。
近景として暗赤色の木々が多数見える。これがサクラだ、といっても「嘘だ」と思う人が多いのかもしれない。河津桜の花は、少し離れるとこんな色に撮れてしまうのがちょっと残念である。


29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-5b.jpg
2. サクラというものは、遠くから見ても近くから見ても、何の疑問もなくサクラだ、といいきれるものがいい。河津ザクラはこの点において、大きなマイナス点を頂いてしまう。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-6b.jpg
3. 左の木のように、近くから見ると何の問題もないサクラなのだが、惜しい花である。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ1-7b.jpg
4. 連山は「我関せず」とばかり悠々と日光浴を続けている。nikkinのような燕雀カメラマンの嘆きを一顧だにしない。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ2-3b.jpg
5. さらに、この正面に見える白い壁。この壁が構図に入ってきて邪魔をする。
真正面に位置するのだからまさに処置なしである。
今市ロータリークラブが寄進、管理する(?)桜園であるが、カメラマンから見れば、設計段階で何とかしてくれるべきだった問題ではある。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ2-7b.jpg
6. この雪の量だから、2週間後に迫ったソメイヨシノの満開時にも、連山はサクラを引き立てる名脇役を演じてくれるだろう。楽しみである。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ3-1b.jpg
7. この枯れ草の荒野も手抜き管理とそしられてもいいわけが利かない。ファインダーに夢中になっていると躓いて転ぶこともある。サクラの園は、見物客あってのサクラの園なのだから、観客側に立った配慮も欠かしてほしくない。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ3-5b.jpg
8. それにしても雪の連山は見事である。河津サクラが写真ではこんな色に撮れる、という知識を持った人が計画に参加していたのだろうか。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ3-6b.jpg
9. 中央正面の白い壁を避けるために、カメラを左に寄せたり右に寄せたり…。
そのせいで男体山が居心地悪そうに見える。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ4-2b.jpg
10. 男体山を単独で撮るならば、こんな撮り方もあるが、またも他の白壁が邪魔をする。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ4-3b.jpg
11. 女峯山を撮ってもお邪魔虫が顔を出す。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ4-6b.jpg
12. このサクラ園には、不満の種が多すぎて困るのである。それとも、贅沢な不満というべきなのだろうか。

29,4,3 雪の連山 河津ザクラ6-1b.jpg
13. 雪の男体山と特急電車とサクラ。
不満を並べているうちに、男体山付近が曇ってきてしまった。
それ見たことか、と言われそうだ。
「知足」、足るを知ることも必要である。もっと修行を積もう。


中禅寺湖 夕闇の男体山鏡像 [風景]

このところ新月の時期で、陽が沈むと暗闇が訪れる。
その暗闇の中で、背景の空が幾分明るいとき、男体山の輪郭がくっきりと浮かぶ。

年に数回、中禅寺湖の湖面が鏡のように静かな時間帯が訪れる。

この二つの偶然が重なると、幻想的なショーが始まり、あっという間に通り過ぎてゆく。たまたまこの貴重なショーに遭遇できた。
このブログの読者諸氏にご披露して、喜びを共有したい。

29,3,25鏡像男体山1-2b.jpg
1. 3月25日 18:04
この時期、中禅寺湖の日没は群馬県の山々に、17:30ころ終わる。
ほんのりとした名残のピンク色が心を和ませる。
良く見ると、見慣れた夕景色に比べて、鏡像がくっきりしている。
湖面には波がほとんどない。

29,3,25鏡像男体山1-4b.jpg
2. 18:05 男体山を遮る雲もなく、いい鏡像になる可能性を秘めていた。

29,3,25鏡像男体山1-7b.jpg
3. 18:15 さらに時間帯が進むと、山裾や温泉宿の灯りの鏡像もくっきりし始めた。

29,3,25鏡像男体山1-8b.jpg
4. 18:23 急きょ歌が浜へ移動して、男体山を南側から見たシルエットである。
富士山に似たこのシルエットが、このアングルから見た絶景である。1個の巨大なそろばん玉を真横から見た如く、水平線の灯りも含めて、心をふるわせるショットである。

29,3,25鏡像男体山1-9b.jpg
5. 18:23 同時に撮った2枚目であるが、こちらが風景モード、前画像は絞り優先モードである。風景モードがnikkinの心をわしづかみにした。

29,3,25鏡像男体山2-1b.jpg
6. 18:24 位置を変えてもう一度二つのモードを比べてみた。
杭の並ぶ岸辺で撮って、こちらが風景モード。色調が画像5.と同じである。

29,3,25鏡像男体山2-2b.jpg
7. 18:26 そしてこれが絞り優先モード。画像4.と同じ色調である。
これだけ色調が変わるのだから、モード選びにも気を使わなければならない。

29,3,25鏡像男体山2-3b.jpg
8. 18:31 暗闇の進み方が早い。鏡像の輪郭がつかみづらくなった。
左下の灯りは、白熱電球の街路灯によるものである。

29,3,25鏡像男体山2-4b'.jpg
9. 18:32 さらに闇が進み、白熱電球の灯りも増した。
この辺りでこのショーも幕にしよう。


冬の竜頭の滝 [風景]

竜頭の滝がツツジや紅葉の時期に美しいのは、滝を取り巻く環境が美しいからといえる。冬の竜頭の滝の美しさは、滝自体の美しさなのではあるが、それでも氷の存在なしではこのような美は見られない。

28,12,03夜の竜頭の滝1-1b.jpg
1. 昨年12月3日 この時は氷はまだ存在しない。
氷の代わりに助演をしてくれたのは闇だった。

28,12,03夜の竜頭の滝1-2b.jpg
2. だんだん暗くなってゆく。闇が進むと滝が生き生きとし始める。

28,12,03夜の竜頭の滝1-3b.jpg
3. 真の闇、といいたいが、白い木の幹がまだ見えている。

28,12,03夜の竜頭の滝1-6b.jpg
4. この幹の白さはなかなか強情で、なかなか闇に融けない。さすがのnikkinもしびれを切らして、次の目標に向かった。

29,1,29 竜頭の滝1-1b.jpg
5. 1月29日 この日は氷がばっちりである。粒粒状に撮れるのが水であり、他はすべて氷である。向かって右の滝である。氷の壁が少しずつ伸びて、水がまったく見えなくなった時が完全結氷であるが、よほどタイミングが良くなければ見られない。

29,1,29 竜頭の滝1-3b.jpg
6. これは向かって左の滝。まだ大きな窓があいている。

29,1,29 竜頭の滝1-5b.jpg
7. 向かって右の滝。滝を遠ざけて撮った。

29,1,29 竜頭の滝1-6b.jpg
8. さらに滝を遠ざけた右滝である。あちらこちらで壁が未完成なのが分かる。

29,3,12竜頭の滝1-1b.jpg
9. 3月12日 左右の滝を同時に撮った。この時もあちこちで壁が未完成ではあったが…。

29,3,12竜頭の滝1-4b.jpg
10. 未完成の部分が小さくなり、壁の下端に並ぶつららが美しい。
この滝の水は、温泉排水のイオウなどの要素を含んでいるので、氷に色が着く。
ある意味では貴重な氷である。

29,3,12竜頭の滝1-6b.jpg
11. 左の滝。ここではほぼ完ぺきに近い壁ができている。

29,3,12竜頭の滝1-8bb.jpg
12. 右滝。氷がおどろおどろしく見える。この日も暖かい日であり、氷が溶けだした状態を撮らざるを得なかった。

完全に氷の壁ができた状態を撮ったことはあるが、水の見えない滝は、美しさに欠けるのが残念ではある。今回は、私の経験では一番美しい滝だったと思われる。



アカメヤナギの受難 [花]

アカメヤナギ、一度見たら決して忘れられない。
こんなに美しいネコヤナギが存在するんだ…。

この美しいネコヤナギの名前は、私の中で2転3転した。
初めて「フリソデヤナギ」という名前を目にした時、実は他のヤナギの芽だったのだが、私は勝手にこの美しいネコヤナギのことだと思った。他にはあり得ない、と思ってしまった。
2年前、栃木市のある植物園では、これを「アカバナネコヤナギ」と呼ぶことを知った。ところがインターネット調べると、この呼び名はその植物園だけのものだった。
困った私は、生け花の師匠に尋ね
た。そうして知ったのが「アカメヤナギ」だった。

そのアカメヤナギの群生が、わが家から徒歩10分弱のところに、文字通り誕生した。13年前は5~6本の幼木が並んでいただけだったのに、3年前に再会した時は、一大軍団をなしていた。私は小躍りして写真を撮りまくった。

ところがその軍団が、突然消えてしまった。切り株だけが多数残っていた。

29,3,10アカメヤナギ3-2b.jpg
1. この細い小川の両岸を、びっしりとヤナギの木々が埋め尽くしていた。真っ赤なネコヤナギが立錐の余地も残さずひしめき合うサマは、まさに壮観だった。
http://blog.so-net.ne.jp/nikkodayori/2015-03-10

今、その切り株を判別できるだろうか? 太い切り株ではない。母指大くらいの株が4~5本ずつ集まっている。岸の踏み固められた小道と、叢との境界あたりである。

もののみごとに、全部切り倒されていた、と思ったら、1本だけ難を逃れた木があった。
芽が出る前のネコヤナギは、他の木との判別が難しい。少し離れた場所にあったため、殺戮を逃れられたらしい。


29,3,8アカメヤナギ1-1b.jpg
2. これがその木である。きれいな赤い芽が喜びを爆発させようとしていた。

29,3,8アカメヤナギ1-2b.jpg
3. 脇から出た枝である。
赤い芽のいくつかに黒い斑点が出ている。赤から黒に変化して、間もなくその一部から黄色いおしべが顔を出す。

29,3,8アカメヤナギ1-7b.jpg
4. この赤さと産毛のような白い綿毛。カッワイイ…、と叫びたくなる。

29,3,8アカメヤナギ1-9b.jpg
5. 黒い綿毛の一部が破れて黄色いおしべが出てきた。
この段階のネコヤナギは、白、黒、赤、黄の4色模様である。

29,3,10アカメヤナギ1-1b.jpg
6. 2日後の同じ木である。図2と比べると、黄色いおしべが顔をのぞかせた芽が増えていた。2日間を、だてに過ごしたわけではないと、小さいながらも立派な啖呵を切っている。

29,3,10アカメヤナギ1-5b.jpg
7. 遠くの黄色の芽を開いた2個と、近くで黒色変化の速さを競っている7個。
こんなネコヤナギにも競争本能が備わっているらしい。

29,3,10アカメヤナギ1-6b.jpg
8. 黒から赤に、そして黄色に変わる段階が良く見える。赤色は、おしべの花粉嚢の色である。花粉嚢という赤いキャップを脱ぐと、黄色の花粉塊が現れる。

29,3,10アカメヤナギ1-7b.jpg
9. ここでは3段階が、礼儀正しく整列しながら進展している。しつけの良いネコヤナギだ。

29,3,10アカメヤナギ2-1b.jpg
10. 花粉塊が顔を出すのは、枝先から始まったり、幹に近い位置から始まったり、中央から始まったり、個々の芽次第であり、民主主義の個人の意思が
じつに尊重されている。北朝鮮のアカメヤナギはどんな咲き
方をするのだろう。

29,3,10アカメヤナギ2-9b.jpg
11. 背景に、朝日が当たる光景を撮って
みた。あまり意味は無い。

29,3,10アカメヤナギ3-1b.jpg
12. 図7と同じ7人兄弟である。暖かそうで寒そうで、仲良さそうで闘争中のようでもあり、どの子もみんな微笑ましい。撮っていても眺めていても、飽きることがない。

この美しいネコヤナギたちはなぜ切り倒されたのだろう。単なる間引きや剪定の発想ではない。なにか憎しみを持って切り倒された感もぬぐえない。1本も残さないぞ、という硬い意志がにじみ出ている。手抜かりから(?)、1本だけ助かったが、周到な作業が行われたならば、全滅の憂き目を見たはずである。なぜ、そんな仕打ちを受けなければならなかったのか、それが大きな謎なのである。
われわれカメラマンたちが疎ましかった…。まず頭をよぎるのが、このことである。
カメラマンたちのマナー違反が美しいネコヤナギに災難を招いたのだろうか。
しかし、この場所は道路わきにあり、他の花木や草花も咲き乱れ、人々がツクシを持ち帰って食べたりもしている。カメラマンたち、といってもnikkin以外のカメラマンに遭ったことがない。そうか、マナーの悪い真犯人は、わたししか居なかったのか…。

来年以後は、切り株から伸びた若枝から、美しい赤いネコヤナギが鈴生りになるはずである。そこで待っている運命は、どんな運命なのだろう。nikkinは必ず見届けようぞ。


珍説論文[けあらし] [気象現象]

はじめに
 「毛嵐」「気嵐」あるいは「化嵐」「気怪し」などと書くこともあるらしいが、どれが正解なのか誰も知らない。「けあらし」と仮名書きするのが無難なようだ。

 Web検索では、「北海道留萌地区の方言。暖かい海流の表面に、山地で冷やされた寒気が流れ込むとき、その温度差が原因で出る霧の一種」とある。方言だと言うならば標準語では何と言うのか、調べても出てこない。そもそも存在しないのだ。
 気象用語は「蒸気霧」と言うそうであるが、まるでなじまない。「けあらし」が全国区になりかけているせいでもある。蒸気霧とは、英語のsteam fogを直訳しただけのものであろう。
文字を理解しても意味が分かりにくい。なじまないのも致し方ない。

 カメラマンや気象関係者
ならば、「けあらしと呼ばれる現象に2~3種類あるのではないだろうか」と感じた人たちが私をふくめて少なからず居た、あるいは居るはずである。そんな疑問を、画像中心に追及して見た。
 
日光地区で風景写真を撮り始めて10数年、撮り貯めたけあらしの画像は2千枚を超える。それらを丹念に読み解いて見つけた事実あるいはもう一つの真実がある。やぶにらみの科学者が畑違いの分野から、珍妙な理論で、珍説論文にまとめてみた。

1. けあらしの分類
  ① けあらし
    留萌など、東北・北海道地区で見られる典型的なけあらしである。
  通常1日で一番気温の下がる日の出前に出現し、日の出後に気温が上がると消え去る。日の出の太陽が雲の影に居る時は長く持続する。

   28,10 30 けあらしと釣り人1-3e.jpg
   ↑
 
 昨年10月30日10時ころ、中禅寺湖歌が浜からの撮影である。折からのワカサギ釣りが人気で、3~40艘のボートがが繰り出しており、幻想的な光景となった。
 朝から曇天気味の天候で、気温は氷点下一桁の前半だったと記憶する。

 中禅寺湖は最深部が160mもあり、対流が起こる。湧水成分が多く、湧水の温度は14~5℃とされている。対流で持ち上げられる水の温度は、7~8℃であろうか。気温との温度差は10℃前後。
  この画像のけあらしは、理論的には日の出前に出現したはずである。撮影開始後1時間ほどで消え始めた。
 
 ② 逆けあらし(仮称)
  日の出直後、強烈な赤外線が水面に届いた時に出現する。 
  水温が低く、気温が高い状況は、①の状況とは正反対である。
「逆けあらし」はnikkinの命名。
  通常、日の出直後が最強の輝きで、20~30分後に消え細る。
  ①タイプと比べると濃度が低く、逆光ではかなりの輝きでも、順光で見ると、弱弱しい、消え入りそうな風情に変化している。
  典型的な例は、早朝の釧路湿原で愛のダンスを舞うタンチョウの背景のピンク色である。

   24,3,1 1本ケヤキの日の出3-7e.jpg
   ↑
  平成24年3月1日、大谷川河川敷公園内の小さな池である。深夜に降った雪が池の中で溶けて水温を下げ、朝日が気温を上げたことにより、逆温度差が大きくなっているが、それがけあらしの発生機序か否かは不明。
  温度差以外で起こる変化としては、暖められた空気が乾いて軽くなり、上昇気流を引き起こすことなどもあるが、その影響も不明である。
  これに似た状況の画像はweb上に多数みられるが、すべて単に「けあらし」とされており、メカニズムについては全く触れられていない。

 ③ 瞬時に交代するけあらし
  日の出前の寒さで、すでに通常のけあらしが存在する状況の時に、日の出が強烈な赤外線を水面に届けると、けあらしは瞬時のあいだに①から②に交代する。この際、水温はほとんど変わらないと考えられるので、空気温だけが急速に上昇するはずである。 そのせいで通常のけあらしは容易に消え去るが、逆けあらしが登場するメカニズムが何とも不可思議である。  
      23,10,8 小田代湖のけあらし 4-4e.jpg 

  平成23年10月8日 06:27 小田代湖の水面からは①タイプのけあらしがさかんに立ち上っていた。中央の高い木は貴婦人と呼ばれているシラカンバである。。

23,10,8 小田代湖のけあらし 4-6e.jpg

 06:29  2分後、男体山の陰から朝日が顔を出した時には、けあらしは消え去る寸前となっていた。


23,10,8 小田代湖のけあらし 4-7e.jpg

 06:31 2分後には②タイプのけあらしが出現し、逆光の中で輝き始めた。

23,10,8 小田代湖のけあらし 5-2e.jpg

 06:34 その3分後にはこんなに発達した②タイプを認めた。
 このような①から②への交代を詳細にカメラで捕えられるチャンスは少ない。

 ④ 並立するけあらし
  地形によっては、①と②の両タイプの並立を観察できる。

   27,10,10 千手ヶ浜の貴重なけあらしe.jpg
   ↑
  平成27年10月10日 06:00 中禅寺湖千手ヶ浜の日の出。
左方の山は男体山。日の出前から存在していた①タイプのけあらしが、日差しの届かない山陰に限局して残っている。ギラギラした日差しに照らされた右方の湖面には、②タイプのけあらしが大きな顔で立ち上っている。
  カメラがあと10分早く到着していたら、①から②への交代を記録できたのだろうが、早朝バスの時刻表には逆らえない。
 対流による暖かな水を必要とする①タイプは水深を確保するために沖の方に位置取りし、浅瀬でも構わない②タイプは、カメラの足元近くまで来ている。①タイプがある程度しっかりした輪郭を維持しているのに対して、②タイプは輪郭がはっきりしない。
 先に消えるのはもちろん①であり、②は衰えながらも、30分近くがんばっている。

  
 ⑤ 滝壺けあらし
  滝壺にも①タイプのけあらしが発生するが、滝壺には特殊な事情がある。滝の流れがあい接する空気を大量に滝壺に引きずり込むので、溜まった空気が空に逃れ出て、滝壺から強い上昇気流が発生する。発生したばかりのけあらしはその場に留まることができず上昇気流に乗る。上昇したけあらしは、高く昇れば昇るほど冷気に冷やされて、白色が鮮やかになり、稀有なる美景を創り出すのである。
   
    23,10,19 湯滝の紅葉とけあらし5-4e.jpg

 平成23年10月8日 06:24 湯滝の上から滝壺方面を見降ろしている。背景は紅葉最盛期を迎えようとしている西戦場ヶ原。滝壺は下方に外れている。
 滝壺から昇って来たほぼ透明な空気柱が、途中から白さを獲得し、背景の紅葉とマッチして美しさを競い合う。このけあらしは、上昇気流とともに右に揺れ左に揺れ、途絶えたり、迂回したりを繰り返しながら、だんだん弱まってゆく。
 この白いけあらしが朝日に照らされながらも消えないのは、発生現場が低い場所にあり朝日が届かないため、生産が止まらないからである。
 地形の特殊性が影響するが、滝壺けあらしはどの滝にも発生するとは限らない。なぜか華厳の滝には稀にしか発生しないが、湯滝には頻繁に発生する。
 紅葉期の寒い朝はこの光景を懐かしく思い出す。

23,11,10 湯滝のけあらし1-7e.jpg

  平成22年9月14日 05:22 日の出のずいぶん前からけあらしが出たり消えたりしていた。力強く上るけあらしは、その日1日に使用しきれないほどのエネルギーを補給してくれる。
  気温についてはっきりした記憶がないが、これが出現する朝はとにかく寒い。

2. 考察
  けあらしの分類として5種類も列挙したが、基本的には①と②の2種類である。
  ③④⑤は出現の仕方による分類でしかない。
  nikkinが意図したものは、けあらしは①だけではないぞということと、②を①と同一視してはいけないんじゃない、と言うことの2点である。
 
  けあらしを分類しようなどと言う試みを思いつくのは、かなりのへそ曲がりかもしれない。しかし、まんざら的外れでも無いことをご理解いただけただろうか。少なくとも、①と②とを区別した方がすっきりする、と言うことにはご賛同いただけると思う。

20,11,29 湯気の中のヤチボウズ5e.jpg
↑  
最初に気になったのはこの画像だった。
  平成20年11月29日 画面奥の男体山頂上からでた太陽は、通常の日の出より1時間近くも遅れていた。それでも、太陽が顔を出しただけで光徳沼には湯気が立ちこもり、ヤチボウズたちが露天風呂を楽しんでいるような、幸せな時間を満喫しているような雰囲気になった。日の出前は寒々とした沼にすぎなかったのだが、衝撃的なドラマの展開に、ただただ見惚れてばかりいた。
  ここの水はほぼ100%湧水である。したがって水温は14~15℃。もしけあらしが出来るとすればそれは①タイプでなければならない。しかし、なぜかこの場所で、①タイプのけあらしは見たことがない。
  その後も、状況的にこの画像と似た条件で起こる湯気をたくさん見続けるうちに、タイプの異なるけあらしではないか、という想いがどんどん強くなっていった。
  ただし、納得できないことがある。
  ①タイプのけあらしは、みそ汁の椀から立ち上る湯気や露天風呂の湯気などのように、実生活でよく見かける現象の寒冷地版であり、不思議さを感じることはない。
  ところが、水温が低くて空気温が高い状況で湯気が立つ現象を、実生活で見かけた記憶がない。冷たい水の表面に熱源を近づけたら湯気が立つのだろうか。これは実験する価値がありそうだ。
  
洗面器に水道水を満たして白熱電球を極近まで近づけて20分間待ったが、湯気のユの字も現れなかった。洗面器の水温も高くならなかった。厳しい現実だ。
  それでも現実にはこのような状況でけあらしが立っているのである。温度差に起因するものでなければ、赤外線、遠赤外線、上昇気流なども捜査線上に浮かんでは来るが、かなり弱い存在であることも事実である。
  こんな中途半端な終わり方で、科学論文でございます、とはとても言えないが、静かそうな外見の池の水に、小石を1個投げ入れてみた次第である。

3. まとめ
  「けあらし」と言う現象を分類・解説し、それぞれに名前を付けてみた。
  従来のけあらしについては発生メカニズムがはっきりとしているが、今回の分類のうち、「逆けあらし」には、納得できるメカニズムを提唱出来なかった。
  権威者によるご批判、ご解説とご教示を切に願う次第である。







 




 

 
 


満月と日光連山 [風景]

つい今しがた、nikkin夫妻がそろってインフルエンザに罹っていることが判明した。
こんなタイミングで記事を書くと、けっして多くはない私の読者諸氏に、フル―ウイルスを広げてしまうのではないかと心配になったが、「あ、これは杞憂の典型だ」と気付いた。

と言うわけで、いつもどおりに記事をアップすることにしたが、もし万一、フルーウイルスを見かけたか、感じ取った読者諸氏には、それが錯覚であることに気づいていただき、平静に記事を読んで下さるよう、衷心よりお願い申し上げる次第である。

なお、今回の記事はイマイチの感をまぬかれないが、次回の記事は秀逸とは行かないまでも、決して読者諸氏の期待を裏切ることのない、価値のある記事であることをお約束する。
タイトルは「けあらしと逆けあらし(仮称)」。けあらしに関する新発見の事実を、懇切丁寧に提示、解説する予定である。少々長ったらしい、学術論文風の記事になる予定なので、時間をかけて準備したいと思っている。(何だこれは。NHKの番組宣伝と変わらないではないか)

29,2,12満月と連山1-1b.jpg
1. 2月12日 早朝。前夜が15夜であった。
きれいな満月が黄色く光っているが、肝心の連山は雲の影だった。


29,2,12満月と連山1-5b.jpg
2. 男体山と女峯山の一部が見えかけたが、シャイなおふた方は、御簾の影から出てくることはなかった。

29,2,12満月と連山2-1b.jpg
3. せっかくの満月もここで御簾の影に入られた。
この後、何を楽しみに待てばよいのやら…。

29,2,12満月と連山2-4b.jpg
4. そんな心配を吹き飛ばしてくれたのがこの美しい雲。

29,2,12満月と連山2-6b.jpg
5. 高い位置の雲はもとより、お二方の隠れた御簾をも赤く染めたが、シャイなお二方は、出てご挨拶することを固辞し続けた。

29,2,13  満月と連山1-1b.jpg
6. 翌13日早朝。16夜(いざよい)の月が高いい位置で輝いていた。1日の違いがこれほど大きいのである。連山は雲一つない晴れ。積雪の具合もばっちりと決まっていた。

29,2,13  満月と連山1-7b.jpg
7. 日の出の2~30分前、西の空がぼんやりと赤くなる。
東の空の赤さを反映しているのである。月は黄色さを失わんとしている。

29,2,13  満月と連山1-9b.jpg
8. 連山朝焼けが始まった。満月(十六夜の月)はかなり高い位置で、
「自分はショーの仲間じゃないよう」とすねているようだ。

29,2,13  満月と連山2-3b.jpg
9. 連山朝焼けの最盛期だ。空の青さもようやく美しい青色になりかけた。

29,2,13  満月と連山2-7b.jpg
10. 男体山の赤さも最高。建築物は日光市文化会館。
文化会館が連山の美景の邪魔をしていては、サマにならない。

29,2,13  満月と連山2-8b.jpg
11. 「おいらやっぱり景観の役に立っていないね。ごめんね」といざよいの月。
丸い体を細くして、身の置き所がない風情である。
いいんだ、いいんだ。君がいるのといないのとでは、大きな違いが出るんだよ。

次回記事は1週間以内に出る予定。気象庁関係者もびっくり。どうぞお見逃しなく。




歌が浜の男体山 [風景]

いい被写体に恵まれない日が続いている。
そういうシーズンだから仕方がないと言えるのだが、他の事情として、奥日光への撮影行が減っていることも大きい。自身で車を運転してゆけない境遇を作ってしまったのだから、自業自得なのであるが…。

今回は、歌が浜からの男体山と白根山の雪景色をお伝えする。
月並みすぎて興味を示してくれない読者諸氏もおられよう。いたしかたない。

29,1,29 歌が浜の男体山1-1b.jpg
1. 歌が浜の男体山は富士山のような形をしている。
右の斜面が日光市側から見える、いわば表の顔である。
ここの岸には大きなミズナラの倒木がある。

29,1,29 歌が浜の男体山1-3b.jpg
2. 歌が浜は中禅寺湖の東岸の一番南側寄りを言う。
男体山は北岸にあり、氷の壁が東岸、カメラは南岸の一番東寄りにある。
氷の壁の上が歌が浜である。

昔話の男体山と赤城山の戦い、と言うよりもそれぞれの代表戦士である大蛇と大ムカデの戦いが決着したとき、この浜で勝利の歌を歌ったとか…。
ついでに言うと、戦いの主戦場が戦場ヶ原であり、勝負が付いたのが菖蒲が浜だとか。また戦場ヶ原の一角にある赤沼は、彼らの地が流れて溜まったものだとか。

b.jpg
3. 中禅寺湖は東西に長く南北にみじかい。長い長径の途次で出来た波が、寄せてはじけてこの氷の壁が出来る。
毎年、中禅寺湖の冬の風物詩である。

29,1,29 歌が浜の男体山1-5b.jpg
4. 男体山の左側斜面、いわば日光市から見る反対側には、この画像では見えないが、頂上に近く大きな噴火口がある。
奥日光方面から見ると、まるでnikkinの後頭部のような、空き地(穴)が見える。

人類に歴史を記録する文化が生まれる前(約1万年前)に、噴火があったと伝えられる。その溶岩によって中禅寺湖や華厳の滝が生まれたという。
分かりやすい言い方にすれば、男体山の噴火は記録には存在しないが、まぎれもない活火山である。

29,1,29 歌が浜の男体山1-8b.jpg
5. 折から、東京方面から見えたと思われるカメラマンが5名、登場してこの景色を撮り始めた。他によいシャッターポイントがなかったのだろう。

29,1,29 歌が浜の男体山1-9b.jpg
6. 倒木のオブジェのおかげで、ここからの男体山撮影が味深いものになった。4年ほど前の出来事である。自然公園であるから、当局は、必要不可欠の場合以外はまったく手を出さない。そのせいで最高の被写体であった光徳沼が、堰を流されて、ただの湿地に変わってしまった。

29,1,29 歌が浜の白根山1-1b.jpg
7. 白根山系が西岸の向こうに見える。
頂が白すぎてライトブルーの空に溶け込んでしまった。

29,1,29 歌が浜の白根山1-2b.jpg
8. 白根山の頂上は、シロクマか白い象の右側を見たような形をしている。
ミズナラの枝ぶりがどこかおどろおどろしく、神秘な山にふさわしい。

29,1,29 歌が浜の白根山1-3b.jpg
9. 岸辺に立つと、浅い底がきれいに見える。
この穏やかな岸辺から、あの大きなしぶき氷壁が出来ることが信じられない。

29,1,29 歌が浜の白根山1-6b.jpg
10. 南岸の一部をコラボさせて撮った。
右上の茶色い裾野は男体山。

早春のお昼時、暖かいコーヒーが恋しくなって、湖岸に別れを告げた。


朝日を背負う雪の大木 [風景]

大谷川河川敷は、公園として管理されている場所も多く、ところどころに形のよい大木がぼつねんと立っている。寂しそうというか、孤高を保っているというか、あるいは威風堂々というか…。

日光市一帯に10cmほどの雪が積もった朝、朝日を背にして長い影を引く大木の姿は、あたかも一人の名優のごとく、あるいは孤独な横綱のごとく、一服の絵として時を忘れさせる存在でもあった。

29,1,15 大木と日の出1-1b.jpg
1. 大きなケヤキの木である。縦方向にすっくと伸びた木であり、各枝も縦方向志向が強い。雪質が軽かったこともあり、枝に残っていた雪はほとんどなかったと思われる。

29,1,15 大木と日の出1-4b.jpg
2. 木の影を長くして撮ってみたが、人の足跡と犬の足跡とで乱されて、画像としての価値が今一つと思われる。

29,1,15 大木と日の出1-6b.jpg
3. 他の場所に立つ、やはりケヤキと思しき木である。枝ぶりから見て、雪が留まっていた可能性が低い。

29,1,15 大木と日の出1-7b.jpg
4. 足跡が全くない状態で撮れたのは嬉しかったが、樹形がイマイイチだったのが心残りではあった。

29,1,15 大木と日の出1-9b.jpg
5. 3本目の木は、何の木かは分からないのだが、枝ぶりの良さが申し分ない。
傍らに小川の流れている様が、画像としてプラスの要素なのかマイナスの要素なのか、若輩のnikkinには分からないが、個人的には小川のある風景が好きである。

29,1,15 大木と日の出2-1b.jpg
6. この木において、前の2本の大木と決定的に異なるのは、木全体が白い粉状物質によって包まれており、朝日がその粉状物質を照らし、いい雰囲気を醸し出していることである。この柔らかい粉状物質から生まれた雰囲気は、自画自賛させていただけるなら、神秘的とさえ表現できなくもない。

29,1,15 大木と日の出2-3b.jpg
7. 実は、撮影していた時にはこの粉状物質に気付いていなかった。なんとなくいい雰囲気が出ているなとは思いながら、その理由がこの粉状物質であることには、全く気付かなかったのである。未熟なカメラマンであることを白状して、お詫びしたい。

29,1,15 大木と日の出2-5b.jpg
8. しかし、この白い粉が何者であるかは、少し考えれば難しくはない。
雪、パウダースノウである。横方向志向の枝に留まっていた粉雪が、折からの弱い風に乗って舞い上がったのである。

29,1,15 大木と日の出2-7b.jpg
9. 枝に残っていた粉雪の量は有限であり、この画像においては規模がぐんと小さくなってしまった。

29,1,15 大木と日の出2-8b.jpg
10. 逆光だからこそ撮れた粉雪の幻想である。
もう二度とお目にかかれない。二度と証言台に立てることはない。
一瞬の感動をありがとう。最高の記録と記憶をしっかりと確保できた。天上、地上の神々に感謝だ。

29,1,15 雪の大谷川3-1b.jpg
11. 同じ木を順光で撮ってみた。まだ枝枝には粉雪が残っている。少し強い風が来たら、あの幻想をもう一度みられるのかもしれない。

人間、欲は深くないのがよい。もうずいぶん歩いた。知足、足るを知る。
感謝をこめて、この朝の感動にサヨナラを告げた。



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